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作業療法士が公務員になるには?仕事内容やメリット・デメリットを解説!

作業療法士が公務員として働くにあたり、知っておきたい仕事内容や公務員として働くメリット・デメリットについてご紹介します。

更新日:2023年04月06日

公開日:2021年10月28日

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作業療法士が公務員として働くメリット・デメリットとは


作業療法士の資格を取得した方の一般的な就職先として挙げられる場所は、病院や介護施設、障がい者施設などですが、実は公務員として働く選択肢もあることをご存知ですか?
「作業療法士が公務員!?」と思われる方もいるかもしれませんが、地方公共団体が運営する公立病院(市民病院・市立病院・都立病院)や、県や市の行政機関に在籍している作業療法士は地方公務員として働いています。
公務員と聞くと、「安定して長く働けそう」「給料が高そう」といったことをついつい思い浮かべてしまいますが、実際に作業療法士が公務員として働くにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
また、メリットだけでなくデメリットはあるのかも気になるところ。
そこで当コラムでは、作業療法士が公務員として働く際に確認しておきたいメリット・デメリットについてご紹介していきます。
公務員として働く作業療法士の仕事内容や、気になる給与事情についてもご紹介していきますので、「公務員として働きたい」と考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。

公務員として働く作業療法士の仕事内容

公務員として働く作業療法士の仕事内容のタイトルと案内する作業療法士イラスト.jpg

作業療法士が公務員として働く場合、一般的な作業療法士の働き方とどのような違いがあるのか気になりますが、公立病院で働く場合は一般病院などで働く際の仕事内容とほぼ大差はありません。
もちろん、病院によって理念や基本方針、働き方のルールなどは変わってくる部分もありますが、作業療法による治療や訓練、指導といった主な仕事内容は同じです。
しかし、県や市の行政機関で働く場合は少し仕事内容が変わってきます。
作業療法士が公務員として働ける行政機関は、主に保健所や保健センターが一般的で、病院と異なり保健所や保健センターは地域の公衆衛生や福祉の拠点となっています。
これらの機関における作業療法士の主な仕事は、地域住民の心や健康に関する相談、障がい福祉サービスの相談や手続き、調整といった福祉に関連する内容が中心となります。
そのほかにも、健康教室やリハビリ教室といった運動普及促進事業に関する取り組みでも作業療法士の活躍がみられます。


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作業療法士が公務員として働くメリット・デメリット

天秤にかけられる作業療法士が公務員として働くメリットとデメリット.jpg

では、実際に作業療法士が公務員として働くことのメリット・デメリットはどのようなことがあるのでしょうか。
作業療法士に限らず公務員は人気の職種のひとつであるため、「将来性」や「安定性」、「福利厚生」などは特に気になる点だと思います。
では、メリットとデメリットをそれぞれ確認してみましょう。

作業療法士が公務員として働くメリット

◆定年まで働き続けられる(基本的に解雇はなし)
公務員は、一度採用されたら基本的に解雇されることなく定年まで長く働くことができるため、リストラの心配をすることなく「長期安定雇用が確約されている」という点は大きなメリットといえます。
最近は、長期的な経営悪化による病院の倒産なども全国的に増えており、医療従事職も常に安定した雇用が補償されているとは言えない状況になってきています。
このような時代において、人員削減のターゲットや解雇の不安にさらされることなく、長く腰を据えて働くことのできる環境があるということは、公務員になる最大のメリットといってもいいかもしれません。

◆安定した収入がある
診療報酬の改定などさまざまな要因により病院収益が赤字となり、昇給が見込めないといった作業療法士も少なくありません。
しかし、公立病院や行政機関に勤めていれば毎年働いた年数に応じて昇給があり、おのずと給与は必ず上がっていきます。
また、ボーナスカットや減額といったこともほとんどなく、地方公務員の場合約4ヶ月分/年の支給があり安定した収入を得ることができます。
安定した収入があるということは、家庭を築き持ち家を買うなどの将来設計がしやすくなるということでもあるため、収入の増減に左右されないこともまたメリットのひとつといえるでしょう。

