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理学療法士に必要な知識とは?養成学校での勉強内容を徹底解説!

理学療法士になるために通う養成学校の勉強内容について詳しく解説しています。学年ごとに勉強する内容や、卒業後の進路は?理学療法士の養成学校に通おうか悩んでいる方は必見です。

更新日:2023年04月06日

公開日:2020年11月11日

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理学療法士養成学校の勉強内容を徹底解説MV

理学療法士になるにはさまざまな知識と技術が必要であり、その知識を取得するためには大学や専門学校などの養成学校に通わなければなりません。
では、養成学校ではどのようなことを勉強し、理学療法士になるための基礎を身につけるのでしょうか。
当コラムでは、理学療法士の養成学校で勉強する内容について詳しく解説しています。
養成学校を卒業した後の進路についてもご紹介していますので、理学療法士の仕事に興味がある方はぜひ参考にしてみてくださいね。

理学療法士が養成学校で勉強する内容とは

ノートに書かれた理学療法士が養成学校で勉強する内容というタイトル.jpg

理学療法士になるには、文部科学大臣または厚生労働大臣が指定する養成校に3年以上通い、国家試験の受験資格を得なければなりません
養成学校には、4年制の大学、3年制の短期大学、3年制または4年制の専門学校があり、高校卒業後最短ルートで理学療法士になるには最低でも3年が必要となります。
通う年数に応じてカリキュラムはそれぞれ異なりますが、基本的に養成学校で学ぶ内容は基礎科目と専門科目を学ぶことから始まり、学年が進むとともに実技の授業や臨床実習を行うという流れになっています。
なお、養成学校のカリキュラムは過去20年間変わらずでしたが、2020年4月よりこれまでのカリキュラムが大幅に改定され、総単位数増加と最低履修時間数の増加が適用されました。
2020年4月から適用された理学療法士になるための必要単位数は101単位以上で、最低履修時間数は3,120時間以上となっています。
多くの養成学校は、3年間もしくは4年間の間にこれ以上の単位と履修時間が習得できるようにたくさんのカリキュラムを設定しているため、資格取得までには数多くの授業や実習を通して理学療法士としての素養を身につけることができます。
理学療法士人口は一定数のところまで増加しており、これからは今までよりも質の高い理学療法士の育成が必要とされています。
これらの状況をふまえ、新たに改定されたカリキュラムによって各養成学校では上記基準を満たすために、より専門性の高い内容を授業に取り入れている傾向にあります。
では、学年ごとに学ぶカリキュラムについて具体的な勉強内容を確認していきましょう。

1年次は基礎科目から

1年次では、どの養成学校もまずは基礎科目から学んでいきます。
作業療法士と共通する内容が多いことから、理学療法士を目指す人だけでなく作業療法士を目指す人と一緒に授業を受けることも多くあります。
基礎科目では、医療・福祉の分野で働く医療従事者として必要な医学・医療の基礎知識を学びます。
具体的には、人間の身体構造を学ぶ「解剖学」や、諸器官の働きを研究する「生理学」、運動の遂行に主要となる骨、関節、筋、神経の構造と機能を学ぶ「運動学」などをはじめ、リハビリテーションと理学療法の基本などがあります。
また、基礎科目のほかに専門科目も学んでいきます。
1年次は基礎科目を中心的に学ぶため、専門科目を勉強する機会はそれほど多くはありませんが、理学療法を学ぶうえで導入科目となる「基礎理学療法学」に基づくさまざまな概論についての授業があります。
なお、1年次での実習は「見学実習」として、医療機関や福祉施設で働く理学療法士の仕事を見学し、理学療法士の役割やリハビリテーションについて1週間学びます。

2年次はより専門性の高い勉強へ

2年次になると、1年次で学んだ基礎科目のなかでもより専門性が高い「運動分析学」や「内科学」、「整形外科学」、「神経学」、「精神医学」などを学ぶようになります。
専門科目は1年次でも学びますが、2年次以降は学ぶ割合がどんどん高くなっていき、患者さんの症状に合わせて評価方法を学ぶ「理学慮法評価学」をはじめ、「地域理学療法」や「理学療法治療学」などを勉強する機会が増えていきます。
また、2年次からは基礎科目と専門科目の授業と並行しながら実習も行います。
一年次では「見学実習」で理学療法士の役割を学びますが、2年次では「評価実習」として7週間、リハビリテーションに関する測定や検査などの体験を通して知識と理解を深めます。

