転職エピソードVol.7 理学療法士の場合『パワハラ』編
PTOTSTワーカーによるPT・OT・STのお悩みコラム!こちらでは、『パワハラ』に悩んでいた理学療法士の転職エピソードをご紹介しています。
更新日:2020年05月22日
公開日:2020年05月22日

PT・OT・STのお悩みコラムでは、PTOTSTワーカーを通して転職を成功させた方々の「転職エピソード」をご紹介します。
目次
PT・OT・STの転職エピソード
美月(みつき)さん:22歳/女性:転職歴1回★前職:回復期病院/理学療法士
★現職:回復期病院/理学療法士
PT・OT・STの転職エピソード/美月さんの場合

お久しぶりです!転職されてから半年ほど経ちますが、その後新しい職場ではいかがですか?
お久しぶりです。おかげさまで、新しい職場ではストレスなく働くことができています!


それはよかったです!では、改めて美月さんの転職エピソードを伺ってもよろしいでしょうか?
参考になるかはわかりませんが、よろしくお願いします。

陰湿なパワハラに悩む日々。自宅に帰ると泣くことも…

転職のサポートをはじめた際に伺ったのは、転職の経緯が人間関係…しかもパワハラだったとのことですが、その時の状況を教えていただけますか?
はい。まずはじめに前職についてですが、私は回復期病院で新卒から理学療法士として働いていました。働きはじめの頃は、専門職として働くうえでまだまだ不慣れな部分も多く、指導についてくださった先輩に多少きつく怒られるといったこともしばしばでした。しかし、少しずつではあるものの知識や経験が備わり、日が経つにつれて先輩のアドバイスを受けなくても一通りのことができるようになり、褒められることも増えていきました。ただし、そのような状況になってもある特定の先輩から、「これがダメ」「あれもダメ」「なにもできていない」などとダメ出しをされることが続いていました。


それは、よくいえばアドバイス。悪くいえば…嫌味とも受け取れますね。
そうなんです。一通りのことができるようになったとはいえ、その先輩から見ればまだまだ新人ですし、自分ではできていると思っていてもアプローチの仕方が違うと言われれば、「まだまだ勉強しないといけない」と反省していました。そうはいっても、言い方が威圧的であったり、目線が厳しかったり…。新人を指導するにしては、少し言葉遣いや態度に違和感があり、いつも苦手意識を抱いていました。


時には厳しく指導することはあっても、同じことが続くと萎縮してしまいますよね。指導の一貫だと思っていた頃から、次第にパワハラだと感じたのはどのような瞬間ですか?
身体的なパワハラというよりも精神的なパワハラというのでしょうか。技術面での指摘であればまだ受け入れられるのですが、次第に指摘される内容が「あの患者さんと長く話しすぎ」「楽しそうにするな」「あなたのことは皆使えないと言っている」など、私を攻撃するような内容や、周りの人を巻き込んで否定するようなことを言われるようになったんです。


それは確実に先輩という立場を利用したパワハラですね。これに対し、美月さんは何か対策を講じたり、誰かに相談されたりはしたのでしょうか。
もちろん同僚には相談をしました。しかし、みんなその先輩のことを怖がっていて極力関わりたくない雰囲気だったので、「聞いてるふりをして聞き流しておけば?」ぐらいの助言しかしてくれませんでした。私自身、しばらくは聞き流すように…と思って対応していたのですが、その先輩の態度から私個人に対する嫌悪感などを手にとるように感じていたので、仕事が終わって自宅に帰ると悲しくて泣くこともしばしばで…。精神が限界を迎えていたように感じます。


それはさぞ辛かったですね…。そしてついに、我慢の限界を迎えられた美月さんは転職をされるわけですね。
はい。もう早く辞めたくて仕方なかったので、藁にもすがる思いで転職サポートを受けることにしました。

