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地域リハビリテーションやチーム医療などにおける理学療法士の役割とは

理学療法士が活動できる領域はさまざまですが、そのなかで理学療法士が求められる役割にはどのようなことが挙げられるのでしょうか。

更新日:2021年07月15日

公開日:2021年07月15日

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理学療法士の役割

理学療法士といえばリハビリの仕事という印象が大きいですが、活躍する分野によって担う役割はさまざまです。 
最近では、高齢化に伴い地域包括ケアシステムの構築や介護予防などの重要性が増すなか、病気やケガ、障がいなどに対するリハビリを行う理学療法士の役割はより大きなものとなっています。 
また、介護や福祉だけでなく医療分野においても理学療法士の役割は大きなものとなっており、さまざまな領域において高い専門性による知識と技術が求められています。 
では、具体的に地域医療やチーム医療、また高齢化に伴う介護分野において理学療法士がどのような役割を担っているのでしょうか。 
詳しくみていきましょう。 
 

リハビリにおける理学療法士の役割とは?

理学療法士は病気やケガによって起こる障がいをはじめ、障がいの悪化や予防のためのリハビリを行う専門職です。 
リハビリにはいろいろな種類がありますが、理学療法士が担当するのは主に「動作のリハビリ」です。 
理学療法士は、リハビリが必要な人に対して、寝返る、起き上がる、立ち上がる、歩くといった日常生活に欠かせない基本動作や運動機能の回復や維持、また障がいの悪化や予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱や電気などの物理的手段を用いる治療法)などの「理学療法」とよばれる治療法を用いて、自立した生活を送れるように支援を行います。 
患者さんの病状や回復度合いによって実施されるリハビリの内容は人それぞれですが、リハビリをより効果的なものにするためには、患者さんとの関係性がとても重要になります。 
患者さんとの関係性を築くうえでは、 
「患者さんに寄り添って不安を共有する」 
「自身が社会の接点となって患者さんの活動範囲を広げる」 
「前向きにリハビリに取り組めるよう適切な情報提供を行う」
 
といった働きかけが大切になります。 
 

1.患者さんに寄り添うこと

患者さんの機能回復を促すことはもちろん大切なことです。 
しかしそれ以上に“患者さんに寄り添うこと”も、理学療法士が担う大切な役割のひとつです。 
患者さんにとって、思うように体が動かないということは想像以上にストレスで、ときにイライラや怒りをぶつけられることもあります。 
しかし、そのようなときでも感情的にならず「なぜ患者さんがそのような言動や行動を取るのか?」と、患者さんの心に思いを巡らせ寄り添うことが理学療法士には求められます。 
特に自立心が高い患者さんにとっては、赤の他人から介助を受けるということ自体がストレスになることもあります。 
患者さんの生活史や背景も思い量りながら接することは、少しずつ信頼関係を築いていく一歩につながり、結果的に患者さんのモチベーション維持もしくは向上させることにもつながります。 
 

2.患者さんと社会との接点になること

「患者さんと社会との接点になる」という言葉を聞くと作業療法士のイメージが強いかもしれませんが、患者さんと社会との接点になるということは理学療法士にとっても大切なことです。 
作業療法士は作業を通して社会との接点を作りますが、理学療法士はリハビリで患者さんの機能回復を目指すことによって患者さんと社会の接点を作ります。 
具体的なイメージがつきにくいかもしれませんが、寝たきりの患者さんが車椅子に乗って出かけることができるようになるということは、理学療法士のリハビリが患者さんと社会との接点を作ることができたということになります。 
体を動かすことができるようになるということは、患者さんの活動範囲や行動範囲が広げることに繋がります。 
少しずつ身体機能が回復することによって患者さん自身が再び活動的になろうと思えるようにサポートすることも、理学療法士の大切な役割なのです。 
 

3.情報を提供すること

たとえば、脊髄損傷の患者さんの担当になったとします。 
患者さんはこれまでの生活とは180度違う生活を強いられるわけですが、その時に理学療法士が重要な役割を果たすのが「情報」です。 
人が行動できない理由のなかには、「情報が足りない」ことへの不安が挙げられますが、脊髄損傷患者が社会で生活していくためにはどのようなプロセスを辿ってどのような機能訓練を行うことが必要なのか、自立生活を行うための社会資源にはどういったものがあるのかというような情報があることが大切です。 
障がいによって絶望の中にいたとしても、理学療法士からの情報によって現状を受けとめ、そのうえで未来への希望を見い出すことは長いリハビリを続けるうえで大きなモチベーションになります。 
患者さんの状況や悩みに合わせて適切な情報を提供することも、患者さんとの信頼関係を築くうえで欠かせない役割のひとつといえます。 
 

それぞれの活躍の場における理学療法士の役割とは

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高齢化が進んでいる日本では、理学療法士が活躍できる場はますます広がっていく一方で、病院やクリニックなどの医療機関だけでなく、介護や福祉、保健分野などさまざまな場所で専門性を活かした働きが認められています。 
活躍する領域にとって理学療法士が担う役割はさまざまですが、以下では時代の変化とともに特に重要性が増す4つの分野において、理学療法士が担う役割についてご紹介します。 

