作業療法士の将来性はない!?現状と今後から考える作業療法士の在り方とは

作業療法士人口の増加に伴い「将来が不安」と感じる方が増えている今、作業療法士の現状と今後から作業療法士の将来性について考えてみませんか?

2020.10.02

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作業療法士の将来性について

作業療法士として活躍している方は年々増えている傾向にあり、国家資格のなかでも人気の高い資格のひとつとなっています。
その一方で、資格取得者が増えている状況から、現在作業療法士として活躍している方のなかには「将来が不安」と考える方も少なくないかもしれません。
そこで、当コラムでは作業療法士の現状と今後を比較しながら「作業療法士の将来性」について考察していきたいと思います。
作業療法士としての将来を考えるにあたり、今後行っていきたい行動についてもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

作業療法士の現状

高齢者増加に伴い需要が増えているといわれる作業療法士ですが、資格取得者数や活躍の場所、そして求人状況はどのようになっているのでしょうか。
将来性について考えるにあたり、まずは作業療法士の現状について確認していきましょう。

全国の作業療法士数の推移

作業療法士資格取得者の推移.jpg

(※参考:2018 年度 日本作業療法士協会会員統計資料/日本作業療法士協会


2018年時点における全国の作業療法士の資格取得者数は60,413名です。(※)
そのうち、男女の内訳は男性が22,991名女性が37,361名となっており、男女比率では男性が約38%、女性が約62%の割合で分布しています。
作業療法士資格取得者の推移のデータをみると、作業療法士の資格取得を志す人は年々増えている傾向にあることが分かりますが、特に2009年以降は資格取得者数が3,000名を超える年も多くなっています
これは、国による養成校の規制緩和により専門学校などが増加したことが理由のひとつとして挙げられますが、就職先の選択肢が広がったことにより作業療法士を志す人が増えていると推察できます。
現状としては、理学療法士ほどの資格取得者数(2018年時点における理学療法士の資格取得者数の累計は161,476名)には及んでおらず、まだまだ作業療法士人口はリハビリ職のなかでは少なめであるといえます。
しかし、今後さらにハイペースで資格取得者が増えていくと、就職に影響を及ぼす可能性は少なからず出てくる可能性はあるでしょう。


(※)出典:2018 年度 日本作業療法士協会会員統計資料/日本作業療法士協会 

作業療法士の活躍場所

現状、作業療法士が活躍している場所は病院のリハビリテーション科といった医療機関をはじめ、介護・福祉施設や行政・地域が担う地域包括ケアセンターなど、また特別支援学校といった教育機関などが挙げられます。
作業療法士が活躍している領域は、「身体障がい領域」「老年期障がい領域」「精神障がい領域」「発達障がい領域」の4つに分類されますが、そのなかでも最も多くの作業療法士が活躍している領域が病院における「身体障がい領域」です。
「身体障がい領域」では、怪我や病気などの後遺症による身体機能の回復を目的としたリハビリを中心とし、日常生活に必要な細かい動作のリハビリが実施されています。
また、高齢者人口の増加により訪問リハビリでの需要も高まっています。

作業療法士の活躍場所一覧.jpg

作業療法士の求人状況

作業療法士の求人は、地域や施設によってバラつきはあるものの、活躍の場が多く需要も高い職種であることから安定して募集がある状況です。
実際に、PTOTST WORKERでは全国の作業療法士求人が1万件以上あり(※2020年9月現在)、常時新たな求人も次々と掲載されている状況となっています。
とはいえ、施設によっては需給状況が異なっているのが実情で、一部の病院では必要な人員が充足していたり、採用倍率が他の施設より高いところもみられます。
一方で、介護施設や福祉施設では作業療法士不足により急募となっているところもあるなど、働く領域によって求人数には偏りが出ていることもあります。
現時点では作業療法士の就業先は多くありますが、年々活躍の場が増えていることで作業療法士人口も増加しているため、今後の就職活動においては競争率が高まっていく可能性はあるでしょう。

作業療法士の今後

作業療法士の今後として想定できること.jpg

資格取得者が増えていることで確実に作業療法士人口は増加の一途をたどっていますが、現状としては活躍の場も多く求人状況も安定しています。
しかし、今後さらに作業療法士が増加し続けるとなると、はたして今後も需要は引き続きあるのかが気になるという方も多いのではないでしょうか。
作業療法士の将来性を考えるうえでは、現状をふまえて先を見据えた行動がキャリア形成を作るうえで重要なカギとなりますが、作業療法士は今後どのような変化を迎えていくのかでしょうか。
日本が抱える課題や技術の発展などから、作業療法士の今後を考えてみましょう。

