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糖尿病の方の運動療法の注意点とは?指導する際のガイドラインについても解説

糖尿病の方の運動療法の注意点とは?指導する際のガイドラインについても解説

更新日:2023年08月31日

公開日:2023年08月23日

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歩行訓練をする高齢者とスタッフ

糖尿病の方にとって運動をすることは、症状の改善につながります。しかし、インスリンの値が高く、運動をすることが悩ましい方もいらっしゃいませんか?無理をさせてしまうと、体調が悪くなる可能性もあるため、適切な方法で運動療法の指導をしたいですよね。

今回は、糖尿病の方の運動療法を指導する際の注意点や指導計画について解説しました。最後に、指導する際に参考になるガイドラインやパンフレットについても記載しましたので、運動療法を指導をする際の参考にしてみてください。

糖尿病の方の運動療法は効果がある?

歩行訓練をする女性とスタッフ

糖尿病の方に運動療法を実施する際に、運動療法の効果について話せないと、これから実施していくことに納得してもらえません。そこで、運動療法の目的をを共有するために大切な必要性や意義について解説していきます。

目的

糖尿病の方が運動療法をする目的としては、糖尿病の改善が期待されているからです。運動療法で筋肉を使うと、糖や遊離脂肪酸が消費されます。そのため、糖コントロールの改善・インスリン感受性の増加・脂質代謝の改善、血圧低下、心肺機能の改善が期待できます。各症状が改善されるため、糖尿病の方にとって必要性が高くなっています。

また、2型糖尿病にとって脳卒中の予防や死亡リスクの軽減にもなると言われています。糖尿病の治療には、運動療法と食事療法の併用が大切と言われています。食事療法とともに運動療法は、糖尿病の治療や改善のために、実施しなければいけません。

糖尿病の方に運動療法をする際の看護計画とは

笑顔のスタッフ

担当している患者さんの運動療法を考える際に、看護計画の作成は大切です。しかし、目標をどうするかOーP、TーP、EーPをどうするか難しいこともあるかと思います。ここでは一例を作成しましたので、ご自身の計画を立てる際の参考にしてみてください。

計画の作成

この章では、糖尿病の患者さんを想定して看護計画を作成しました。ただし、大切なのは、目の前の患者さんに合わせて計画を作ることです。症状や状態は違うので、言葉やどこに目標を置くか参考にしながら自分で作成してみてください。

看護目標 自分に適した運動を見つけ、無理なく運動療法を進めていく。

観察計画 O-P 合併症の有無を確認し、病識が持てるようにアプローチしていく。

援助計画 T-P 運動療法の種類については、患者さんと相談したうえで進めていく。日々の運動状況や実施状況を把握したうえで、適切にサポートしていく。

教育計画 E-P 運動療法の目的と中止基準をパンフレットなどを用いて、理解できるように説

加算はどうなる

糖尿病のリハビリをしていく場合、どのような金額になるかの加算は診療報酬点数表を確認する必要があります。例を挙げると、以下のことを指導すると点数が加算されます。

栄養指導
糖尿病合併症管理料(フットケア)
糖尿病透析予防指導管理料
在宅療養指導料


糖尿病と言っても、症状はさまざまです。また通院する医療機関の病床数や保険医療機関の指定状況などによって、医療費の計算方法は変化します。そのため、最新版の診療報酬点数表を確認しながら、職場の方に相談しながら進めていきましょう。

指導するのに便利。糖尿病運動療法士とは?

糖尿病運動療法士と呼ばれる資格はありませんが、糖尿病を指導する際の資格は存在します。一般社団法人日本糖尿病療養指導士で認定している、「日本糖尿病療養指導士」です。こちらの資格を取得するには、以下の条件を満たす必要があります。

・看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士のいずれかの資格を有していること(医療職免許証の写しの提出が必要です。)

・下記の(1)(2)(3)の条件を全てを満たしている医療施設において、過去10年以内に2年以上継続して勤務し糖尿病患者の療養指導業務に従事した方で、かつこの間に通算1,000時間以上糖尿病患者の療養指導を行ったこと
 
