回復期リハビリテーション病棟とは?概要や探し方についてもご紹介
回復期リハビリテーション病棟とは?概要や探し方についてもご紹介
更新日:2023年02月16日
公開日:2023年02月16日

手術や病気の治療が一段落し、急性期の状態を抜けた患者さんは回復期リハビリテーション病棟への入院を考えます。しかし、回復期リハビリテーション病棟の概要を知らない方も多くいます。
そこで、今回は回復期リハビリテーション病棟の概要についてまとめました。また、入院したい方に向けて、回復期リハビリテーション病棟の探し方についても解説しましたので参考にしてみてください。
目次
回復期リハビリテーション病棟とは?
回復期リハビリテーション病棟とは、自宅や日常生活で不自由なく暮らしていけるようにリハビリする、専門施設のことを指します。回復期病院と言うこともあります。
ここでは、どのような患者さんが入院できるのか。どれくらい費用がかかるのかなど、回復期リハビリテーション病棟について多く出る疑問点について解説していきます。
回復期リハビリテーション病棟の概要
回復期リハビリテーション病棟では、主に9つの職種が連携して動いています。
・医師
・看護師
・作業療法士
・理学療法士
・言語聴覚士
・栄養士
・看護師補助
・医療ソーシャルワーカー
・薬剤師
このことによって、患者さんの治療やリハビリ、メンタルケアまで統括的な治療をおこないます。一人一人に合わせて、治療計画を立てるのも特徴的です。
病院の規模によって、人員は変化します。また、この後紹介する疾患によって、受け入れる疾患は変わってきます。ご自身の疾患がどの段階に当てはまるかを確認して、病棟を選んでいきましょう。
対象疾患
対象疾患は、脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎などさまざまな疾患が当てはまります。
後ほど紹介する、入院期間も疾患によって変化します。そのため、後ほど紹介しますが疾患と入院期間を同時に確認できるようにまとめました。自分がどの段階に当てはまるか見ておくといいでしょう。
必要な費用
全ての医療行為は1点=10円として計算されます。回復期リハビリテーション病棟の入院料は1~5段階まであり、症状や重症度によって分けられています。
入院料1 2129点
入院料2 2066点
入院料3 1899点
入院料4 1841点
入院料5 1678点
入院期間
入院期間は、先ほど挙げた疾患に応じて、入院期間が決まってきます。以下の表を参考にしてみてください。脳血管疾患脊髄損傷 頭部外傷 くも膜下出血のシャント手術後 脳腫瘍 脳炎 急性脳症 脊髄炎多発性神経炎 多発性硬化症 腕神経叢損傷の発症後もしくは手術後の状態 | 150日 |
高次脳機能障害を伴った重傷血管障害重度の脊椎損傷頭部外傷を含む多部位外傷の発症または手術後の状態 | 180日 |
大腿骨骨盤 脊椎 股関節もしくは膝関節の骨折または2肢以上の多発骨折 | 90日 |
外科手術または肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており手術後または発症後の状態 | 90日 |
大腿骨骨盤 脊椎 股関節または膝関節の神経、筋または靭帯損傷後の状態 | 60日 |
股関節または膝関節の置換手術の状態 | 90日 |
急性心筋梗塞、狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患又は手術後の状態 | 90日 |
施設基準
施設基準とは、厚生労働省から出されている回復期リハビリテーション病棟の診療報酬や人員配置の基準を定めたものです。令和4年度に、診療報酬が改訂されました。
以下に新しい令和4年度の施設基準についてまとめましたので、ご覧になってください。
回復期リハビリテーション病連と療養病棟との違い
回復期リハビリテーション病棟と療養病棟の違いが分からない方は多くいます。
回復期リハビリテーション病棟とは、急性期を脱した患者さんに対して、日常生活が快適に過ごせるように集中的にリハビリテーションをおこなう施設です。入院期間や対象疾患も決められています。