高齢化により需要は増加

2025年には「3人に1人が75歳以上の高齢者」となる日本では、超高齢化社会を迎える日もそう遠くないものになってきました。
現在でも、病院だけでなく介護施設や福祉施設を利用する高齢者は増えていますが、今後はさらに利用者が増加することが予想されます。
そうなると、確実に作業療法士を必要とする施設は増え、高齢化によるリハビリの需要はますます高くなっていきます。
また、超高齢化社会を迎えるにあたり認知症患者も増加の一途をたどっていますが、75歳以上の高齢者が増えることでさらに認知症に対する作業療法の必要性も高まっていくことが考えられます。
認知症に対する知識や経験はもちろんのこと、認知症予防に対する働きかけも作業療法士が担う重要な役割になってくることでしょう。
地域による包括的なケアが重要視されている今、今後は地域の高齢者に向けて認知症予防としてできることを啓発していくといった活動も求められていくのではないでしょうか。

活躍の場所はさらに広がりをみせる

前述した通り、超高齢化社会を迎える日本ではリハビリの必要性はますます高くなっています。
そのため、作業療法士の活躍の場はさらなる広がりをみせることとなり、認知症専門病院などや介護施設、福祉施設や行政・地域が担う地域包括センターなどにおいても、今まで以上に活躍が期待されていくと考えられます。
また、高齢者だけでなく精神疾患や発達障がいなどを抱える患者の増加によっても、作業療法士の活躍の場は広がりをみせていくことも予想されます。
少し前までは、精神疾患や障がいに対する考え方はその人の性格からくるものであったり、個性として受け入れられたりすることが多くありましたが、医学の進歩やメディアなどによる情報発信により、病気や障がいであると認められて治療を行うケースが増えてきました。
すぐに完治する病気とは異なり、精神疾患や発達障がいなどの治療には時間を要する場合が多いですが、身体のリハビリだけでなく日常に対する「生きづらさ」を感じている方の心の拠り所となるケアにも長けている作業療法士は、ますます今後必要とされていくでしょう。

AI技術の発展が考えられる

近年、ニュースなどでも見かけることが多くなったAI(人工知能)技術は、日々進歩を続ける科学技術によって人々の暮らしを豊かにするといわれています。
AI技術の発展によりあらゆる職場でその活躍が期待されていますが、医療分野においても10年後あるいは20年後には当たり前に導入されているかもしれないと考えられています。
作業療法士の仕事に関わるリハビリの分野では、蓄積されたリハビリのデータをもとに適切で効果的なリハビリプログラムを作成したり、リハビリの結果をもとに効果を検証したりすることがAI技術によって可能になるといわれています。
また、AIは365日24時間稼働することが可能なため、リハビリ以外の業務に費やす時間の削減といった「人件費の削減」にも大きく貢献するだろうともいわれています。
しかし、作業療法士の主な仕事であるリハビリ業務は専門知識や技術を用いて人の手によって行われるものであり、AI技術が直接患者のケアを行うことはもちろんできません。
そのため、科学の進歩によってリハビリ以外の業務が効率的に行えるようになったり働き方が変わったりしたとしても、作業療法士の存在は必要不可欠であり、今後もあらゆる領域において活躍は続いていくといえるでしょう。

将来に向けて作業療法士がやるべきこと

将来に向けて作業療法士がやるべきこと.jpg

高齢化といった問題や精神疾患などの認知によって作業療法士の需要はますます高くなっていくことが予想されますが、一方で資格取得を目指す人が今後さらに急増していくと、就職先が限定されたりキャリアアップが難しくなったりする可能性があります。
そのため、多くの作業療法士が活躍しているなかで自身の将来性を考えるにあたっては、今後目指していきたい方向性を固め、それを実現するための行動を起こすことが大切になってきます。
では、将来を見据えて作業療法士としてさらなる活躍を目指すには、どのような行動を起こせばよいのでしょうか。

スキルアップや転職を視野に入れる

自身の将来性を考えたときにこれから作業療法士がとるべき行動は、ほかの作業療法士と差別化を図りながら自身の価値を高めることです。
そのためにできることとして、スキルアップ転職といった方法が挙げられます。
作業療法士のスキルアップ方法はさまざまですが、セミナーや研修に参加して専門知識や技術を習得する、リハビリの仕事に活かせる資格を取得するといったことが大半です。
作業療法士が取得できる資格はいろいろですが、作業療法士として目指したい専門領域が決まっている場合、「心臓リハビリテーション指導士」や「呼吸療法認定士」「糖尿病指導士」といった特定の分野で活かせる資格の取得を目指してみるのもよいでしょう。
また、自己研鑽を続けている証拠としてキャリアアップに活かせる資格では、「認定作業療法士」やさらに難易度の高い上級資格となる「専門作業療法士」なども挙げられます。
次に、将来を考えたときにやるべき行動として挙げた転職についてですが、これは現在の職場が学べる環境ではないという方にぜひ念頭に入れて頂きたい行動のひとつです。
作業療法士が活躍できる場所は現状でもかなり豊富にあり、どのような科目で働くか、あるいはどのような施設で働くかによって実施するリハビリの内容は大きく異なります。
そのため、自信の今後を考えるにあたっては、将来なりたい姿に近づける環境で働くことも重要なことといえます。
これからの転職に求めるポイントにおいては、定期的に勉強会を開いているか?セミナーへの参加を積極的に勧めているか?など、「学びの機会が多くある職場かどうか」という点がより大切になっていくでしょう。

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