心臓リハビリテーション指導士とは?難易度が高い資格って本当?資格認定の流れを分かりやすく解説!

理学療法士や作業療法士などのスキルアップ資格として人気となる「心臓リハビリテーション指導士」について詳しく解説!資格認定となる条件や試験までの流れなど、おさえておきたいポイントをご紹介しています。

2020.04.06

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心臓離場ビリテーション指導士とはアイキャッチ

心臓リハビリの分野に従事している方であれば知っているという方も多い「心臓リハビリテーション指導士」という資格。
心リハ指導士とも呼ばれており、循環器疾患の治療をはじめ、再発予防やQOL向上に大きく貢献する資格として、理学療法士や作業療法士のスキルアップ資格として人気があります。
しかしながら、一部の声として「難易度が高い資格」ともいわれており、資格認定を受けるにはそれなりの苦労があるようです。
そこで今回は、心臓リハビリテーション指導士という資格について、また基本的な情報から資格認定までの流れや、難易度が高いといわれ理由について詳しく解説していきます。
今後、心臓リハビリに携わりたいと考えている方や、資格を保有することによってスキルアップを目指したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

心臓リハビリテーション指導士とは?

心臓リハビリテーション指導士とは、包括的な心臓リハビリの普及を目的として「特定非営利活動法人 日本心臓リハビリテーション学会」によって2000年に発足された認定制度です。
この認定制度ができた背景には、昔と比べてCCUの普及が進んでいることや心臓手術の技術向上など、日々医療が進歩していること、また心臓病患者の迅速な治療や早期離床が進んでいることが挙げられます。
医師や看護師、臨床検査技師や理学療法士、作業療法士などさまざまな職種が連携し、チーム医療として心臓リハビリに従事するうえで、運動療法だけでなく再発予防に関連する食事療法といった生活習慣指導などの包括的なリハビリは欠かせないものとなっており、心臓リハビリテーション指導士が担う役割は非常に重要なものとなっています。

心臓リハビリテーション指導士になるには

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心臓リハビリテーション指導士になるには、さまざまな条件をクリアしたうえで、認定試験で合格を目指さなくてはいけません。
試験に至るまでの道のりは簡単なものではないため、これから目指そうと考えている方は確認の意味も含めてしっかり把握しておくことをおすすめします。

心臓リハビリテーション指導士になるための4つの条件

心臓リハビリテーション指導士になるには、以下の4つの条件をすべて満たしている必要があります。

1.以下のいずれかの資格を有している

・医師
・看護師
・理学療法士
・作業療法士
・臨床検査技師
・臨床工学技師
・臨床心理士
・管理栄養士
・薬剤師
・健康運動指導士

受験可能な資格は10資格で、いずれも心臓リハビリと関わりの深い資格となっています。
上記にないその他の資格は、残念ながら受験資格として認められていません。


2.受験申請時に学会の会員であり、また会員歴が2年以上継続して経過している

受験時から通算2年は受験資格として認められません。
そのため、5月以降に入会している場合、2年後の4月申込となる受験は受けることができないので注意が必要です。


3.心臓リハビリの実務経験が1年以上ある or 心臓リハビリ研修制度を受講済である

心臓リハビリの実務経験とは、日本循環器学会から出されている「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」に記載されている内容を満たしていることが前提となります。
実務経験のない方については、心臓リハビリ研修制度により受験資格認定証の交付を受けている場合も受験資格として認められます。
なお、実務経験があることを証明するために所属長(もしくは部門長)における推薦状が必要となります。


4.学会主催の講習会を当該年度に受講している

認定試験を受けるには、学会が主催する講習会(一部・二部で構成)の参加が必須となっており、新規受験者は当該年度に受講することで受験資格が得られます。
(※こちらについては、後で詳しく解説します。)

出願するだけで試験は受けられない?合否が分かれる10症例レポート

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上記で挙げた4つの条件をすべて満たしていることを前提に、受験を希望する人は必要な申請書類を揃えて出願をするところから試験は始まります。
しかし、ただ申請書類を出せば試験を受けられるというわけではなく、試験の前に「受験資格があるかどうかの適正を判断するための書類審査」として、心臓リハビリにおける10の症例レポートの提出が義務づけられています。
簡単にいえば、この10症例レポートの報告内容次第で試験が受けられるか受けられないかが決まるということなので、どのような報告書を作成するかは非常に重要な項目となってきます。
この症例レポートは、さまざまな心臓リハビリにおいて自身がどのようなことに従事し学んできたのかを証明することを目的として実施しているため、性期や維持期などにおいて運動療法や食事療法など、包括的なリハビリを実施してきたうえでの事例をまとめることが大事です。
せっかくレポートを提出をしても、維持期のみのレポートや運動療法のみのレポートといった偏りのある内容では不合格とされてしまう恐れがあるため、幅広い症例報告を作成することを意識しなければなりません。

なお、症例レポートは1症例につき1枚でまとめることを原則とし、計10症例分(レポート用紙10枚分)を所定の様式(A4用紙)を用いてパソコンで入力したものを提出しなければなりません。(※手書きは不可。)
10症例レポートの作成は、想定しているよりも時間がかかったという方が多く、記載の仕方についても難しいと感じることがあるかもしれません。
記載例については、学会の公式サイトより確認ができますので、スムーズに進めるためにはあらかじめ確認をしておき、余裕を持って取り組むことも大事です。