3年次は国家試験に向けて本格的な実習へ

3年次になると、授業のほとんどが専門科目中心となり、また実際に治療を行う「臨床実習」が長期間に渡り実施されます。
専門科目の授業では、国家試験に向けてより本格的な理学療法士の知識と技術を身につけるため、実技の授業も多くなっていきます。
臨床実習では、症状に合わせた評価から実際の治療訓練方法を学ぶ「臨床実習1」と「臨床実習2」があり、臨床実習は全体で計18週間と長い期間を通して実施されます。
臨床実習は学校で授業を受けているのとは違い、病院などの医療機関で理学療法士の指導を受けながら実際に患者さんと関わるため、多くの学生が不安や苦手意識を持つ傾向にあります。
しかし、臨床実習には教科書では学ぶことのできない知識や技術を吸収するという大切な意味があり、患者さんとのコミュニケーションの大切さや、同じ疾患でも症状の特徴に合わせたプログラムの違いを学ぶなど、今後の勉学に活かすことができる貴重な経験ともいえます。
臨床実習の経験は、資格取得後に自身がどのような領域で働きたいかという将来像を決めることにも大きく影響するため、学生生活のなかで最も重要な授業といってもよいでしょう。

4年次は国家試験対策の総仕上げ

4年制の大学や専門学校では、3年制の養成校が2年次、3年次に実施する臨床実習を比較的ゆとりのあるペースで段階的に実施していくことが多く、基礎科目と専門科目の授業と並行しながら4年次で本格的な臨床実習を行います。
臨床実習の内容自体は上記で挙げている3年次の臨床実習と変わりませんが、教員と関わりのある提携病院などでの院内実習が行われるケースもあります。
臨床実習が終了すると、これまで授業や実技、実習を通して学んだことの総仕上げとして国家試験対策がより強化されていきます。
国家試験対策はどの養成校でもほとんどが1年次から行われますが、4年次になると模擬試験や実力テストを受ける頻度も増え、いよいよ国家試験に向けてラストスパートを迎えます。
なお、4年制の養成学校では理学療法士資格の取得を目指すだけでなく、社会福祉主事任用資格や福祉住環境コーディネーターといった関連資格の取得を目指す支援を行っているところもあります。
在学中に関連資格を取得しておくことで、就職先の選択肢や仕事の幅を広げることができるため、より専門性の高い理学療法士を目指すという人にとっては関連資格の取得ができる養成学校は大きなメリットとなるでしょう。

卒業後の進路

線路の写真と卒業後の進路のタイトル.jpg

養成学校卒業後の進路として、理学療法士資格を取得した人の多くは保健医療分野や福祉分野へ就職し、それぞれの分野にて活躍しています。
具体的な就職先の例としては、以下のような施設が挙げられます。

■医療施設:リハビリテーション病院、精神科病院、回復期病院、急性期病院、一般総合病院、整形外科病院、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション など

■福祉施設:介護老人福祉施設、児童福祉施設、障がい者福祉施設 など

■スポーツ施設:運動型機能トレーニング施設、スポーツジム など

■その他:地域包括ケアセンター、保健所 など


一般的には、医療施設や福祉施設での就職が多い傾向にありますが、高齢化が進んでいることでリハビリのニーズはあらゆる分野で高まっています。
国によって取り組みが進む地域包括ケアシステムにおいても、理学療法士の存在は欠かせないものとなっており、市区町村によって運営される地域包括ケアセンターや保健所などで活躍する理学療法士は増えている傾向にあります。
また、理学療法士は身体構造についての知識や怪我の予防に特化した知識を持つことから、プロのスポーツチームに所属し、スポーツトレーナーとして活躍する理学療法士もいます。

まとめ

リハビリをするおばあちゃんと理学療法士.jpg

病気や怪我の治療だけでなく、高齢化が進んでいることによって介護予防という面においても理学療法士の重要は高く、今後ますます活躍する分野は拡大していくことが予想されます。
20年ぶりに理学療法士の養成学校のカリキュラムが大改正されたことでも分かるように、今後の理学療法士に求められることは『質の高さ』です。
これから理学療法士を目指す方は、養成学校でしっかりと勉強をして知識を増やし、実技や実習を通して技術を磨くことがより大切になるでしょう。
理学療法士になるには国家試験に合格するという大きな壁がありますが、養成学校での日々の勉学の積み重ねが自身の将来へと繋がるはずです。
理学療法士の養成校は全国にたくさんありますから、それぞれの特色やカリキュラムをふまえ、自身に将来像に近い勉強ができるところを視野に入れて探してみるのもよいかもしれません。


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