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登録理学療法士とは?取得や更新の方法やメリットについて解説

登録理学療法士とは?取得や更新の方法やメリットについて解説

更新日:2023年08月31日

公開日:2023年08月23日

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頑張るスタッフ

2022年から生涯学習制度がリニューアルし、新しく「登録理学療法士制度」が開始されました。しかし、この登録理学療法士とはどのような制度なのか、どのような方法で取得すればいいのかよくわからない方もいるでしょう。資格を取得するには、以前行われていた「新人教育プログラム」のような研修に参加する必要があります。

この記事では登録理学療法士の制度と取得、更新の方法についてご紹介します。新しい制度について知ることで、登録理学療法士を目指すきっかけにつながるでしょう。

登録理学療法士とは?

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登録理学療法士とはどのような制度なのでしょうか。ここではその概要や他の制度との違いについてご紹介します。

2022年度からリニューアルされた制度

登録理学療法士とは、2022年からリニューアルされた日本理学療法士協会が設けている生涯学習制度です。 登録理学療法士は、理学療法士が生涯にわたって知識・技術を身につけ、専門職としての質を保証するために設けられました。

大学や専門学校の卒業後5年間を義務教育的な位置付けにして、多くの障害を持った患者さんにも対応できるようになる「ジェネラリスト」の育成が目的です。 前期と後期に分かれた研修を修了すると、登録理学療法士の取得が可能です。

新人教育プログラムとの違いは?

登録理学療法士は、「新人教育プログラム」の代わりとなる制度といえるでしょう。これまでは理学療法士の教育制度として、新人教育プログラムが行われてきました。

しかし、2022年の制度のリニューアルをきっかけに、新人教育プログラムの代わりに登録理学療法士に入れ替わることとなりました。登録理学療法士の最短履修期間は5年 と、旧制度よりも長くなっており、学習すべき内容が増えているのが特徴です。また登録理学療法士を取得しても更新をする必要があり、長期的な学習が求められています。

認定・専門理学療法士との違いは?

認定・専門理学療法士とは、特定の分野に対する専門性の高い知識と技術を保有しているスペシャリストのことです。つまり、登録理学療法士の上位の資格という位置付けといえるでしょう。

認定・専門理学療法士を取得するには、まず登録理学療法士に必要な研修の修了が条件です。その後、指定されているカリキュラムの受講や学術研修大会に参加し、認定試験に合格してはじめて取得が認められます。認定・専門理学療法士も登録理学療法士と同じように、5年ごとの更新が必要です。 

出典:生涯学習

登録理学療法士を取得する方法

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登録理学療法士を取得するには、前期・後期の研修を修了する必要があります。ここでは前期・後期の研修内容についてご紹介します。

前期の研修内容

前期では必要に応じて指導を求めつつ、基礎的な理学療法を実践できることを目標としています。座学が22コマ(33時間)、実地が32コマ(48時間)の計81時間で、最短の履修期間は2年間です。 座学と実地の研修内容は以下の通りです。

【座学】 

1. 初期研修
2. 理学療法士の基礎
3. 理学療法士の専門性

【実技】

1. 自施設での実地研修
2. 他施設での見学研修
3. eラーニング
4. 症例検討会の聴講

出典:前期研修の概要

後期の研修内容

後期では多くの領域で標準的な理学療法を臨床で実践しつつ、学生や後輩を指導できることを目標としています。51コマ(76.5時間)の座学に加えて、3年間の実地経験が求められます。そのため、最短の履修期間は3年です。 それぞれの詳細は以下の通りです。

【座学】 

1. 臨床推論
2. 臨床疫学
3. 領域別研修(座学)
4. 関連領域
5. 領域別研修(事例)
6. 領域別研修(育成)
7. 最近の知見

【実地経験】 

実施経験とは、つまり実際に医療機関をはじめとした勤務先で就労している期間です。実地経験とみなすためには、日本理学療法士協会の会員として在籍し、マイページに勤務先を登録する必要があります。

出典:後期研修の概要

新人教育プログラムの進捗状況で必要な研修が変動する

登録理学療法士では、過去に行われた新人教育プログラムの進捗状況によって研修が免除される場合があります。これは2022年よりも前の新人教育プログラムの制度があったときから理学療法士として活動している方が対象です。ここでは前期・後期あるいは研修自体の免除の基準について解説します。

前期のコマ数の変動

新人教育プログラムが未修了の場合は、通常通り前期研修から受講する必要があります。しかし、以下の表のように、取得単位に応じて前期の必要なコマ数が変化します。
新プロの取得単位数必要コマ数
0単位54単位
1〜10単位48単位
11単位以上42単位

研修あるいは後期のコマ数の変動

以下のいずれかの条件を満たしている方は、研修を受けることなく登録理学療法士の取得が可能です。

● 2013年〜2017年度に入会した会員で、新人教育プログラムを修了して220ポイント以上の生涯学習ポイントを取得している
● 2012年度に入会した会員で、新人教育プログラムを修了している

