
手指を負傷してしまうと、日常生活に支障がでて困ることが多いかと思います。そのため、治りを早くするために自主トレが必要かどうか悩みますよね。実際、手指のリハビリでは作業療法が効果的なケースが多くあります。
今回は、自宅での手指の作業療法を探している方に向けてリハビリの実例をご紹介します。また実際の作業療法で使えるリハビリ用具についてもご紹介しています。手指のリハビリのレパートリーに困っている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
手指のリハビリには自主トレは必要?
手指のリハビリでは自主トレが効果的なパターンがあります。手指のリハビリにも多くの種類があります。その中で、医学的に機能評価をして、自分に適切なリハビリを選択していくことが大切です。ここでは、手指のリハビリをしていく中で必要になるリハビリの方法と評価についてご紹介します。実際には、担当医や理学療法士の方と相談して実施していくことが大切なので、参考にしてみてください。
方法
手指のリハビリでおこわれるリハビリには種類があります。特に多くの方が間違われやすいのが作業療法と物理療法の違いです。それぞれの特徴は以下のとおりです。作業療法:けがや病気の方などに向けて、日常生活能力の改善、社会生活能力の改善を目的におこなわれます。
理学療法:けがや病気の方などに向けて、基本動作能力の回復や維持を目的おこなわれます。主な理学療法として運動療法や物理療法(温熱・電気)や徒手療法(マッサージ・ストレッチ)などが挙げられます。
今回の記事では、主に作業療法を取り上げていきます。作業療法は家などでも気軽にできることが特徴的です。そのため、日々の作業療法のレパートリーを探している方はこの後の実例をぜひ参考にしてみてください。
評価
作業療法をしていくにあたって、どれくらい手指が動かせるか作業能力を評価していくことは大切です。評価方法は握力、つまむ力などもありますが、作業能力の評価には以下の方法があります。上肢障害評価表(DASH:Disabilities of the arm, shoulder and hand)…能力低下
(disability:ADL における障害や環境との関わりによってとらえられる能力低下)を評価するもの。
STEF(Simple Test for Evaluating Hand. Function)…日本で多く使われている簡易的な上肢機能評価
NOMA 手 ・ 上肢機能診断 2…手・上肢の機能障害の質を特定し,治療的訓練において解決すべきポイントを明らかにすることを目的としたもの
「参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/34/4/34_291/_pdf」
これらの評価方法は専門器具も使うため、自宅などでは実施は不可能です。そのため、気になっている方は、現在通っているリハビリ施設の担当医や理学療法士の方に聞くようにしましょう。
部位別|自宅でもできる作業療法をご紹介
理学療法士と相談したうえで、自宅でできる作業療法をすぐに知りたい方もいるかと思います。そのような方に向けて、ここでは自宅でもできる作業療法を部位別にご紹介します。主に、作業療法は以下の4つに分けることができます。巧緻動作練習
感覚練習
関節可動域訓練
筋力増強運動
ここでは、それぞれのリハビリを1種類ずつご紹介します。
指
指の作業療法のリハビリでは巧緻動作練習と感覚練習の2種類をご紹介します。ご自身で必要と思われる方をやってみてください。回数はあくまでも参考なので、適時変化してみてください。巧緻動作練習
やり方:
①両手の指先を合わせる。
②親指から小指まで当たらないように、1本ずつ指を回していく。
③1日5回×2セットを目安におこなう。
やり方
①手を合わせて、親指から小指まで一本ずつ順番に離していく。
②他の指がはがれてしまわないように気を付ける。
③1日5回×2セットを目安におこなう。
「引用:https://www.rishou.org/activity-new/qa/qa-vol-342#/」
感覚練習
「引用:https://jsncr.jp/message/m107.html」
①複数の小さな物体(正方形、長方形、錐体形、円柱形、球などの立方体)を2個ずつ用意する。
②黒いシーツなどに物体を入れ、どの立方体かをあてる。
③答えの確認の際には、目で物体を確認する。
指先
指先の作業療法のリハビリでは関節可動域訓練と筋力増強運動の2種類をご紹介します。ご自身で必要と思われる方をやってみてください。回数はあくまでも参考なので、適時変化してみてください。関節可動域訓練
・テーブルに手を乗せて、指を横に開いたり閉じたりします
・痛みに合わせて、可能な範囲で動かしましょう
やり方:
①テーブルに手を載せて、指を横に開いたり閉じたりする。
②痛みに合わせて、可能な範囲で動かす。
③左右交互10回ずつを目安におこなう。
「引用:https://jishu-tre.online/%e6%8c%87%e3%81%ae%e5%86%85%e5%a4%96%e8%bb%a2%e9%81%8b%e5%8b%95/」
筋力増強運動
①柔らかいボール(ゴムボールなど)を用意する。
②ゆっくりにぎって、ゆっくり戻す。
③左右両側10回×3セットを目安におこなう。
「引用:https://jishu-tre.online/%e3%83%9c%e3%83%bc%e3%83%ab%e6%8f%a1%e3%82%8a%e9%81%8b%e5%8b%95/」
リハビリの幅が広がる|効果を高めるリハビリ用具とは?
手指のリハビリでは、リハビリ道具を使うのも効果的です。道具を使わない自主トレだと、作業療法の種類も限られてしまいます。しかし、道具を使うことでレパートリーが広がり、自主トレを継続しやすくなります。ここでは、100均でも簡単に作れるリハビリ道具をご紹介します。
手作りでもできるおすすめリハビリ道具
手指のリハビリでは、手作りのリハビリ道具も有効的です。実際にリハビリをしていると、リハビリの幅を広められるため、道具を使うことで、患者さんのマンネリを防ぐ効果が期待できます。例えば、箸が使える方であれば100均で買える道具で以下のリハビリ道具が作れます。用意するもの:製氷トレー2つ(ボールが入るもの)フェルトのボール(裁縫の場所にあります)箸
使い方①片方の製氷トレーにフェルトのボールを1つずつ詰めていきます。
②箸を使って、もう片方の製氷トレーにボールを移していきます。
他にもベグトレーなども、手作りで作成できます。ぜひ、様々な方のアイディアを使ってリハビリの効果を高めていきましょう。
「引用:https://shiromi.or.jp/%E7%9C%8B%E8%AD%B7%E3%83%BB%E6%A9%9F%E8%83%BD%E8%A8%93%E7%B7%B4%E3%82%88%E3%82%8A/5086/」
担当医と相談しながら、作業療法をおこなっていこう
ここまで、自宅でもできる手指のリハビリについてご紹介してきました。しかし、作業療法をおこなう上で大切なことは機能評価です。今の自分の手がどれだけ動かせるか。どれくらいつまめるかによって、効果的な作業療法は変化します。適切なリハビリがおこなえないと、無理に動かして痛めてしまう可能性もあります。まずは、理学療法士や担当医に相談して、評価してもらってから自主トレを進めていくようにしましょう。
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