2023年2月に行われた、第58回作業療法士国家試験の合格率は83.8%でした。これから作業療法士を目指している方にとって、「80%なら合格できるかな」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、作業療法士は新卒と既卒では合格率に大きく差が出ます。作業療法士になりたい方は、国家試験対策ができる大学・専門学校を選んでいく必要があります。
本記事では、作業療法士国家試験の合格率の解説、および作業療法士国家試験の対策について解説していきます。一発で作業療法士国家試験に合格したい方は、ぜひご一読ください。
目次
【2023年最新】作業療法士試験の合格率は?
第58回作業療法士の国家試験は、2023年2月19日に行われました。厚生労働省から合格率の他に、問題についても発表されています。本記事では、作業療法士の受験を考えている方に向けて、最新版の作業療法士試験の合格率や概要について解説していきます。
【2023年】作業療法士試験の合格率・合格人数
2023年に行われた第58回作業療法士の試験の合格率は、83.8%でした。受験者数は5719人、合格者数は4793人です。参照:厚生労働省 第58回理学療法士国家試験及び第58回作業療法士国家試験の合格発表について
合格最低点は?
作業療法士試験では、合格最低点数が決まっています。厚生労働省によると、その基準を満たした人を合格としているようです。2023年の作業療法士試験では、合格最低点数は以下の通りでした。・総得点168点以上 / 279点
・実地問題43点以上 / 120点
参照:厚生労働省 第58回理学療法士国家試験及び第58回作業療法士国家試験の合格発表について
新卒・既卒の合格率
作業療法士試験では、新卒と既卒で合格率に大きな差が出ます。第58回作業療法士試験の、新卒・既卒の合格率の違いは以下のとおりです。受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
総数 | 5719 | 4793 | 83.8 |
新卒 | 4809 | 4390 | 91.3 |
既卒 | 910 | 403 | 44.3 |
過去10年の作業療法士試験の合格率
作業療法士の国家試験の合格率は、過去10年を平均するとおよそ81%です。厚生労働省の発表から、過去10年分の作業療法士試験のデータをまとめました。まとめた表は以下のとおりです。合格者数 | 合格率 | |
58回 | 4793人 | 83.8% |
57回 | 4,608人 | 80.5% |
56回 | 4,510人 | 81.3% |
55回 | 5,548人 | 87.3% |
54回 | 4,531人 | 71.3% |
53回 | 4,700人 | 76.2% |
52回 | 5,007人 | 83.7% |
51回 | 5,344人 | 87.6% |
50回 | 4125人 | 77.5% |
49回 | 4740人 | 83.7% |
【2022】大学別作業療法士合格率
大学進学を考えている方は、「作業療法士の合格率が高い大学に行きたい」と思うのではないでしょうか?作業療法士の国家試験は、大学別の合格率が発表されています。ここでは、2023年第58回の作業療法士国家試験の学校別合格率をまとめました。その他の大学は、参照からご覧になってください。大学進学を考えている方は、ぜひ進学の参考にしてみてください。
学 校 名 | 総 数 | 新卒 | 既卒 |
弘前大学医学部保健学科(弘前大学医療技術短期大学部を含む) | 100 | 100 | 0 |
常葉大学健康科学部静岡理学療法学科 | 88.5 | 96.2 | 37.5 |
常葉大学保健医療学部理学療法学科・作業療法学科 | 97.1 | 97.1 | 0 |
東北文化学園大学医療福祉学部(東北文化学園専門学校を含む) | 88.9 | 93.8 | 50.0 |
神戸学院大学総合リハビリテーション学部 | 100 | 100 | 0 |
帝京平成大学健康メディカル学部 | 98.7 | 100 | 75 |
広島都市学園大学健康科学部リハビリテーション学科理学療法学専攻・作業療法学専攻 | 83.6 | 94.5 | 50.0 |
作業療法士試験で一発合格するためには?
過去の作業療法士試験のデータを見ると、新卒で一発合格することが理想です。既卒になってしまうと勉強時間を確保することが困難なため、大学在学中から試験勉強を始めていきましょう。本章では、作業療法士試験の受験を考えている方に向けて、3つの合格率を高める方法について解説しました。
● 試験の1年前には勉強を始める
● 大学の講座を利用する
● 通信講座を利用する
作業療法士試験での合格率を高めたい方は、ぜひご一読ください。
試験の1年前には勉強を始める
作業療法士試験に合格したい方は、試験の1年前には勉強を始めると良いでしょう。作業療法士試験は合格率が高いと言っても、全員が合格するわけではありません。試験範囲も広いため、確実に合格したい方は早めの国家試験対策を心がけましょう。作業療法士の国家試験は筆記と実地の2つの試験があります。以下はそれぞれの試験範囲です。
一般問題
解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む。)、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び作業療法
実地問題
運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び作業療法
引用:厚生労働省
試験は1日かけて行われます。試験範囲が広いため、一夜漬けではなく、時間をかけて勉強していくことが望ましいです。一発合格を目指してやっていきましょう。
大学・短大・専門学校の講座を利用する
大学・短大・専門学校を選ぶ際には、サポートがある大学を選ぶことも大切です。大学・短大・専門学校では、国家試験をサポートする講座が開かれている場合があります。同じ大学の仲間と勉強に励めるため、意欲が低下しづらく、作業療法士試験の合格に近づけます。例えば、東京福祉専門学校では、国家試験前には対策講座をやっています。模擬試験を大学でやっているため、自分の現在の実力が把握でき、自分の学力把握に便利です。その他にも1年次から参加できる上級生との合同勉強会など、意欲がある学生をサポートする制度が整っています。
参照:東京福祉専門学校
大学・短大・専門学校を選ぶ際には、ぜひ対策講座があるかを確認してみましょう。
通信講座を利用する
1人で勉強を進めていくのが不安な方は、通信講座を利用していくの良いでしょう。受験勉強を進めて行く上で、モチベーションが低下するのは不安ですよね。通信講座の場合は、単調になってしまう受験勉強を飽きさせない工夫があります。例えば、講義動画で説明している通信講座もあります。過去問やテキストで分からない問題は、人に解説してもらった方が分かりやすくなるためおすすめです。
その他にも、自分の習熟度合が分かる模擬試験。単元ごとの理解度が分かる添削課題などもあります。自分の勉強の進み具合が把握できる工夫があるため、飽きずに勉強を進めていけます。モチベーションの低下を防ぐには、ぜひ通信講座の利用も考えてみましょう。
まとめ
作業療法士国家試験の合格率について解説しました。作業療法士の国家試験は、約80%の合格率となっています。大学によっては、新卒の合格率が100%の大学もあります。しかし、既卒になってしまうと合格率は下がるため、できれば一発で合格したいところです。作業療法士の学科であれば、国家試験対策をしている大学・短大・専門学校は多くあります。ぜひ、自分の理想に合う場所を選び、一発合格を目指してください。
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