作業療法士の仕事に英語は必要?これから作業療法士を目指す方へ

作業療法士に英語力は必要?養成学校で学ぶ英語とは?英語力を活かした働き方やキャリア例、リハビリ現場で覚えておきたい英単語や英会話例をご紹介します。

2021.02.25

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超高齢社会でますます需要が高まる作業療法士。 
将来は病気や障害のリハビリを通して生活改善や生きがい支援を行っていきたいと考え、作業療法士を目指す方も多くいることでしょう。 
しかし、なかには養成学校で学ぶことのひとつである「必修科目の英語が不安」と考える方も少なくないのではないでしょうか。 
また、そのような不安を感じる方の多くは、仕事で英語を必要とするシーンはあるのかも気になるはず。 
そこで、当コラムでは作業療法士の仕事に英語は必要なのかどうか、また必要な場合どのような場面で英語力が求められるのかについて詳しく解説していきます。 
英語ができることで広がる作業療法士の活躍の場についてもご紹介していますので、ぜひ将来の参考にしてみてくださいね。 

作業療法士にとって英語は必要?

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作業療法士の仕事は、「日常生活に必要な全ての諸活動(着替えやトイレなどのセルフケアをはじめ、仕事や趣味、家事、地域活動など)=作業」を通し、病気や怪我などで障害を持った方の心と体のリハビリテーションを行うことです。 
対象となる患者は小児から高齢者までさまざまですが、ほとんどの患者は日本人で、外国人患者と接する機会はごくわずかです。 
そのため、「作業療法士はリハビリに必要な知識や技術が備わっていれば英語ができなくても大丈夫なのでは?」と考える方も多いかもしれません。 
しかし、実際のリハビリの現場では英語に触れる機会は多少なりとも必ずあり、基礎程度の英語力は必要です。 
作業療法士は、医師の指示のもと諸機能の回復・維持を目的に作業活動を通して治療や訓練、指導を行いますが、その際に確認する医師のカルテは英語を使用されていることが多く、ある程度の英語能力がなければ内容を理解することはできません。 
もちろん、英単語は辞書をひけば確認をすることができますが、英文法などの基礎を理解していなければ読めない文章が出てくるケースもあります。 
とはいえ、最近は看護師や作業療法士などほかの職種と情報共有を行うために分かりやすく日本語で記載をする医師も増えているようですが、職場によっては英語力が求められる場合もあるため、いざというときの対応力を身につけておくほうが安心できるでしょう。 
なお、作業療法士の国家資格を取得するうえで英語力は必要ありません。 
作業療法士の養成学校では単位を取得するために必修科目として医学英語がありますが、国家試験で英語の問題がでることはありませんので、英語が苦手でも試験に支障がでることは少ないでしょう。 


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作業療法士の養成学校で学ぶ英語とは?

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作業療法士になるには、作業療法士養成課程のある専門学校や短期大学、大学に入学し、国家資格取得に必要な基礎知識や臨床現場における評価や治療方法を学ぶ必要があります。 
その学びの過程として、基礎分野や専門分野に分かれたさまざまな学科のなかに必修科目として医学英語があります。 
大半の養成学校は、1年次に学ぶ基礎分野の必修科目として医学英語(リハビリテーション英語など)をカリキュラムに組み込んでおり、主に作業療法士に必要な解剖学・運動学、リハビリテーションに関連する英単語や略語、英文解釈といった内容を学びます。 
具体的には、中学校や高校で学ぶ基礎的な英語学習のほか、骨や筋肉の英語表記や発音を覚えるといった作業療法士ならではの医学英語の習得が挙げられます。 
単位取得のためには出される課題や提出物、定期テストなどを乗り切る必要がありますが、テキスト自体はさほど難しい内容ではないため、英語が苦手な方でも真面目に授業に取り組んでいれば進級や卒業に影響することはほとんどありません。 
養成学校で習う骨や筋肉などの英単語は実際の臨床現場でも使用することが多いため、学生のうちから覚えておくと就職後に役立ちます。 


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英語力を活かした作業療法士の働き方・キャリアアップ例

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グローバル化が進んでいることで英語力を活かして活躍できるフィールドはさまざまですが、英語が得意な作業療法士の場合、どのような働き方が可能となるのでしょうか。 
作業療法士を志している方のなかには、海外に住んでいた経験からネイティブな英会話ができるという方や、進学過程で英語の勉強に力を入れていた方などもいるかもしれません。 
せっかくなら、得意分野を活かして作業療法士としてスキルアップできる環境で働くことを視野に入れてみませんか? 
以下では、英語力を活かした作業療法士の働き方をご紹介しています。 
英語が話せることで広がる作業療法士のキャリアアップ例をみてみましょう。
 

英語の論文や学会発表など広い世界に向けた発信ができる

日々進歩する医学への理解を深めるために、作業療法士は資格取得後も学びの場が多くありますが、英語が得意な人であれば英語の論文や研究成果を国際学会で発表するといったことも可能となります。 
高度な医療制度により充実したリハビリテーションの提供が日本では行われていますが、リハビリをはじめ医療の先進国といわれているのはドイツやアメリカなどいずれも海外の国です。 
それらの国々と肩を並べて情報共有や意見交換ができるということは、日本だけでなく世界の作業療法の動向をいち早く知れるということでもあり、最新の知識や技術を取り入れ自身のスキルを磨くことにも繋がります。 
日本でも臨床経験や研究をもとに論文や独自の成果を発表する機会はありますが、アジア諸国をはじめヨーロッパ諸国などでも国際学会は定期的に行われています。 
英語力があればこのような世界各国で行われる国際学会に足を運ぶということも可能になるため、国内で活動するよりもより高いレベルで活躍することができるでしょう。 
 

