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認知症のリハビリについて

認知症の基礎知識から、作業療法士が行うべきアプローチについて解説します!

更新日:2019年04月17日

公開日:2018年08月17日

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笑顔の男女の理学療法士

認知症と物忘れが違うことは、リハビリの仕事に関わる方々はご存じだと思います。ですが、作業療法士の方が認知症のリハビリに携わっていることを知らない方が多いそうです。この項では、認知症の基本から作業療法士が行うリハビリまでを解説します。

認知症とは

認知症の定義は、厚生労働省にり「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」とされています。当然、加齢が原因である「物忘れ」とは全く意味が違います。物忘れでは自分が忘れている状態であることを理解していますが、認知症では自分が忘れている状態自体を失っています。 認知症かどうかを診断するのに、現在はアメリカ精神医学会が提唱しているDSN-犬鮖箸辰討い泙后

・記憶障害以外に、失語症、失行症、失認症、遂行機能障害のうち1種類以上症状が見られること。
・上記の障害は、発症する前の生活水準から著しく低下している。
・上記の障害は、せん妄(興奮し混乱している)状態以外でも発症している。
・痴呆状態が、一般的な身体疾患が原因だという証拠がある。

ただし、上記に当てはまる場合、認知症はかなり進行しており治療に向かないとも言われています。そのため、認知症の原因となりうる疾患を早期に見つけることで早期治療を目指しています。認知症の原因と考えられている疾患は、

・アルツハイマー病
・ピック病
・パーキンソン病
・脳血管疾患
・スピロヘータ
・HIVウイルス
・プリオン

などです。上記のアルツハイマー病などは、認知症になる前の状態を表す言葉として軽度認知障害(MCI)や認知症予備軍と現在では呼ばれています。

認知症患者数

認知症の患者数は、2015年で約500万人いると言われています。厚生労働省からは2025年には認知症患者だけで700万人を越え、高齢者の5人に1人が認知症になっている試算が出されています。またMCIも600万人はいるとされ、合計すると1,300万人になります。この数字は高齢者の3人に1人が何らかの認知障害を持っていることになります。 この数字になると治療薬が望まれますが、2016年現在、認知症に効く薬はありません。あるのはアルツハイマー病の治療薬だけであり、脳血管障害の治療薬は多くありますが脳血管性認知症に効果のある薬はありません。 そこで重要になってくるのが、非薬物治療です。ここで主役になるのが、作業療法士です。

認知症のリハビリ

認知症のリハビリテーションは通常の作業療法士が行うリハビリとは異なる点があります。リハビリテーションの本来の意味の「本来あるべき状態への回復」を行っていると見られがちですが、認知症リハビリテーションでは「進行を遅らせる予防的処置」を行っています。 認知症では脳の働きが原因だと考えられており、脳を刺激することが進行を遅らせるリハビリとなります。ここで作業療法士がメインとなるのは、作業療法士の役割が作業活動から心身の回復を図り、日常生活の自立を目指しているからです。 今まで家事をしていた高齢者から、「危ないから」の理由で家事を取り上げると認知症になってしまった人も、作業療法の一貫で家事をしてもらったら症状が改善した、という事例は聞いたこともあるはずです。もちろん作業療法士だけではなく、保健師や理学療法士の方とも連携して取り組んでいくのは変わりません。

これから益々増えると予想される認知症患者。その患者さんは多種多様で治療法も多種多様になりますが、その患者さんらしさを引き出せる作業療法士になりたいですね。
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