理学療法士がフリーランスとして活躍するなら知っておきたい「メリット・デメリット」

理学療法士の新しい働き方として、「フリーランス」について詳しく解説しています。フリーランスとは?フリーランスのメリットやデメリットは?などの疑問についても解説しています。

2020.09.11

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理学療法士のフリーランス「メリット・デメリット」とは

多くの理学療法士は、理学療法や物理療法に基づいたリハビリを主な仕事とし、病院やクリニック、介護施設などで活躍していますが、最近は「フリーランス」として活躍している人も増えています。
しかし、「フリーランスの理学療法士と聞いてもいまいちどのような働き方をしているのかピンとこない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで、当コラムでは理学療法士の新しい働き方「フリーランス」について、詳しく解説していきます。
これまでの理学療法士としての経験を活かし、フリーランスとして活動していきたいと考えている方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

フリーランスとして活躍する理学療法士が増えているって本当?

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突然ですが、「フリーランスという言葉をよく耳にするようになった」という方は意外と多いのではないでしょうか。
それもそのはず。実は、日本でフリーランスとして働く人は年々増加傾向にあるんです。
どれくらいの人がフリーランスとして活躍しているかというと、日本全体で306 万人~341 万人程度(副業も含む)の人がフリーランスとして活動しているという調査結果が内閣府によって発表されています。(※)
フリーランスとして働く人の割合でいうと、全就職者に対しては約5%程度となっています。
この数字だけを聞くとフリーランス人口は少なく感じますが、2019年に施行された働き方改革によって柔軟な働き方を認める動きは高まっており、このような流れが理学療法士の間でも浸透し始めている傾向にあります。
その結果、これまでの理学療法士の働き方は主に病院や介護施設などと直接雇用を結び、正職員またはパートタイムスタッフなどとして働くということがほとんどでしたが、ここ数年で多様化する働き方に応じて「フリーランス」として活躍する人は増えています。
フリーランスとして活躍している方の多くは、これまでに理学療法士として身につけてきた専門知識や技術を用いて事業を展開しているケースが大半で、いろいろな活動媒体を通して理学療法士の可能性を広げています。

(※)出典:内閣府/フリーランス実態調査 2019

フリーランスとは

そもそも、フリーランスとはどのような働き方をする人を指すのでしょうか。
フリーランスとは、会社や団体といった特定の組織に属さずに、独立して自らの専門性を活かしたサービスを提供する人のことをいいます。
自身が自営業主となり、人を雇わず個人で活動をしていれば(農林漁業を除く)フリーランスとして働いていることになるため、副業で個人契約をして仕事を受注している人もフリーランスに該当します。
よく、非常勤のアルバイトを掛け持ちをしている人がフリーランスと見受けられがちですが、勤務先からお給料が発生している場合はフリーランスには当てはまりません。

理学療法士がフリーランスを目指す理由やメリットとは

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理学療法士の求人は全国的に多く、資格と経験があれば就職難となることはあまりありません。
ではなぜ、個人で事業を立ち上げてフリーランスを目指す理学療法士が増えているのでしょうか。
その理由として最も大きなことは、自身の強みとなる専門分野に特化した理学療法士として活躍することができる仕事量や勤務時間などの調整がきくためライフワークバランスを重視した働き方ができるという点にあります。
理学療法士として活躍している方の多くは、病院やクリニックなどで幅広い患者と向き合うというオーソドックスな働き方をしていますが、フリーランスとして活躍する場合はこれまでの経験から自身の強みを活かした働き方が可能となります。
例えば、スポーツ選手のケアに強みがある人であればスポーツトレーナーとして、脳卒中などのケアを学んできた人であれば高齢者向けの神経理学療法に特化した理学療法士として活躍したりすることができるのです。
また、フリーランスの理学療法士としてある程度案件を獲得できるようになってくると、勤務時間や休日などの調整がしやすくなり、病院などに属しているときよりも働き方の自由度が増してライフワークバランスを重視できるようになります。
決まった時間に縛られて働くよりも、自身の裁量に応じて働き方を変えられるほうが合っていると考える方にとっては、大きなメリットに感じることでしょう。
そのほかにも、個人で活動することによって周囲の人間関係に悩まされることなく働くことができる努力次第で収入を上げることができるといったことがフリーランスのメリットと考える人は少なくありません。
自身の頑張りに応じて収入を増やし、自由な働き方で生計を立てることができるフリーランス。
一般的な理学療法士の働き方とは一味違う働き方ができるという点も、フリーランスならではの醍醐味といえるでしょう。