◆休日が多く働きやすい環境
医療福祉業界では長期休暇の取得が難しいことも少なくなく、それは作業療法士にとっても同じでしょう。
しかし、公務員として働けば土日祝休みをはじめ有給休暇も取得もしやすく、GWや夏季休暇、年末年始といった長期休暇の取得も可能になります。
また、有給休暇は1日単位の取得だけでなく半日や時間単位での取得も可能なため、ワークライフバランスを重視した柔軟な働き方をすることができる点も大きなメリットです。
とはいえ、人員が不足しているときや外来が混み合う時期などは有給休暇が取りづらいという側面もありますが、確実に休日の多さと取得のしやすさでは一般病院勤務などと比べて公務員のほうが優っているといえるでしょう。

作業療法士が公務員として働くデメリット

◆転勤がある
総合病院や大学病院など複数の診療科がある病院では、一定の周期で職員の配置転換が行われることも少なくありません。
しかし、これはあくまでも同じ病院内での異動であるため、居住地や通勤手段の変更といったいわゆる“転勤あるある”には該当しません。
ですが、公務員として都道府県や市町村などの自治体が運営する医療機関などで働く場合、管轄地域内での異動、すなわち転勤があります。
公務員の転勤は法律で定められているため、転勤を拒否するという行為は基本的にできません。
公務員として働く以上異動辞令が出ればそれに従わなければならないため、家庭を築いている方や地元でずっと暮らしたいと考えている方にとっては、しばしば負担となって悩みの種になる可能性は大いにあるでしょう。

◆頑張りが大きく評価されない
公務員は年功序列で経験年数に応じて昇給によって給与は加算されていくため、「〇年後の給与は…」と予想した際の相場はだいたい予想がつきます。
しかし、本人の能力やスキル、取得資格などをはじめ、本人の頑張りは給与にあまり大きく反映されないのが現状です。
もちろん役職に就けば昇格昇給によって給与アップは見込めますが、限られたポストに対して必ず役職に就けるかというとハードルは高めです。
また、基本的に解雇がなく定年まで働けるという公務員の高待遇により離職する人もそこまで多くないため、年功序列制度を考えると頑張った実績に応じた大きな評価や見返りは期待できないでしょう。

◆副業が一切できない
公務員として働く場合、営利目的とする副業は原則禁止となります。
地方公務員法の第38条には、「職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。」とあり、社会福祉サービスに該当する公益的活動のみが許可されています。
最近では、働き方改革により作業療法士も副業や兼業をする人は増加傾向にありますが、公務員になるとお小遣い稼ぎや収入アップのための副業はできなくなります。
もしも、監督者に許可を得ず禁止されている副業や兼業を行った場合、免職や減給といったなにかしらの罰則を受けるため、収入を増やしたいと考える人にとっては大きなデメリットといえるでしょう。

作業療法士が公務員になると給与・年収はどれくらい?

作業療法士が公務員になると給与・年収はどれくらい?.jpg

公務員は昇給が必ずあり、働く年数に応じておのずと給与は上がっていくため、安定した収入があることに魅力を感じる方も多いことでしょう。
そこで、実際に作業療法士が公務員として働いたときにもらえる給与や年収について調査してみました。
平成31年における地方公務員給与実態調査結果等の概要より、一般行政職の平均給与は以下のようになっています。

■団体区分別平均給与月額(一般行政職)令和2年のデータ(※1)
平均年齢
平均給料月額諸手当月額平均給与月額平均給与月額
(国比較ベース)
全地方公共団体42.1歳 316,993円  83,867円 400,860円 360,949円
都道府県42.8歳 324,055円89,667円 413,722円 366,268円
指定都市41.8歳 319,806円 110,227円 430,033円 379,749円
41.9歳 316,209円76,776円392,985円 357,276円
町村41.3歳 302,270円 48,606円  350,876円330,286円
特別区40.6歳 300,184円122,883円423,067円 377,355円
※諸手当月額とは、毎月支払われる扶養手当、地域手当、住居手当、特殊勤務手当、時間外勤務手当等の諸手当の額を合計したもの