海外で作業療法士として活躍できる

作業療法士としての専門性や知識、技術だけでなく、英語をはじめとした語学が堪能な方であれば海外で活躍することも可能です。 
医療分野においてもグローバル化は進んでおり、日本国内のみならず海外に出て色々な経験を積んで活躍したいと考える方は増えており、リハビリの先進国であるアメリカやデンマークなどは特に人気です。 
このようなリハビリ先進国では、日本のリハビリテーション医療よりもさらに進んだ技術や知識を習得できるため、世界の医療を知って高いキャリアを積むことができます。 
海外で作業療法士として働くには、主に働きたい国の作業療法士資格を取得する、もしくは独立行政法人国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊およびシニア海外ボランティアとして活動するといった方法があります。 
海外で作業療法士として働ける国は、作業療法士の世界的組織である「世界作業療法連盟(World Federation of Occupational Therapists:WFOT)」の加盟国のみとなりますが、資格取得の流れや条件などは国によって異なるため、事前に働きたい国の事情は確認しておく必要があります。 

MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)として活躍することも

作業療法士としてある程度長い臨床経験と英語力があれば、そのバックグラウンドを活かし製薬会社のMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)として働くことも可能です。 
近年、メディカル業界では MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)という職種の関心が高まっていますが、 MSLとは製薬企業の販売促進に影響力を持つ医師などの専門家に対して、医学・科学的なエビデンスや高度な専門知識をもとに、医薬品の情報提供を支援する職種のことをいいます。 
MSLして働くには、作業療法士としての勤務経験や文献を理解できるほどの英語力だけでなく、ビジネスレベルのコミュニケーションスキルや新薬研究に関連した疾患に対するリハビリテーション経験など、さまざまな要件が求められます。 
MSLとして就職するにあたり、高度な医学知識と英語力のほかにもクリアしなければいけない条件は多くありますが、ここ数年でMSLの求人数は増加傾向となっているため、新たな医療分野で活躍してみたいという方はぜひ注目してみてはいかがでしょうか。  
 

作業療法士が覚えておきたい英語とは?

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作業療法士の仕事には少なからず英語に触れる機会があります。 
特に、作業療法士として知見を広げるためには海外の文献を読むことも大切なため、基礎程度の英語力はもちろんのこと、専門的な医学英語にも備えておきたいところです。 
最近では、専門的な医学英語を収録した電子辞書なども増えており、辞書をひかずとも簡単に確認できる方法もあるため、うまく便利なツールを活用するのも手でしょう。 
しかし、外国人患者の対応においてはある程度の一般的な日常会話レベルの英語力は求められるため、電子辞書だけでは補えないケースも多くあります。 
近年は、海外からの留学生のほかにも技能実習や就労目的で日本に在留する人が増えており、観光目的の訪日客を含めるとかなりの数の外国人が日本を訪れています。 
そのため、日本に滞在中の外国人患者が突然来院する可能性もあることから、リハビリ現場においても一般的な日常会話レベルの英語力が求められることがあるかもしれません。 
作業療法士が担当する患者のほとんどは日本人であっても、最低限のコミュニケーション程度の英語はできるようにしておいたほうが安心でしょう。 
英語が苦手という方であれば、単語をつないで会話をする、身振り手振りや表情を動かしコミュニケーションをとるといった方法で対処するほか、以下のような英語を覚えておくと便利です。 

リハビリ現場で使える!英会話・英単語例

■リハビリを開始するとき 
「~To undergo rehabilitation. (~(患部)に対してリハビリを行います。)」 
「Do you have any question?(質問はありますか?)」 
「 Please let me know if you have any pain.(痛みがあれば教えてください。)」 
 
■疾患の原因や症状について知りたいとき 
「How did it happen?(どのようにしてそうなったのですか?)」 
「Does it hurt here?(ここは痛みますか?)」 
「 Is there any part that hurts badly?(ひどく痛い部分はありますか?)」 
「 Do you have fingers that are difficult to move?(動かしにくい指はありますか?)」 
「 Are your hands numb?(手はしびれていますか?)」 
 
<4段階に分かれる痛みを表す英単語> 
・「Mild pain (軽い痛み)」  
・「Chronic pain (慢性痛)」  
・「Extreme pain (苦痛)」  
・「 Severe pain (激痛)」 
 
■リハビリを行うとき 
「 Stretch your hands.(手のストレッチをします。)」 
「 Practice grabbing ~.(~(物)をつかむ練習をします。)」 
「 Practice gripping~.(~(物)を握る練習をします。)」 
「 Practice daily activities to do.(日常動作の練習をします。)」 
 

まとめ

作業療法士として働いている方の多くは、医師や看護師と医学英語を話す程度で、流暢な英会話ができるレベルを求められることはほぼないでしょう。 
しかし、働くうえで最新の知識や技術を習得するには海外の論文やエビデンスを読むといった機会は多くあるため、基礎程度の英語力は身につけておく必要があります。 
また、医療のグローバル化や外国人患者の増加といった近年の状況をみると、日常会話レベルの英語力が求められるケースは今後増えていくかもしれません。 
急な外国人患者の対応に焦らないためにも、多少なりとも英語に触れる機会を日々持つようにしたほうが安心できるのではないでしょうか。 
もともと英語が得意という方であれば、活躍の場を海外に移したり新たなキャリアを築くためのステップとしてとさまざまなことに挑戦したりすることも可能なため、得意分野を活かした働き方を選択肢に入れてみるのもよいかもしれませんね。 
 

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