「理学療法士を辞めたい」それ本当?!新人に多い3つの理由
理学療法士を辞めたいと考え始めた新人さんに読んでほしい!辞めたい理由のアンケート結果とともに解決方法もお伝えします。
更新日:2021年10月28日
公開日:2021年10月28日

このコラムを読んでる方は、多少なりとも「理学療法士を辞めたい」と思っているはず。
しかし、本当に理学療法士を辞めたいと思っていますか?
今回は、新人理学療法士が辞めたいと思う理由をPTOTSTワーカーでアンケート調査しました。
そのアンケート結果とともに、新人理学療法士に多い理由について見ていきましょう。
目次
新人理学療法士に多い3つの辞めたい理由とは?
仕事を辞めたいと考えるのには、何かしらの悩みや不満が溜まっているはずです。新人理学療法士が「辞めたい」と考えるのにはどんな理由があるのか見ていきましょう。
下記のグラフは、PTOTSTワーカーの転職サポートを利用してくださった3年目までの新人理学療法士の方にアンケートしたものです。
(※)アンケート回答:データ回答者:3,466名(新卒・2年目)
【どんな悩みがありましたか?】
■給料が安い 745名/21.4%
■仕事が忙しすぎる・残業が多い 431名/12.44%
■人間関係が面倒 395名/11.4%
■リハビリのスキルが足りない 254名/7.3%
■休みがとりにくい/少ない 732名/11%
■職場の方針が合わない 254名/7.3%
■家から遠い 237名/6.8%
■待遇が悪い 225名/6.4%
■パワハラがある 183名/5.2%
■その他 250名/7.3%
上記、アンケート結果の中から多くの割合を占めた3つの理由について詳しく見ていきましょう。
給料が安い
辞めたいと思った理由の中で、最も多く占めていたのは「給料が安い」です。どのくらい安いのか新人理学療法士の初任給額を調べてみました。
厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査によると、理学療法士の平均初任給額は約24万円、初年度の平均年収額は約294万円(※1)です。
厚生労働省が発表している理学療法士の平均年収額は、約408万円(平均年齢33.9歳、平均勤続年数6.5年)。
この平均額と比べてみると新人理学療法士は給料が安いということが分かります。
また、国税庁の「令和元年分民間給与実態統計調査」によると、一般的なサラリーマンの平均年収は約436万円(※2)であるため、大学や社会人から理学療法士になった人にとっては厳しい金額です。
しかし、理学療法士の仕事は原則年1回、年齢と勤続年数に応じて昇給がある施設がほとんど。そのため、勤続年数を増やし管理職を目指すことで給料も増えていきます。
あるいは、ある程度のキャリアを積み「ぜひこの施設で働いてほしい」と思わせる人材になり転職することで、給料アップを叶えることが出来るでしょう。
(※1)出典:令和2年賃金構造基本統計調査/厚生労働省
(※2)出典:令和元年分民間給与実態統計調査/国税庁
理学療法士の年収・初任給について詳しく知りたい方はこちら
仕事が忙しすぎる・残業が多い
2番目に多かったのは「仕事が忙しすぎる・残業が多い」という理由です。新人理学療法士が、この不満や悩みを抱える原因としては、以下の2つがほとんどです。
〇患者さんへの治療や訓練などの業務を効率的に進められない
〇カルテや書類の作成に時間がかかってしまう
そのため、日々の業務と残業の多さに辞めたいと思う方が多いようです。
仕事に不慣れなことからくる残業の多さを解消するには、新人でも業務を効率的に進める努力が必要です。
リハビリ職では、書類業務に費やせる時間が足りないという理由から、ベテランでも残業をしてカルテや必要書類の記入などを行っている施設は少なくありません。
そういった残業の多くは、残業手当が認められず「サービス残業」となることがほとんど。
「プライベートな時間を削り残業しているのに見返りもない」となれば辞めたくなるのも当然です。
しかし、施設によっては残業がほとんどないところや残業代がきちんと出るところもあります。また、業務量もその人に合わせて調節してくれる施設もあるので、転職を考えるのもいいかもしれません。
人間関係
3番目に多かったのは理由は「人間関係」でした。悩んでいる人間関係の対象を聞いてみると、次の2つがほとんどでした。
〇上司・先輩との関係
〇理学療法士同士の関係
また、スタッフ同士の関係性が悪く施設内の雰囲気がピリピリしていると、職場の環境に合わせようとしている新人にとっては精神的にストレスが溜まるはず。
しかし、全ての施設がこのような人間関係ではありません。
スタッフ同士の仲が良くないのなら、部署の異動を希望することで環境が変わるため働きやすくなる可能性があります。
もし、異動できる他部署がない場合は人間関係が良い職場に転職をすることで解決できるでしょう。
本当に理学療法士を辞めたい?それとも今の職場を辞めたい?
悩みや不満が溜まると、辞めたいと考えるのは普通のこと。現役で理学療法士として働いている先輩達も過去に「辞めたい・・・」と思ったことがあるでしょう。
それでも理学療法士を続けているのは「理学療法士として働きたい」という気持ちがあったからです。
ここで一度「本当に理学療法士を辞めたいと思っているのか?」を考えてみてください。
今抱えている悩みや不満は理学療法士を辞めることでしか解消できないのでしょうか?