フリーランスとして活躍する理学療法士の働き方例

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理学療法士がフリーランスとして活躍する方法はさまざまですが、専門とする分野をより極めるための働き方が一般的といえます。
具体的な例としては、これからご紹介するような働き方が参考として挙げられます。

1.整体院や治療院などを開業する

理学療法士としての経験を活かし、整体院や治療院などを開業する人は増えており、週末だけ開業するといった人も多くいます。
一般的に整体院は無資格でも開業することができますが、理学療法士は身体の構造や機能に対する知識やリハビリの知識や技術に特化しているため、安心して施術を受けたいという顧客のニーズから整体院として起業し成功しやすい傾向にあります。
また、治療院も整体院と同じく理学療法士の資格や経験を活かして「カイロプラクティクス」「アロマテラピー」「リラクゼーションソロジー」といった内容の施術を通し、収入を得る方法もあります。
そのほか、理学療法士の資格以外に柔道整復師のダブルライセンスを持っている人であれば整骨院を開業することも可能で、フリーランスとしての選択肢はより広がりやすくなります。

2.パーソナルトレーナーとして活躍

理学療法士の副業方法として個人契約のトレーナーが挙げられますが、これをフリーランスとして本業にする方法もあります。
パーソナルトレーナー(個人契約のトレーナー)の主な仕事内容は、ダイエットを目的としたエクササイズや体幹トレーニングなどを指導するといったことが一般的ですが、理学療法士の場合はアスリートのスポーツトレーナーとして活躍する人も多くいます。
フリーランスのパーソナルトレーナーになるには、基本的には個人との契約もしくはスポーツジムなどと契約を交わし、1回のトレーニング料金×月のセッション数に応じて収入を得ることになります。
最近は、芸能人を筆頭に個人でもパーソナルトレーニングを受ける人が増えているため、人気のパーソナルトレーナーとして活躍することができれば、正社員の理学療法士として働く以上に高収入を得ることも可能です。
ちなみに、パーソナルトレーナーになるには基本的に資格は必要ないとされていますが、一部のフィットネスなどではJASA-ATなどの民間資格があればより有利となるケースもあるため、トレーニングに活かせる資格を取得していればより幅広い活躍が期待できます。

3.セミナー講師として活躍

理学療法士としての経験やスポーツトレーナーといった副業などの経験を活かし、フリーランスのセミナー講師として活躍する人も多くいます。
セミナー講師の活動内容としては、理学療法士向けのセミナーをはじめ、一般の人に向けた健康講座などがあり、得意とする分野に特化したセミナーを開催することが一般的です。
セミナー講師になるには個人事業届を提出することで始めることができますが、案件が少ないうちは正社員の仕事と並行しながら進める人が多い傾向にあります。
また、実績が少ないうちはセミナー講師の派遣会社や下請けのような講師の仕事から徐々に実績を積んでいくことも多く、広く認知を高めていくためには地道な行動が必要になります。
しかし、セミナー講師としてある程度顔が売れるようになれば、企業や団体などから直接依頼がくるケースも増え、集客数や講習回数に応じて収入を大きく上げていくことができます。

4.リハビリテーションコンサルトとして活躍

少数派ではありますが、理学療法士の資格や経験を活かしてフリーランスのコンサルトとして起業する方法もあります。
コンサルトとして活動している方の多くは、リハビリ部門の管理職経験があったり複数の資格を保有していたりと経歴が豊富で、これまでに培ってきた経験からリハビリテーションコンサルトとして活躍しています。
そのため、リハビリテーションコンサルトとして安定した活動を行っていくには、理学療法士としての実績はもちろん、キャリア・コンサルティング技能士や健康経営アドバイザー、福祉住環境コーディネーター、社会福祉士といった事業に活かせる資格を保有していることが重要になります。
なお、リハビリテーションコンサルトとしての活動内容は一人一人の経歴によって異なりがみられますが、リハビリ事業の立ち上げ支援やヘルスケアやリハビリに関連する経営支援などが挙げられます。
コンサルトとして実績を積めば、介護・リハビリ職員向けの講習依頼やセミナー講師依頼、メディアからの取材依頼なども増え、多岐にわたる活躍が期待できます。

