「認定作業療法士」取得するメリットはあるの?!

作業療法士のスペシャリストとして認められる「認定作業療法士」の資格。取得のメリットや流れをご紹介しています。

2020.03.26

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
認定作業療法士 取得のメリット 取得までの流れをご紹介!!

作業療法士として数年働き仕事にも慣れてきた頃、何か仕事で活かせる資格を取得したいと考え始める方は多いはず。
そこで、今回は「認定作業療法士」という資格についてご紹介したいと思います。
資格を取得することでどんなメリットがあるのか、また取得までの流れについてもまとめてみました。さっそく見ていきましょう。

そもそも「認定作業療法士」ってどんな資格?

「認定作業療法士」ってどんな資格?

認定作業療法士とは、作業療法の「実践能力(技術力・指導能力)」「研究活動」「管理運営能力」が、一定水準以上あると認定された作業療法士のスペシャリストに与えられる資格です。
日本作業療法士協会が作業療法士の質を高めるため、生涯学習の一環として2004年に資格制度を開始しました。
日本作業療法士協会によると、協会に登録している作業療法士の総会員数は6万399名(2019年5月時点)。そのうち認定作業療法士は1060名(2020年3月時点)と取得者数は多いとはいえません。つまり、認定作業療法士の資格は簡単に取れる資格ではないということが分かります。

認定作業療法士に求められる4つの能力

認定作業療法士は、作業療法士のスペシャリストであるため求められる能力があります。
資格を得るには、以下4つの能力がほかの作業療法士より“優れている”ということを認めてもらわなければなりません。

【臨床実践能力】
・各病期・各領域の対象者に対する作業療法の評価、介入、効果判定の一連の流れを実践する能力
・他職種との連携や社会資源の活用・職場行政などの制度の利用を含めた、総合的・継続的な作業療法を展開する能力

【教育能力】
・作業療法士養成課程:養成校における教員としての教育能力
・臨床実習指導者・職場での指導者:後輩への知識・技術のなどの伝達者としての能力

【研究能力】
日常の臨床実践経験をもとに、実践報告作業療法学の発展のための研究が行える能力

【管理運営能力】
・業務内容に関わる関連諸制度を理解し、職場での管理運営ができる能力
・日本作業療法士協会の役割を理解し、協会発展に寄与する能力

認定作業療法士を取得するメリットとは?

認定作業療法士メリットはなに?

認定作業療法士の資格取得を考えている作業療法士にとって「どんなメリットがあるのか」は、気になる点ではないでしょうか?
資格を取得するのなら、キャリアアップや給料アップに繋がって欲しいと思う方も少なくないはず。
そこで、認定作業療法士を取得するメリットについて見ていきましょう。

認定作業療法士の資格を取得するメリットは以下の4つ。

〇スキルアップできる
〇キャリアアップへのプラス材料となる
〇後輩への指導力が増す
〇同じ分野の仲間と出会い刺激をもらえる

認定作業療法士の資格は“持っているだけ”では、大幅なキャリアアップや給料アップはほとんど望めないでしょう。
しかし、資格を取得することで「作業療法士のスペシャリスト」だと認められるという点は、認定作業療法士を取得する最大のメリットです。
資格を活かしてキャリアアップを狙うのなら認定作業療法士として経験を積み、より条件のいい職場へ転職するとよいでしょう。
即戦力を必要としている職場にとって、教育能力や管理能力などが高い作業療法士は欲しい人材といえ、給料アップも望めるはずです。

認定作業療法士になるには?

認定作業療法士になるにはどうしたらいい?

認定作業療法士の資格を得るには、受験資格の条件を満たし定められた課題をクリアして申請書を出す必要があります。

1)申請の資格条件

認定作業療法士の認定を受けるためには、下記の条件を満たすことが必要です。

◆作業療法士としての実務経験が5年以上ある(会員歴が通算 5 年以上ある)。
◆都道府県の作業療法士協会に所属している。
◆生涯教育プログラムの「基礎研修」を修了している。(※有効期限内であること)

2)取得の流れ

資格取得までの流れ

認定作業療法士の資格を取得するには、指定されている「基礎研修」を修了後、日本作業療法士協会主催の「共通研修(2講座)」「選択研修(2講座)」の受講と最終日の筆記試験に合格。また、新たに加わった「臨床実習指導者講習会」を修了したうえで「事例報告(3症例)」を提出します。
そして、認定審査申請書と添付書類を日本作業療法士協会に提出し申請します。