(1)当該施設に勤務する、以下の(イ)(ロ)のいずれかに該当する医師が、糖尿病療養指導にあたり受験者を指導していること
(イ)常勤または非常勤の日本糖尿病学会専門医(非常勤の場合、勤務は月1回以上)
(ロ)日本糖尿病学会の会員で糖尿病の診療と療養指導に従事している常勤の医師
(2)外来で糖尿病患者の診療が恒常的に行われていること
(3)糖尿病の患者教育、食事指導が恒常的に行われていること
受験者が2.の「糖尿病療養指導業務に従事した期間」に当該施設で携わった糖尿病療養指導の自験例が10例以上あること
本機構が開催する講習(eラーニング)の受講を修了していること

参考:
https://www.cdej.gr.jp/modules/before/index.php?content_id=1

資格を取得するには、経験や条件があります。すぐに取得できる資格ではないため、スキルアップするための目標として資格取得を目指していくのが良いでしょう。

指導者は必見!糖尿病の方が運動療法をする際の禁忌とは?

インスリン計

運動療法を指導する際に注意するべきポイントは、中止基準です。体内のインスリンの値が変化しやすいため、体調不良になる可能性が高いためです。ここでは運動療法を実施する際の注意点について解説します。

食事前・後は大丈夫?

運動療法をおこなう際には、基本的には食後1~2時間前後でやるのが効果的と言われています。食後はインスリンが増加するため、運動療法をすることで血糖値に含まれるインスリンの増加を防げます。

食事前は、血糖値が低い傾向にあるため低血糖になる恐れもあります。そのため、基本的には強度の高い運動などはおすすめできません。状態や自分の体調と相談しながら無理なくおこなっていくことが大切です。

中止基準

糖尿病の方が運動療法をしている際に、体に異変を感じたらすぐに中止する必要があります。指導をしている方が確認できる中止基準は以下のとおりです。

・動悸がする、脈が早い
・胸が痛む、締め付けられる
・関節や筋肉が痛む
・気分が悪くなる
・目がかすむ
・めまいがする
・疲労感がいつもより強い
・低血糖症状

引用:

https://nerima-hosp.or.jp/about_us/hospital/column/rehabilitation/05-2/#:~:text=%E9%81%8B%E5%8B%95%E4%B8%AD%E3%81%AE%E4%BC%91%E6%AD%A2%E5%9F%BA%E6%BA%96&text=%E5%8B%95%E6%82%B8%E3%81%8C%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%81%E8%84%88%E3%81%8C,%E5%90%8C%E6%A7%98%E3%81%AB%E9%81%A9%E5%BF%9C%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

糖尿病の方のリハビリで使える|運動療法の資料はある?

看護師

指導計画の作成もしたが、評価やレスタンス運動と有酸素運動の組み合わせなど、指導に悩みは尽きないかと思います。そのような時に参考にできる資料があると、とても助かりますよね。運動療法を指導する際に参考になる資料を掲載しましたので、ぜひご一読ください。

ガイドライン

糖尿病の運動療法のガイドラインを探す場合には、糖尿病の診断に関するガイドラインを見ることが良いでしょう。参考までに以下のガイドラインがネットでは閲覧できます。看護計画やリハビリに当たる際の参考にしてみてください。

株式会社杏林舎 糖尿病診療ガイドライン2019
http://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/gl/GL2019-04.pdf

パンフレット

糖尿病の運動療法に関して、以下のサイトからパンフレットが閲覧できます。目的や効果を説明する際に参考にしてみてください。

アステラス製薬

https://amn.astellas.jp/content/dam/jp/amn/jp/ja/specialty/diabetes/pdfs/004.pdf


厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000656462.pdf

糖尿病の方の運動療法は禁忌を把握したうえで実践しよう

歩行訓練をする女性とスタッフ

糖尿病の方にとって、快適な生活を送っていくために運動療法は大切です。指導する際には、インスリンの値や表情・体調に注意を払うようにしましょう。最悪の事態を想定することで、実際になってしまった時に素早く対処できます。

また、各患者さんに合わせたメニューの作成は悩ましいかと思います。計画は大変ですが、計画することで患者さんにより充実した生活を送ってもらうことも可能です。ぜひ、さまざまな資料を参考にしながら、より良い指導を心がけていってください。
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