それに対して、療養病棟とは回復期リハビリテーション病棟後でも入院延長する必要がある、または慢性的な疾患で長期的に療養する必要がある患者さんが入院する施設のことです。
回復期リハビリテーション病棟で、療養が継続して必要と認識された患者さんが継続して入院するのが、療養病棟になってきます。
回復期リハビリテーション病棟の探し方
実際に探している方は、回復期リハビリテーション病棟をどうやって調べるか知りたいかと思います。ここでは、便利な回復期リハビリテーション病棟の探し方について紹介していきます。回復期リハビリテーション病棟は全国にある
回復期リハビリテーション病棟はどの都道府県にもあります。そのため、近くにあるか心配している方は大丈夫です。病院によって、さまざまな違いがあるために大切にしたいポイントを比較してみるのがいいでしょう。
例えば、多くの患者さんが大切にするポイントとして、リハビリ、施設基準、土日の有無、スタッフの配置などがあります。
回復期リハビリテーション病棟は、疾患の種類によって入院期間や費用が変わってきます。
そのため、患者さんの疾患から考え、希望しているリハビリが受けられるかどうかを調べておくとよいですね。
探すならば、回復期リハビリテーション病棟協会のHPを見るのがおすすめ
回復期リハビリテーション病棟を探すなら、いくつかの候補を比較して探したいですよね。そんな方は、回復期リハビリテーション病棟協会のHPで探してみてください。
回復期リハビリテーション病棟協会に加入している病院が、都道府県ごとに探せます。それぞれの病院のURLも記載されていますので、病院の雰囲気も知ることができとても便利です。
http://www.rehabili.jp/organization/ward_list.html
回復期リハビリテーション病棟の仕事はどんな内容?
回復期リハビリテーション病棟とは、包括的に集中的にリハビリをおこなう施設です。そのため、関わるスタッフも多く、病院の仕事内容も多岐にわたります。
そこで、看護師、理学療法士、言語聴覚士、作業療法士の仕事内容についてピックアップしました。回復期リハビリテーション病棟での就職をしたい方は、参考にしてみてください。
看護師の仕事内容
看護師は、他の病院の仕事内容と比べてリハビリに関わる時間が多くなります。
主な仕事内容は以下のとおりです。
・リハビリ看護
・スケジュールや身体状況の確認
そのほかにも家族、患者さんと医療との橋渡し役として、サポートしていくこともあります。こまめな連絡をすることなどの、コミュニケーション能力が必要です。
理学療法士の仕事内容
理学療法士は、個々の患者さんに応じて運動訓練のリハビリメニューを実施します。
主な仕事内容は以下のとおりです。
・基本運動
・運動療法
・車いす訓練
日常生活で無理なく過ごしていけるように、体の使い方を教えていきます。運動療法の知識が必要になってきます。
作業療法士の仕事内容
作業療法士も、個々の患者さんに応じた日常動作のリハビリメニューを実施します。
主な仕事内容は以下のとおりです。
・日常で使う動作の訓練
・入浴の訓練
・簡単な作業
主に、日常生活で不自由なく暮らしていけるように訓練をおこなっていきます。看護師と同様に、患者さんのメンタル的なサポートも必要です。
言語聴覚士の仕事内容
言語療法士は、個々の患者さんに応じた言語訓練のリハビリメニューを実施します。
主な仕事内容は以下のとおりです。
・聞く訓練
・話す訓練
・食事で飲み込む訓練
話すことだけでなく、聞くことや食べることなどさまざまな内容を訓練していきます。言葉、コミュニケーションに関して不自由なく暮らしていけるようにしていきます。
まとめ
回復期リハビリテーション病棟についてご紹介しました。病院によって、施設基準や人員配置は変わってきます。
最近ではHPに力を入れる病院も増えてきました。具体的なリハビリの場面や内容を載せている回復期リハビリテーション病棟もあります。ぜひ、無理がなく通える場所でご自身にあった病院を見つけてみてください。
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