理学療法士として転職を考えたときに、気になるのはその後の初任給ですよね。
今の職場で数年間勤務すると能力給が上がることもありますが、転職したときに再び1年目の給料からスタートする可能性もあります。そのことを考えると、「給料が下がるなら今の職場で我慢しよう」と、転職を躊躇する方もいるのではないでしょうか。
この記事では、PTOTSTワーカーが調査した理学療法士の初任給事情についてご紹介します。新卒採用と中途採用で異なる初任給の支給額や、給与アップの方法についてチェックし、自分にとって『転職』が正しい判断なのかを見極めましょう!
専門学校もしくは大学を卒業後、新卒採用で就職した場合の理学療法士の初任給は24.5万円程度といわれています。新卒採用の場合、ほとんどの職場が同業施設の初任給水準に応じて基本給を設定する傾向にあります。入職時点では経験や能力に差がないと考えられているため、同期入社の理学療法士はみんな同じ給与からスタートするのが一般的です。
一方で中途採用は、ある程度給与に幅を持たせられる場合もあります。職場によって給与の設定基準はさまざまですが、以下のような要素を踏まえて初任給の額面を決定する職場も少なくありません。
厚生労働省の統計データによると、25〜29歳で3〜4年の業務経験がある理学療法士の平均給与は26.3万円程度です。さらに、30〜34歳で6年程の業務経験がある場合の平均給与は28.8万円程度といわれています。年齢や業務経験が考慮される場合、中途採用で入職した際の初任給は新卒採用より2〜3万円ほど多くなる可能性は十分にあるでしょう。
出典:賃金構造基本統計調査 / 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額)
理学療法士以外にも、他の医療職の初任給について比較してみましょう。他の医療職がもらう初任給の平均を以下の表にまとめました。
職種 | 初任給 |
---|---|
理学療法士 | 24.5万円程度 |
医師 | 48.5万円程度 |
薬剤師 | 31.4万円程度 |
看護師 | 28.7万円程度 |
准看護師 | 23.1万円程度 |
放射線技師 | 24.9万円程度 |
臨床検査技師 | 24.5万円程度 |
これらの結果を比較すると、理学療法士の初任給は医療職のなかでも低い傾向にあります。
これは、理学療法士の人数が増加傾向にある点や、制度の関係でリハビリの実施数に上限がある点などが原因とされています。
出典:賃金構造基本統計調査 / 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額)
はじめから年齢や経験を考慮して初任給が設定されている場合、給与アップは難しいのではないかと不安に思う方もいるでしょう。しかし、理学療法士で給与アップが狙える方法はいくつかあります。ここでは給与アップするための代表的な方法について解説します。
管理職に着任することで、給与アップが可能です。基本給が上がるだけでなく管理職による手当がつくので、初任給よりも高い給与が期待できるでしょう。
ただし、管理職の着任は簡単になれるものではありません。管理職になるには臨床のスキルだけでなく、周囲のスタッフをまとめられるようなマネジメントスキルも求められます。管理職を目指す場合は、リハビリ以外のスキルアップも目指しましょう。
「認定理学療法士」や「専門理学療法士」などの上位資格を取得していると、給与が上がる可能性があります。認定・専門理学療法士は簡単に取得できない分、他の資格よりも手当が優遇される場合があります。
また、上位資格の取得は給与アップにつながるだけではありません。その他にも以下のようなメリットもあります。
理学療法士としてキャリアを積みたい方は、ぜひ上位資格の取得を検討してみましょう。
現在の職場よりも給与や待遇の良い場所に転職するのもおすすめです。転職先の条件が良ければ、すぐに給与アップが期待できるでしょう。キャリアアップを積極的に後押ししてくれる職場であれば、資格取得に挑戦しやすくなるので、さらに給与を増加できる可能性もあります。
転職先を探す際は、基本給だけでなく賞与や手当、福利厚生などの求人情報をよくチェックしておきましょう。他の手段ですぐに給与アップが見込めないときは、ぜひ転職も検討してみてください。
条件の良い就職先を見つけるには、事前にチェックしておきたいポイントが多くあります。おもにチェックすべきポイントは、以下の通りです。
基本給や賞与額、昇給額は給与をチェックするには欠かせないポイントです。それ以外にも、残業時間や有休消化率なども欠かさずチェックしておきましょう。給料が高くても、残業が多かったり有給休暇を気軽に消化できなかったりすると心身が消耗する恐れがあります。求人情報に上記のすべてのポイントが記載されていない場合は、職場見学の際に質問しておきましょう。
新卒採用と中途採用の初任給についてご紹介しましたが、実際の支給額や待遇は職場によって異なります。しかし、転職するなら「今より給与や待遇が良い職場であること」は絶対条件ですよね。転職を希望している施設の初任給や待遇など、自分1人ではなかなか調べきれない内容は、ぜひ一度PTOTSTワーカーにご相談ください。あなたにとって『良い転職』になるようにお手伝い致します。