転職成功者の声を参考に、働きやすさの条件を見極めた

転職サポートでは、前職で受けたパワハラの悩みから「人間関係のよい職場環境」をご希望とのことでしたので、働きやすい職場の条件を一緒に考えましたね。
働きやすさの条件と言われたときは、どこも働いてみてはじめて内情が分かるものと考えていたので、どういった条件が私の求める環境に近いのかは分かりませんでした。しかし、話を進めていくなかで「所属する職場の人数配置」や「チームの連携や管理体制」を詳しく聞き、ある程度規模の大きな病院で職員が多くいること、部門ごとの管理が整っているところが閉鎖的でなく、相談もしやすい環境なのではないかと思うようになりました。あとは、アドバイザーさんから教えていただいた同じ転職支援の利用者のリアルな声をもとに、「ここは人間関係が良好で上司の方も丁寧で親切ですよ」というアドバイスがかなり参考になりました。


利用者の方の声というのは弊社の強みでもありますし、実際に色々な病院に訪問して採用担当者の方とお話をする機会も多いので、ある程度の人間関係や管理体制というものはしっかりヒアリングのなかで落とし込むようにさせていただいています。それが美月さんの参考になったようで本当によかったです!

本当に参考になりましたし、実際に転職された方の声だったので安心感が違いました。事前に色々と条件を絞ったり面談をさせていただいたりしたので、安心して面接に挑むことができてよかったです。
人に恵まれ相談しやすい環境で再スタート!

転職に至るまで想像以上の苦労をしてこられたわけですが、最終的にはしっかりと転職先を見極めながら再就職を叶えられました。現在の就職先について、またその後の環境の変化について教えていただけますか?
はい。アドバイザーさんの丁寧な支援により、無事に前の職場を辞め、再就職することができました。現在の職場は前職と同じく回復期なのですが、病院規模は240床と大きく、それぞれの部門が連携したリハビリテーションを実施しているので、一体感があり人間関係も良好です。転職活動中に聞いていたとおり明るくて元気な方が多いので、職場にはいつも活気があって雰囲気もとてもよいのが嬉しいです。患者さんとの接し方や仕事面において悩むことはありますが、「最近どう?悩んでることはない?」などと先輩が気を遣って声をかけてくれるシーンも多いので、安心して働くことができています。


それはよかったです!人間関係で悩まれていた方は新しい環境に慣れるのが他の方より時間がかかる傾向にありますが、人や環境に恵まれているようで安心しました。
前職ではひどいパワハラに悩んでいましたが、思いきってあの場所から抜け出し、転職という選択をして本当によかったです。新しい職場では人間関係だけでなく、福利厚生やキャリアアップ支援制度なども充実しているので、長く腰を据えて働いていきたいです。

【編集部からの一言】
社会全体で問題視されている「パワハラ」は、PT・OT・STが働く職場でも今や身近にあってもおかしくないことです。相談できる相手がいない、また相談窓口が不明瞭で誰に相談したらいいか分からないといった事案は少なくなく、悩みを抱えた人が孤立してしまいがちです。パワハラには大きく分けて身体的・精神的に追いつめられるケースがありますが、どちらをとっても当事者には辛いことであるのに変わりはありません。慢性的に続くパワハラは、心身ともに不調をきたすなど、仕事にも影響が出てしまうこともしばしばです。さらに、自身を否定されるような言動により、これまで築いてきた自信さえも簡単に壊してしまいかねません。しかし、今回の美月さんのケースでは、悩みながらも「転職」という解決の糸口をご自身で見つけ、思いきって行動を起こしたことでパワハラの悩みを無事解決、そして人間関係のよい職場で再スタートをきることができました。悩みを抱えたまま働くよりも、新たな環境に期待を寄せて転職活動をしたことで、心境もずいぶんと変わったそうです。すぐに解決しそうにないパワハラでお悩みの方は、ぜひ美月さんの転職エピソードを参考に、ぜひ転職支援を通して問題解決ができるということも心に置いていただければと思います。最新コラム記事
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