作業療法士の資格の難易度は?合格率や取得までの流れを解説

スタッフと車椅子の女性
作業療法士を目指すとき、難易度が高いのか気になる方もいるのではないでしょうか。作業療法士は国家資格なので、国家試験に受験して合格する必要があります。国家試験の合格率は70〜80%とされており、しっかりと勉強をしておけば合格できる可能性は高いでしょう。

この記事では、作業療法士の難易度や資格取得までの流れについてご紹介します。作業療法士の難易度を把握することで、自分の進路を決めるきっかけとなるでしょう。

作業療法士の資格は難易度が高い?

話を聞くスタッフ
作業療法士の国家試験の合格率は毎年「約70〜80%」とされています。そのため、決して難易度が高いわけではありません。

作業療法士は国家資格であり、国家試験に受験して合格する必要があります。

2019年から2023年までの5年間の国家試験合格率について、以下の表にまとめています。 

 

受験者数

合格者数

合格率

2019年度(第54回)

6,358人

4,531人

71.3%

2020年度(第55回)

6,352人

5,548人

87.3%

2021年度(第56回)

5,549人

4,510人

81.3%

2022年度(第57回)

5,723人

4,608人

80.5%

2023年度(第58回)

5,719人

4,793人

83.8%

作業療法士の資格を取得するまでの流れ

ガッツポーズのスタッフ
作業療法士の資格を取得するには、以下の流れを経る必要があります。

1. 大学や専門学校に入学する
2. 大学や専門学校で3〜4年間勉強する
3. 国家試験に合格する

ここでは、それぞれの流れについて詳しく解説します。

1.大学や専門学校に入学する

まずは、高校を卒業したら大学や専門学校など、作業療法士になるための養成校に入学する必要があります。作業療法士になるための養成校は、2019年の時点で「193校」あるとされています。

全国各地に点在しているので、自分にあった養成校に入学しましょう。なかには、夜に授業を受けられる夜間部の養成校もあります。

出典:日本作業療法士協会|作業療法士になるには

2.養成校で3〜4年間勉強する

養成校に入学したら、3〜4年間勉強して作業療法士になるための知識を身につけます。作業療法士の養成校には「3年制」と「4年制」がありますが、どちらも受けるカリキュラムは共通しています。

作業療法士の養成校で受けるカリキュラムは以下のとおりです。

● 基礎分野
● 専門基礎分野
● 専門分野

基礎分野では「科学的思考」や「生活」など、医療に携わるうえで必要な基礎知識を学びます。専門基礎分野では、人体・疾患の情報やリハビリ理念など、より専門的な知識を学びます。専門分野では、リハビリに関する実践的な内容の学習が中心です。

学年を経るごとに、基礎的な分野から専門的な分野に移行します。

3.国家試験に合格する

養成校のカリキュラムを修了したら、国家試験に向けた準備をはじめます。

令和5年度に行われた国家試験の期日や試験内容について、以下の表にまとめました。 

試験の期日

2月中旬の日曜日

試験内容

マークシートの筆記試験
(一般問題・実地問題)

合格基準

・総得点:168点以上/279点
・実地問題:43点以上/120点
(年度によって若干の変動あり)

このように、作業療法士の国家試験は総得点と、そのなかに含まれる実施問題の点数によって合格が決まります。

出典:厚生労働省|第58回理学療法士国家試験及び第58回作業療法士国家試験の合格発表について

作業療法士を目指すなら大学?専門学校?

考える男性
作業療法士を目指すときに、大学か専門学校どちらが良いのか迷う方もいるのではないでしょうか。

大学と専門学校の特徴は、以下のとおりです。

【大学の特徴】

● 作業療法士の分野以外の知識も学べる
● 大学院の進学がスムーズ
● 学費は専門学校よりも高い傾向にある

【専門学校の特徴】

● 作業療法士に特化した知識を学べる
● 大学よりも学費が安い傾向にある
● 入学したら作業療法士以外の選択肢がない

このように、大学と専門学校は学習範囲や学費などが異なります。いずれにせよ、どちらも作業療法士になるためのカリキュラムを学ぶことは共通しています。

「○○のほうがおすすめ」というわけではないので、自分にあった養成校への入学を検討しましょう。

作業療法士と理学療法士はどちらが難易度が高い?