上記の条件を満たしていない方で新人教育プログラムを修了している場合は、前期・後期のコマ数が変動します。前期は一律で32コマとなり、後期は取得した生涯学習ポイントの数によって以下のように変動します。
取得している生涯学習ポイント必要コマ数(後期)
50ポイント未満47コマ
50ポイント以上80ポイント未満43コマ
80ポイント以上110ポイント未満37コマ
110ポイント以上220ポイント未満18コマ
また、コマ数の変動だけでなく、前期・後期の研修を並行して受講可能です。

出典:修了条件
必要コマ 

登録理学療法士を更新する方法

会議風景

登録理学療法士は取得してから5年間の有効期限があり、資格の維持には定期的な更新が必要です。更新に必要な条件は「ポイントの取得」と「更新時の研修の受講」の2つで、詳細は以下の表の通りです。 
 1〜5回目の更新6回目以降の更新
ポイントの取得50ポイント10ポイント
更新時研修の受講必ず受講任意受講
ポイントとは、eラーニングの受講や研修会、学会の参加などによって取得できます。1〜5回目の更新では50ポイント必要で、6回目以降は10ポイントの取得だけで問題ありません。また更新時研修の6回目以降は任意となりますが、協会では基本的には受講を推奨しています。

これらの条件が満たすと自動的に更新が完了されるため、申請手続きは不要です。

出典:登録理学療法士 更新について 

登録理学療法士を取得するメリット

ストレッチをする高齢者とスタッフ

登録理学療法士を取得すると、以下のようなメリットがあります。

1. 理学療法士としての研鑽につながる
2. 認定・専門理学療法士の取得が可能
3. 転職に有利に働きやすい

ここではそれぞれのメリットについて詳しくご紹介します。

1.理学療法士としての研鑽につながる

1つ目は、理学療法士としての研鑽につながる点です。登録理学療法士を取得する過程や、その後も継続的に学習する機会が増えるため、知識や技術を常にアップデートできます。理学療法士として研鑽を積めれば、実際の臨床現場で質の高いリハビリを提供できるでしょう。

またリハビリだけでなく、後輩や実習生に対する適切な指導もできるようになります。このように、登録理学療法士は自身だけでなく周囲のスキルアップも期待できるので、職場の活性化につながります。

2.認定・専門理学療法士を取得が可能となる

2つ目は、認定・専門理学療法士の取得が可能になる点です。認定・専門理学療法士を目指すには、まずは登録理学療法士を取得する必要があります。認定・専門理学療法士を取得すると自身の専門性を確立できるので、キャリアアップには欠かせない資格といえるでしょう。

また特定の分野に対しての知識が豊富なので、リハビリや教育などの多くの臨床場面で役に立ちます。認定・専門理学療法士を目指したい方は、まずは登録理学療法士の取得を目標にしてみましょう。

3.転職時に有利に働きやすい

3つ目は、転職時に有利に働きやすい点です。登録理学療法士を取得していれば、熱心に研鑽を積んでいることをアピールしやすいです。そのため、面接官にとっても好印象を与えるきっかけになり、転職の成功につながります。転職後も信頼性を担保した状態で仕事を行えるので、新しい職場に浸透しやすくなる面もあるでしょう。

このように、登録理学療法士は手間や時間もかかりますが、その分仕事場面でさまざまなメリットを得られます。理学療法士として頑張りたいと思っている方は、ぜひ登録理学療法士の取得を目指してみましょう。

登録理学療法士を取得するうえでの注意点

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登録理学療法士を取得するうえで注意したい点は、以下の通りです。

● 認定・専門理学療法士の更新は別途必要
● 登録理学療法士の更新ができないと認定・専門理学療法士も失効となる

認定・専門理学療法士も5年ごとの更新が必要ですが、これは登録理学療法士とは別の手続きをしなければいけません。 それぞれの資格を保有している方は、更新作業の手間が増えることとなります。

また、認定・専門理学療法士は、登録理学療法士の保有が前提です。そのため、登録理学療法士を更新できなかった場合、認定・専門理学療法士の資格も失ってしまいます。 資格を目指している、あるいは現在保有している方は、これらの点には十分に気をつけましょう。

出典:新生涯学習制度のイメージ(全体)

新しい制度の登録理学療法士について理解しておこう

笑顔のスタッフ

今まで行われていた「新人教育プログラム」の代わりとして、登録理学療法士の制度が生まれました。登録理学療法士には多くの研修の参加と定期的な更新をする必要があるので、理学療法士としての知識・技術のアップグレードにつながります。

取得するのは大変かもしれませんが、学習によって臨床の役に立ったり、その後の認定・専門理学療法士を目指せたりなどのメリットがあります。自身のキャリアアップやリハビリスキル向上のために、ぜひ登録理学療法士の取得を目指してみましょう。
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