高齢化に伴い需要増。デイサービスなど介護現場における理学療法士の役割

2025年には団塊の世代が75歳以上となる超高齢化を迎える日本では、デイサービスなどの介護施設における理学療法士の需要は以前にも増して高まりをみせています。 
高齢化により思うように体が動かせない利用者のリハビリをはじめ、できるだけ介護を必要としないための介護予防に特化した健康指導など、介護施設で理学療法士が担う役割は多くあり、身体と心の両面からアプローチを行うことが重要となっています。 
特に、身体面では高齢者の身体機能の低下の要因を理解し、今後起こりうる障がいなどへの予測に対し適切なケアを行うことが大切で、心理面では高齢者の行動欲求を理解したうえでそれらの実現を目指した各職種との協議が求められます。 
介護施設で高齢者を対象としたリハビリは、高齢者自らが主体性をもってセルフケアへの意欲を持つことが大切なため、理学療法士は高齢者とのコミュニケーションを通じて情報共有を行い、健康意識を高めることがより重要となっています。 
 

地域リハビリテーションにおける理学療法士の役割

高齢者の増加に伴い、住み慣れた地域で高齢者の尊厳を保ちながら自立した生活を支援する「地域包括ケアシステム(※)」の構築が厚生労働省によって推進されていることから、地域リハビリテーションにおける理学療法士の役割も重要なものとなっています。 
そのなかでも、地域包括ケアシステムにおける地域リハビリテーションで理学療法士に求められることは、「地域ケア会議への参加」と「介護予防への取り組み」です。 
病院や介護施設などに勤務するリハビリ専門職は、地域包括ケアシステムにおいて関連する職種として地域ケア会議への参加が可能となっていることから、積極的な参加が求められています。 
地域ケア会議に理学療法士が積極的に関与することで、評価から予後予測をはじめ日々の暮らしに必要な能力を引き出すための方法などについてより具体的な検討がしやすくなり、個々人の介護予防ケアマネジメントの向上にもつながっています。 
また、介護予防への取り組みでは、地域包括ケアセンターと連携し介護予防を目的とした健康教室の開催や、住民運営の通いの場や通所施設などへの積極的な関与を通して、地域の高齢者を総合的に支援する役割が求められています。 
このように、運動機能の回復にとどまらず地域に住まう全ての人がその人らしい暮らしを構築することを目標としている地域リハビリテーションでは、理学療法士の存在は欠かせないものとなっています。 
 
(※)地域包括ケアシステムとは、市区町村が地域の特性に応じて5つの構成要素となる「医療・介護・介護予防・生活支援・住まい」を一体的に提供し、高齢者を支えるまちづくりを目指すための取り組み。 
 
 
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チーム医療における理学療法士の役割

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医療の高度化や複雑化にともない医療従事職の業務が増大していることを受け、2010年に厚生労働省によって推進されたチーム医療は、いまでは患者さんにとって最善となる医療提供を目指すために欠かせない大きな役割を担っています。 
チーム医療では、医師や看護師、理学療法士、作業療法士、栄養士、臨床検査技師などさまざまな医療専門職が連携し情報を共有しながら、業務を分担してチームとして治療を行います。
そのなかで理学療法士が担う役割は、リハビリテーションのスペシャリストとして患者さんの社会復帰を目指しサポートを行うことです。 
機能訓練室で理学療法士が患者さんのリハビリを行うのはもちろんですが、チーム医療においてはリハビリテーションや摂食・嚥下、感染症対策、呼吸ケア、緩和ケアなどさまざまなチームに参加し、リハビリの専門知識と技術を活かしたサポートが求められます。 
例えば、余命が限られた患者さんのQOL(人生の質、生活の質)の改善を目的とした緩和ケアチームでは、理学療法士は物理療法や姿勢調整、杖などの福祉用具の使用を通して痛みをできるだけ軽減できるようサポートを行います。 
寝たきりの患者さんで褥瘡のリスクが高い方に対しては、看護師や介護士に体位変換やポジショニングのアドバイスを行うこともあり、患者さんと関わるさまざまな職種と連携し、ときには知識を共有することもチーム医療では求められます。 
 

精神科における理学療法士の役割

精神疾患を有する人はここ数年で増大しており、平成26年度には精神疾患の総患者数が392万人(※)にも及んでいることがわかっています。 
精神疾患の特性は人それぞれですが、そのなかでも近年増加の一途をたどっているのが認知症、気分障害、感情障害、ストレス性障害などで、特に高齢化が進んでいる日本では精神科の入院患者の半分以上が55歳以上(※)というデータも出ています。 
そのため、精神科のリハビリは作業療法士の領域と考えられがちですが、認知症患者の増加などに伴い運動機能や能力の低下に対するリハビリを行う理学療法士の役割も高くなっています。 
精神科で働く理学療法士にとって大切なのは患者さんの精神疾患の特性や状態を理解したうえでの関わりで、看護師や作業療法士、心理士などと連携しながら、心と体の両面の評価を行いリハビリを実施することが求められます。 
精神科においてリハビリを対象とする人は若い方から高齢の方まで幅広く、身体機能の低下を防ぐためのリハビリをはじめ、高齢の方で合併症の恐れがある方に対してはリスク管理を行いながら安全で適切なリハビリを行う必要もあります。 
 
(※)出典:参考資料 - 厚生労働省 
 
 
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まとめ

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理学療法士は、歩く・起き上がるといった基本動作や運動機能の回復の専門家として、医療機関や介護施設、福祉施設、保健施設など、さまざまな領域で活躍しています。 
働く施設やリハビリを対象とする人によって理学療法士に求められる役割はさまざまですが、運動療法や物理療法などを用いながら一人ひとりの患者さんの生活環境に合わせ、社会復帰に向けた支援を行うことが主な仕事となります。 
日本の高齢化に伴い、将来介護の必要性を軽くするための介護予防といった面でも理学療法士の役割は大きいものとなっており、地域包括ケアシステムや介護分野での需要も非常に高まっています。 
以上のことから、リハビリを必要とする人の日々の暮らしをサポートする役割を担う理学療法士は、今後もさまざまな場で必要とされる職業といえるでしょう。 
 
 
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