
理学療法士のリハビリを受けるということは身体機能になんらかの不具合を抱えているということです。
そのような患者さんの回復のため理学療法士が担う役割というのはいくつかありますがそのなかで最も大切なことは何でしょう。
理学療法士の役割―患者さんに寄り添うこと

患者さんの機能回復を促すことはもちろん大切なことです。
しかしそれ以上に患者さんに寄り添う力というものが大切です。
難しく考える必要はありません。リハビリ職特有の距離の近さゆえ、イライラや怒りをぶつけられることもあるでしょう。
暴言を吐かれてイラっとすることもあるかもしれません。
しかしそれを真に受けることなく「なぜ患者さんがその言動や行動を取るのか」という点にフォーカスして患者さんの心に思いを巡らせることが大切ではないでしょうか。
思うように体が動かないということは想像以上にストレスです。
これまでの人生で自分のことは自分でやってきたほど介助を受けるということ自体がストレスになります。患者さんの生活史や背景も思い量ることができると良いですね。
理学療法士の役割―患者さんと社会との接点になること

「患者さんと社会との接点になる」という言葉を聞くと作業療法士のイメージが強いかもしれませんが、患者さんと社会との接点になるということは理学療法士にとっても大切なことです。
作業療法士は作業を通して社会との接点を作りますが理学療法士は、理学療法士が行うリハビリで患者さんの機能回復を目指すことによって患者さんと社会の接点を作ります。
具体的なイメージがつきにくいかもしれませんが、寝たきりの患者さんが車椅子に乗って出かけることができるようになるということはリハビリが患者さんと社会との接点を作ることができたということです。
体を動かすことができるようになるということは活動範囲や行動範囲が拡がります。理学療法士というのはとても重要な役割を担っているのです。
理学療法士の役割―情報を提供すること

たとえば、脊髄損傷の患者さんの担当になったとします。
患者さんはこれまでの生活とは180度違う生活を強いられるわけですが、その時に重要な役割を果たすのが「情報」です。
人が行動できない理由は情報が足りないからであるといったことが書かれている本を最近読んだのですが、脊髄損傷患者が社会で生活していくためにはどのようなプロセスを辿ってどのような機能訓練を行うことが必要なのか、自立生活を行うための社会資源にはどういったものがあるのかというような情報があると絶望の中にいたとしても少しは未来を見ることができるようになるかもしれません。
患者さんの状況や悩みに合わせて適切な情報を提供できることは理学療法士の強みになる上に患者さんからの信頼も高くなるのではないでしょうか。
理学療法士が担う役割で特徴的な事柄を紹介しました。
イメージできましたか?
理学療法士は素敵な仕事です。理学療法士の役割をしっかりと理解して患者さんのために惜しみなく力を発揮してください。
私たちは理学療法士のみなさんを応援しています。
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