ちなみに、10症例レポートのほかに出願時に必要となる申請書類は以下となります。


・表紙チェックリスト
・受験・講習会受講申込書
・推薦状
・受験資格に該当する資格の証明ができるもの
(※資格免許証などをA4版に縮小コピーしたもの)
・受験資格認定証のコピー
(※実務経験がなく研修制度を利用した者のみ)
・受講票用の証明写真
(※「4.5センチ×3.5センチ」のサイズの写真が2枚必要、裏面には氏名を記載)

申請書類の多くは、学会の公式ホームぺージの募集要項により必要に応じて所定の様式をダウンロードする必要があります。事前に確認をし、不備のないようにしておきましょう。

最後の試練!受験前日と当日に実施される講習会とは?

書類審査に無事合格すれば受験申請ができるようになるわけですが、それと同時に申込が必要となる講習会は、受験者にとって試験前に待ち受ける最後の試練ともいえます。
というのも、講習会は試験前日と当日の二日連続にわたって開催されるため、日々の実務に加えて試験対策を並行して進めてきた受験者にとっては、ややハードなスケジュールとなるからです。
しかし、この試験前の講習会は、いずれも心臓リハビリテーション指導士の資格取得に欠かせない包括的なリハビリの知識習得という点において、非常に重要な内容となっています。
そのため、試験の出題内容を確認するという意味でも重要な講習会となっており、試験同様に講習会も真剣に取り組めるよう、試験前日からコンディションを整えておくこと、また集中力を切らさないようにすることが合格への第一歩といえます。

参考までに、2020年度の講習会の内容をご紹介します。

<第一部・講習会の内容>(※)
・総論 運動生理学・運動心臓病学
・運動処方 心リハプログラム(急性期・心臓術後)
・運動処方 心リハプログラム(回復期・維持期)
・救急処置・安全管理
・心肺運動負荷試験実習

<第二部・講習会の内容>(※)
・総論 病態生理・診断治療
・栄養学
・臨床心理学

(※)特定非営利活動法人日本心臓リハビリテーション学会公式サイトより引用

なお、講習会の一部のみ、学会が認めている講習会を受講済となっている方は免除の対象となります。詳しくは、学会の公式サイトで確認をしてみてください。

心臓リハビリテーション指導士試験について

心臓リハビリテーション指導士認定試験は、50問/60分からなる択一式(一部2門選択のマークシート式で構成)の筆記試験となっています。
試験の出題傾向としては、学会が発行している試験対策テキスト「心臓リハビリテーション必携」の内容を中心に、臨床に役立つ心臓リハビリの基礎知識をはじめ、会員専用の学会誌に記載されている内容など、幅広い範囲から出題されているようです。
また試験の合格ラインについては、第02回心臓リハビリテーション指導士認定試験講評によると合格点を60点と定めたとありますが、試験の平均点などが催年によって変わるため、以降明確な合格点についての発表はされていません。
ただし、試験の平均点については概ね60点~70点台で例年推移していますので、80点以上をとれていればほぼ合格ラインといえるのではないでしょうか。

心臓リハビリテーション指導士試験の合格率

資格認定における試験の難易度が高いといわれている心臓リハビリテーション指導士ですが、試験の合格率はどれくらいなのでしょうか。
心臓リハビリテーション指導士の合格率推移.jpg

心臓リハビリテーション指導士認定試験の合格率は毎年60~70%台で推移しており、第20回の認定試験から過去5回の平均合格率をみてみると、約67.1%とやや低めである傾向にあります。
また、受験者の職種(保有資格)によっても合格率は大きく差が生じており、職種によってはさらに資格認定の難易度は高くなる傾向にあるようです。

■第20回心臓リハビリテーション指導士認定試験・職種別合格率

第20回心臓リハビリテーション指導士認定試験の職種別合格率.jpg

第20回心臓リハビリテーション指導士認定試験の職種別合格率をみてみると、職種別における合格率にはかなりのばらつきがあり、医師が98.1%の合格率であるのに対し、作業療法士が48.4%であるなど、その差は歴然となっています。
このようなばらつきの原因としては、それぞれの職種が担う業務内容や臨床経験に差があることが起因していると考えられており、試験合格には多職種が担う業務内容やそれに伴う知識や技能もきちんと理解しておく必要があるといえます。

まとめ

心臓リハビリテーション指導士という資格についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
振り返りますと、心臓リハビリテーション指導士を目指すにはさまざまな条件が求められ、また試験対策も決して簡単なものではないということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
しかし、そのような難易度の高い資格だからこそ、心臓リハビリのスペシャリストとしてその分野に長けた知識とスキルを持ち合わせていることは、自身のスキルアップはもちろんのこと、今後のキャリアを形成していくうえでも非常に有利となることは間違いありません。
また、心臓リハビリテーション指導士と名乗れることは、資格認定者にとって大きな肩書となるはずですので、今後さらに注目度は高まっていくと予想されます。
そのため、受験までの道のりは決して楽なものではありませんが、それ以上に目指す価値は大きく、頑張って勉強をして損はない資格といえます。
循環器分野を専門としている方で心臓リハビリテーション指導士の資格に興味がある方は、ぜひこれを機に資格認定を目指しみてはいかがでしょうか。

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