新人理学療法士が抱える悩みの多くは、不慣れからくるものや職場を変えれば解消出来ることがほとんどです。
紙やパソコンなんでもいいので、自分の悩みや不満を全て書き出してみてください。
書き出すことで、何に不満をもっているのかが見えてくるはず。
そして、そこから本当に理学療法士を辞めたいのかどうか自分の気持ちを確認することが出来るでしょう。
理学療法士として転職する道を選ぶなら
転職を選んだ方のなかには「経験が浅い理学療法士は採用してもらえないんじゃないか?」と不安に思う方もいるのではないでしょうか?確かに、即戦力を必要としてる施設で採用してもらうのは難しいでしょう。
しかし、新人の理学療法士を求めている施設があるのも事実です。
「人手不足で実績よりもやる気のある人を採用したい」「一から育てて長期的に働いてもらいたい」など理由は様々。
過度のストレスがかかる職場で働くより、自分が生き生きと働ける職場を早く見つけることがとても大切です。
転職で重要なのは、自分にあった転職先を探すこと。
自分に合った転職先をどう見つけたらいいのか分からないという方は、以下の3点を考えてみてください。
〇自分の希望が明確になっている
〇自身の価値(キャリア)はどの程度なのか把握している
〇病院や施設はどんな人を求めているのかを知る
なかには、辞めてから転職しようかと考えている方もいるでしょう。
ですが、辞めてから転職するというのはあまりおすすめできません。
「早く決めないと・・・」「収入を得なければ・・・」と焦ってしまい、条件の悪い職場をえらんでしまう可能性が高いからです。
せっかく転職をするのに、今より条件が下がってしまっては意味がありません。
転職を成功させるためにも、収入のある在職中に転職活動を進めましょう。
しかしながら、仕事をしながらの転職活動は大変なもの。
職場のスタッフに気付かれないように動かなければならないし、隙間時間を見つけてはホームページや求人サイトなどをチェックしなければなりません。
良さそうな求人をピックアップしたり、なかには電話で問い合わせてみたりと求人を探すだけでも一苦労です。
探すのに疲れてしまい、条件を妥協した結果「前と変わらない」「思っていたのと違った」と後悔することになりかねません。
そこで、おすすめなのが転職エージェントを利用する方法です。
転職エージェントでは、担当のアドバイザーが希望の条件などをしっかりとヒアリングし、その人に合った職場の求人を探し紹介してくれます。
そんな転職エージェントの一つであるPTOTSTワーカーでは、求人の紹介だけではなく希望する方には職場見学も可能で、事前に職場やスタッフの雰囲気などを見て決めれるので安心です。
求人探しから就職までをサポートしてもらえるので、忙しいリハビリ職の方におすすめな転職方法といえます。
やっぱり理学療法士を辞めたいなら
理学療法士を辞めたいという決断に至った方は、つぎに「どんな仕事をしたいか」を考えてみましょう。理学療法士からの転職でどんな仕事をしている方が多いのか調べてみたところ、医療職やスポーツ関連、介護職への転職がほとんどです。
〇看護師
〇アスレティックトレーナー・スポーツトレーナー
〇柔道整復師
〇デイサービス勤務 など
なかには、
〇健康や予防関連の事業を行う企業へ転職
〇スポーツ用品メーカーに就職
〇高級フィットネスクラブやパーソナルトレーニングジムのトレーナーへ転身
共通していえるのは、理学療法士としての資格や経験を活かせる仕事を選ぶ方が多いということです。
「理学療法士の国家資格を持っている」という理由で優遇してくれるのは、医療や介護職がほとんど。
他職種では優遇してもらえる会社は少なく、それなりの知識や経験を必要とされるため新人理学療法士には少々ハードルが高いかもしれません。
理学療法士の資格を活かしたいのであれば、他職種よりも医療施設や介護施設、訪問看護(リハ)などで働く方が確実です。
さいごに
理学療法士を辞めたいという気持ちは、理学療法士の仕事そのものが嫌になったのか、今の職場が合わなくて嫌なのかを見極めましょう。理学療法士の仕事が嫌いではないのなら、自分に合った職場に転職をすることでやりがいが見つかり楽しくなるはずです。
理学療法士は辞めたいけれど他職種で資格を活かしたいのであれば、それなりの知識やスキルを培ってから転職することをおすすめします。
勢いで辞めて後悔しないためにも、冷静に「この仕事を続けたいかどうか」を考えてみて下さい。
最新コラム記事
-
整形外科のリハビリはいつまで通う?症状別の期間や病院の探し方についてもご紹介
整形外科のリハビリはいつまで通う?症状別の期間や病院の探し方についてもご紹介
-
slrのリハビリとは?意味やすぐに実践できるように詳しく解説
slrのリハビリとは?意味やすぐに実践できるように詳しく解説
-
整形外科のリハビリにいつまで通うべき?やめるタイミングを解説
整形外科のリハビリにいつまで通うべき?やめるタイミングを解説
-
リハビリで実施するSLRはどんな運動?目的や効果をご紹介
リハビリで実施するSLRはどんな運動?目的や効果をご紹介
-
変形性膝関節症のリハビリでは何をする?自宅で行う方法や参考文献についてもご紹介
変形性膝関節症のリハビリでは何をする?自宅で行う方法や参考文献についてもご紹介
-
変形性膝関節症のおすすめのリハビリは?運動の種類や実施中の注意点をご紹介
変形性膝関節症のおすすめのリハビリは?運動の種類や実施中の注意点をご紹介