※必要講座や受験資格などの詳細については、こちらでご確認ください。
※2020年度より追加された受験要件については、こちらをご確認ください。

それでは、申請に必要な6つの研修会や講習会などの受講方法、研修内容についてまとめたので見ていきましょう。

◎[基礎研修(現職者共通研修)]について

現職者共通研修は、全部で10テーマあります。1つのテーマにつき研修時間は90分です。
協会への入会から5年以内に全て受講する必要があります。

【受講方法】
各都道府県士会が開催する現職者共通研修に参加する。研修会の開催日や受講申し込みについては、各士会へお問い合わせください。

【研修内容】
(1)作業療法生涯教育論
(2)作業療法における協業・後輩育成
(3)職業倫理
(4)保健・医療・福祉と地域支援
(5)エビデンスと作業療法実践
(6)作業療法の可能性
(7)日本と世界の作業療法の動向
(8)事例検討方法論
(9)事例検討
(10)事例報告

◎[基礎研修(現職者選択研修)]について

選択領域の研修時間は、1領域につき6時間以上。全部で4領域あり、1領域以上を選択し受講が必要です。
協会への入会から5年以内に必修と選択の研修を修了しましょう。

【受講方法】
各都道府県士会が開催する生活行為向上マネジメント(MTDLP)研修、現職者選択研修に参加する。研修会の開催日や受講申し込みについては、各士会へお問い合わせください。

【研修内容】
<必修>
生活行為向上マネジメント(MTDLP)基礎研修

<選択>
(1)身体障害領域
(2)精神障害領域
(3)発達障害領域
(4)老年期障害領域

◎[認定作業療法士取得共通研修]について

この研修を受講するには、現職者共通研修・現職者選択研修を修了していることが条件となります。
共通研修では、以下2つの講座を受講し修了することが必要です。

【講座内容】
(1)研究法
(2)管理運営法

※前年度まであった「教育法」は、2020年度より廃止されました。

◎[認定作業療法士取得選択研修]について

この研修では、下記の4つある領域の中から2つ選択し受講を修了することが必要です。

【選択領域】
(1)身体障害領域
(2)精神障害領域
(3)発達障害領域
(4)老年期障害領域

◎[臨床実習指導者講習会]について

2020年度より認定作業療法士の受験要件として新たに加わった講習会です。
臨床実習指導者講習会を受講し修了しておく必要があります。
講習会は2日間の連日でおこなわれ、講習時間の合計は16時間以上となっています。

【受講資格】
実務経験が満 4 年以上あること

【講習内容】
(1)臨床実習制度論
(2)臨床実習指導方法論
(3)臨床実習における管理運営
(4)職業倫理
(5)参加型臨床実習について など

◎[事例報告]について

事例報告登録制度という、協会の学術部が管理・運営しているシステムにて、事例報告を作成・登録します。3事例を登録し審査に合格しなければなりません。

【報告事例の条件】
(1)1事例まで必須
(2)2事例まで学会で発表した研究論文・実践報告や原著論文などで代替することが可能


以上、6つの条件を満たすことで認定作業療法士への申請が可能になります。

3)更新条件

認定作業療法士の資格を継続して持つためは、5年ごとの更新が必須となります。
更新するためには以下の更新要件を満たし、かつ認定作業療法士更新ポイントを100ポイント以上集めることが必要不可欠です。

【更新条件】
(1)基礎ポイントを25ポイント取得する(基礎ポイント1ポイントにつき、更新ポイント1ポイントとする)
(2)臨床実践の報告で25ポイント取得する(1回につき25ポイント)
(3)実習指導、研修会や学会の講師などで後輩の育成経験を積む(1回5ポイント)
(4)他職種や行政からの依頼による啓発活動など、作業療法啓発に関する社会的貢献(1回5ポイント)
※3と4で合計25ポイント以上取得していることも条件に含まれます。

さいごに

計画的に取得を目指そう‼

認定作業療法士の資格要件は、すぐに満たせるものではありません。
まずは、取得するため自分に必要な研修や講習会などをリストアップしてみましょう。
そして、計画を立てて効率的に進めることが大切です。
資格の取得でキャリアアップを狙うなら、まずは作業療法士のスペシャリストになり経験を積んで、さらにうえの専門作業療法士の取得を目指すとよいでしょう。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

最新コラム記事