
精神科の作業療法士には様々な活躍場所があります。精神科の作業療法士は具体的にどんなことをしているのかというのは実際に見学に行ったり、入職してみないとイメージがつきにくいかもしれません。精神科の作業療法士がどんなことをしているのか、一例を紹介してみたいと思います。
精神科作業療法って?

精神科作業療法は手芸や工芸を行ったり日常生活に戻るための助言を行います。
精神科では個別で行う作業療法と集団で行う作業療法があります。
集中力を鍛えるためにビーズ細工などの作業を行ったり、心身のストレスを発散するために花を育てたり土いじりなどの園芸療法を行うこともあります。
精神科の作業療法では患者さんの不得意に目を向けるのでなく、得意なところに目を向けることが大切です。
精神科作業療法を一言でいうと心に病を持つ方がその人らしさを発揮するために行うリハビリテーションです。
うつ病などの精神疾患は5大疾病と言われています。
患者数は323万人と5大疾病の中でもダントツの患者数で、誰もが罹患する可能性のある精神疾患です。
発病のきっかけは人それぞれだと思いますが心に病を持つ方がその人らしさを発揮するために行うリハビリテーションと言われても抽象的でわかりにくいかもしれませんが、病気になる前と後では様々な変化があります。
作業療法士は患者さんが希望を見出すことができるように関わることができるのが理想です。
児童思春期領域の作業療法士

精神科には児童思春期を専門に扱っていて入院病床を持っている病院があります。
児童思春期領域では症状や発達段階に合わせたリハビリを行います。幼児や児童には遊びを通したリハビリが多くなるかもしれません。発達に遅れのある子どもに対しては発達を促す関わりが必要です。子どもを取り巻く環境は年々変化しています。ITの発達でストレスを抱えている子どもも増えています。そんな子どもたちが自分らしく生きていくことができるようにお手伝いすることができるのが作業療法士なのです。
復職支援や引きこもりの支援を行うことも

休職中の方が社会復帰する際に作業療法士が復職支援を行うこともあります。この場合はデイケアなどに所属している場合が多いようです。再発を防ぐために発症前の状況をリストアップし調子を崩す前のサインを自覚できるように促したり復職に求められる職務の分析を行ったり作業能力の評価を行います。働き続けるためには心も体も健康であることが重要です。普段からストレスを溜めないようにストレスの対処法についても確認しておくことができるととても良いです。
また精神科の作業療法士は引きこもりに対する支援を行うこともあります。
内閣府の調査では広義の引きこもりも含めた引きこもりは平成27年(2015年)の時点で54.1万人と言われています。
平成30年版こども若者白書(https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30honpen/pdf/b1_03_02_01.pdf)
外来作業療法の一環で患者さんの自宅に訪問をし、引きこもりからの脱出のお手伝いをするのです。
最初は会話も少ないかもしれませんが一緒にリハビリをしていく中で作業療法士と一緒に外出することができるようになり訪問作業療法から外来作業療法に通所できるようになった事例もあるそうです。1対1で直接的に親密に関わることができ、その関わりがきっかけで患者さんの暮らしそのものが変化するので、やりがいは大きいでしょう。
まとめ
精神科作業療法についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
精神科作業療法には個別療法と集団療法があり、心に病を持つ方のその人らしさを発揮するために介入することが作業療法士の役割だということをお伝えしました。
引きこもり支援や復職支援など入院以外の場で作業療法士が求められる場面が増えています。
これを機に転職してみてはいかがでしょうか?
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