リハビリをする女性とスタッフ
作業療法士と同じリハビリ専門職の「理学療法士」と、どちらが難易度が高いのでしょうか。ここでは作業療法士と理学療法士の難易度や、就職後の給料の違いについてみていきましょう。

国家試験の難易度はあまり変わらない

作業療法士も理学療法士も、国家試験の難易度はほとんど変わりません。

それぞれの2019年から2023年までの5年間の国家試験合格率を以下の表にまとめました。

 

作業療法士の国家試験合格率

理学療法士の国家試験合格率

2019年度

71.3%

81%

2020年度

87.3%

86%

2021年度

81.3%

79%

2022年度

80.5%

79.6%

2023年度

83.8%

78.4%

このように、2019年度は約10%の差はあるものの、それ以外はほとんど変わらないことがわかるでしょう。

出典:日本理学療法士協会|統計情報|協会の取り組み

就職後の給料もほとんど差はない

就職後の給料も、ほとんど差はないとされています。作業療法士と理学療法士はそれぞれ役割は異なりますが、「リハビリ業務」であることに変わりないからです。

また「賃金構造基本統計調査」では、作業療法士と理学療法士は同じ括りになっています。令和4年度の調査によると、作業療法士と理学療法士の平均年収は「約430万円」とされています。 

年齢による平均年収の推移は、以下の表のとおりです。 

年齢

平均年収

20〜24歳

約336万円

25〜29歳

約392万円

30〜34歳

約421万円

35〜39歳

約455万円

40〜44歳

約498万円

45〜49歳

約518万円

50〜54歳

約515万円

55〜59歳

約570万円

60〜64歳

約463万円

65〜69歳

約467万円

作業療法士になった後の就職先は?

施術するスタッフと女性
国家試験に合格し、作業療法士になった後の就職先は以下のとおりです。

● 医療分野(病院・クリニックなど)
● 介護分野(通所リハビリ・介護老人保健施設など)
● 福祉分野(児童福祉施設・児童発達支援センターなど)
● 教育・研究分野(養成校・研究施設など)
● 保健分野(特別支援学校・保健所など)

このように、作業療法士はさまざまな分野で活躍できる職業です。上記以外にも、精神科の医療機関や生活支援センターなどで働く作業療法士もいます。

小児から高齢者まで幅広く携われるのが、作業療法士の強みです。

作業療法士の資格取得後のステップアップについて

外を見る車椅子の女性とスタッフ
作業療法士の資格取得後は、「認定作業療法士」と「専門作業療法士」へのステップアップが可能です。

認定・専門作業療法士とは、日本作業療法士協会が創設した資格です。作業療法士として臨床経験を積む、指定された研修を修了するなどの条件を満たすことで取得できます。認定・専門作業療法士の資格を取得すれば、作業療法士として活躍の幅が広がるでしょう。

また認定・専門作業療法士以外にも、業務で役に立つ資格は多くあります。作業療法士になった後は、他の資格の取得も検討してみましょう。

出典:日本作業療法士協会|認定作業療法士の役割 専門作業療法士との関連

作業療法士の国家試験の難易度を把握しておこう

指をさすスタッフ
作業療法士の国家試験の合格率は年によって若干の変化はありますが、約70〜80%が目安です。作業療法士になるには、まずは養成校に入学して知識や技術を学んだ後、国家試験に合格する必要があります。作業療法士が働ける職場は幅広く、さまざまな場所で活躍できます。さらに他の資格を取得することで、より作業療法士としての価値も高まるでしょう。国家試験の難易度を把握したうえで、作業療法士の道を検討してみてください。
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