メリットだけではない?フリーランスの理学療法士のデメリット

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フリーランスの理学療法士と聞くと成功がその先に待っていると感じてしまいがちで、ついついメリットにばかり目が向いてしまいますが、フリーランスとして活動していくにはデメリットも少なからずあることを念頭に入れておかなければなりません。
では、具体的にフリーランスになることでどのようなデメリットがあるのかをひとつずつ確認していきましょう。
まずひとつめのデメリットは、労働に対するデメリットについてです。
フリーランスの理学療法士は病院などに属さず個人で活動をしているため個人事業主という扱いになり、労働基準法などの労働法規は適用外となります。
そのため、正社員として働いてる頃と比べて所定の勤務時間や休日といった決まりはなく、有給休暇や休日出勤手当、残業手当といったものも発生しないことになります。
プラスに捉えると自身の裁量で自由な働き方ができるということになりますが、クライアントからの案件が長時間を超えるものであった場合、労働時間に制限がないぶん仕事を請け負う側は不利になってしまうこともあります。
次に、収入や仕事面に対するデメリットについてです。
正社員として働いていれば毎月1回以上決まった給与が支払わますが、フリーランスは自身で仕事を獲得しなければ収入は発生しません
フリーランスとして生計を立てていくには個人で営業をかけて案件を継続して獲得し続けなければならず、仕事が軌道にのるまでは特に収入が不安定になりがちです。
また、継続して案件を獲得していても突然クライアントから契約を解除される場合もあり、見込んでいた仕事がなくなることで収入が減少するということも想定しておかなければなりません。
そして、年金や健康保険に対するデメリットについても考慮する必要があります。
病院などに属さないことで、厚生年金は国民年金へ、また勤務先が負担してくれていた健康保険は国民健康保険として自己負担になります。
厚生年金から国民年金に変わることで老後にもらえる年金額が減ることはもちろん、毎月支払う保険料はこれまでも多い額になってしまいます。
そのほか、個人事業主となることで確定申告が必要になる住宅ローンや銀行からの貸付ができない可能性がある、といったこともフリーランスのデメリットとして挙げられます。

フリーランスに向いている理学療法士とは

フリーランスとして活動している理学療法士は、病院やクリニックなどで与えられた仕事をこなすのと違い、クライアントからさまざまな要求を受けて仕事をこなします。
そのため、フリーランスを本業にするには向き・不向きが少なからず影響してきます。
では、フリーランスに向いている理学療法士とはどのような人のことをいうのでしょうか。

具体的には、

■スケジュール管理や金銭管理が得意な人
■チャレンジ意欲があり、失敗を恐れない人
■安定よりも刺激を求める人
■急な変化にも対応ができ、フットワークが軽い人
■自己アピールが得意な人


などがフリーランスに向いている人の特徴として挙げられます。

基本的にフリーランスは営業をかけるところから勤務時間や休日の管理、報酬などの管理を一人でおこなうわけですが、これらを円滑に進めるうえで自身のスケジュールや金銭の管理がきちんとできる人はフリーランスに向いているといえます。
また、収入や仕事が安定しづらいフリーランスにとって、何事にも失敗を恐れずチャレンジしようとする姿勢やフットワークの軽さがある人は強みになります。
そして、仕事に対して常に新しいことに興味をもったり刺激を求めたりする人も、枠に捉われないクリエイティブな働き方が向いており、フリーランスとして成功しやすい傾向にあります。

まとめ

病院やクリニックなどの勤務先に縛られず、自身だけの力で挑戦できるフリーランスは上昇志向が高い人にとって魅力的な働き方のひとつです。
デメリットとして確認しておくべきことはもちろんありますが、それ以上にメリットも多く、同じ型にはまった働き方が合わない、自由な働き方がしたいと考える方にとっては最適な働き方といえます。
今後フリーランスとして活躍したいと考えている方は、理学療法士のフリーランスの働き方例を参考に、自身にとってどのような働き方が合っているかをぜひ検討してみてはいかがでしょうか。


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