上記データより算出した令和2年における地方公務員の平均給与額は約31万円(平均年齢41.7歳)です。
公務員のボーナスは約4カ月分/年が平均的といわれているため、上記平均給与額で計算すると約124万円がボーナスとして支払われていることになり、年収は約496万円程度となります。
ただし、こちらで比較したものは一般行政職として働く地方公務員の給与・年収であるため、医療職として働く作業療法士の実際の平均給与・年収は多少の差が生じています。
同じく、令和2年における地方公務員給与実態調査によると、医療職の平均給与額は307,023円で、年4.0ヶ月分のボーナスを加算した平均年収は約491万円という結果となっています。
この結果をふまえると、多少の差はあれど一般行政職とほぼ変わりない給与・年収ということがわかりますね。
対象年は変わりますが、国税庁の民間給与実態調査による令和元年における日本人の平均年収は約436万ですから、それと比較すると地方公務員として働く作業療法士は平均よりも高い収入を得ていることが分かります。

(※1)出典:令和2年地方公務員給与実態調査結果等の概要/総務省


■公立病院など病院の設置主体別における作業療法士の初任給・年収についても知りたい方はこちらのコラムをチェック!

公務員試験について

ノートに書かれた公務員試験についてのタイトル.jpg

最後に、作業療法士が公務員になるにはどのような採用試験が待ち受けているのかについてもご紹介します。
作業療法士が地方公務員になるには、各自治体の公務員試験を受ける必要があります。
また、公務員試験を受けるにはそれぞれの募集における要件(受験資格)を満たしていることが絶対条件となります。
作業療法士の公務員採用においては、まずは作業療法士免許を有していることが大前提となり、そのほかに年齢や実務経験、心身における健康状態など募集内容に応じた要件を求められることが一般的です。
地方自治体によって採用に関する年齢制限はばらつきがありますが、新卒採用枠のほかに経験年数を要する場合はUJIターン枠や実務経験者枠などを別途設けて募集を行っています。
なお、試験内容についてですが、基本的には一次考査と二次考査を経て採用の合否が決まります。
一次考査では筆記試験と書類審査が行われ、二次試験では個別面接による口述試験と適性検査が行われます。
筆記試験は、識見、思考力、表現力、作業療法士としての素養等についての問題が出題される専門試験となることが一般的で、合格基準に達することで二次考査に進むことができます。
二次考査で実施される面接は年々配点が高くなってきている傾向があるため、募集に対する受け答えなどしっかりとした面接対策が必要となります。
なお、地域によっては複数名応募があった場合プレゼンなどの課題を出すところもあるため、今後公務員試験を受けようと考えている方は応募したい地域の募集要項を事前に確認しておくことが大切です。

<各自治体における作業療法士採用情報例>

■受験資格:作業療法士もしくは理学療法士の免許を有する人または令和3年3月31日までに卒業する見込みで免許取得見込みの人

■試験方法:小論文試験、人物試験、健康審査、資格調査

■提出書類:履歴書、当該資格免許証の写し(有資格者の場合)、成績証明書(資格取得見込みの場合)、卒業証明書又は見込み書(資格取得見込みの場合)


まとめ

作業療法士が公務員として働くにあたり、知っておきたい仕事内容や公務員として働くメリット・デメリットについてご紹介してきました。
公務員は安定した仕事、社会的に信頼のある職業として人気があり、日本人の平均以上の給与がもらえたり福利厚生が充実していたりとメリットとなる点は多くあります。
しかしその一方で、副業の禁止や転勤が必ずあるといったデメリットも少なからずあり、公務員として働きたいと考えるのならば「将来作業療法士としてどのような働き方がしたいか」ということをよく考える必要があります。
作業療法士は病院や介護施設のみならず、障がい者施設や就労支援施設、教育施設などあらゆる分野で活躍することができる需要の高い専門職ですから、いろいろな分野の仕事に触れて経験やスキルを磨きたいと考える方も多いはずです。
また、ダブルワークが当たり前になってきている世の中で、ばりばりと副業や兼業をして収入を増やしたいと考える方もいることでしょう。
そういった方が安易に公務員=安泰といった方程式で就職を決めてしまうと後から後悔がついてまわることもあるため、目先のメリットに捉われることなくじっくりと自身の進路について考えることが大切です。
そのうえで、公務員として働くことに魅力を感じる方は公立病院や行政機関での限られた募集枠を逃さないよう定期的に求人募集をチェックし、早めに公務員試験の準備を行うなどして対策をきちんと行うことをおすすめします。
なお、作業療法士の求人には「公務員に準じた給与体系や福利厚生が自慢の作業療法士求人」など魅力的なお仕事も多数あります。
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