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リハビリテーションマネジメント加算とは?新しく改定された制度を理解しておこう

リハビリテーションマネジメント加算とは?新しく改定された制度を理解しておこう

更新日:2023年02月09日

公開日:2023年02月01日

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車いすの女性とスタッフ

訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションで必要となるリハビリテーションマネジメント加算。この制度は2021年度の介護報酬改定にて内容が変更されており、加算する際はよく要件を確認する必要があります。この記事ではリハビリテーションマネジメント加算の概要や、改定前後のちがいについてご紹介します。

訪問リハビリと通所リハビリのサービスを行っている事業所の運営に重要な内容なので、ぜひこの記事で要点をおさえておきましょう。

リハビリテーションマネジメント加算とは?

リハビリをする男性とスタッフ

リハビリテーションマネジメント加算とは、以下のようなサービスを評価する加算です。

●      サービス利用者の状態や自宅環境を考慮したうえでのプラン作成
●      その人の適切なリハビリの実施
●      評価やプランの見直しによる、より質の高いリハビリの提供

これらは調査(Suvery)、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)の流れで行われます。このサイクルにより、効果的なリハビリを提供する仕組みを作るのがリハビリテーションマネジメント加算です。

リハビリテーションマネジメント加算が可能なサービスは「訪問リハビリテーション」と「通所リハビリテーション」の2種類で、それぞれ内容や条件が異なります。また2021年の介護報酬改定により、新しく内容が変更されました。ここでは改定後のリハビリテーションマネジメント加算の単位数や算定要件について説明します。

リハビリテーションマネジメント加算の種類と単位数

リハビリテーションマネジメント加算は訪問リハビリと通所リハビリでそれぞれ4種類あり、単位数が異なります。ここでは両方の加算の種類と単位数についてご紹介します。

訪問リハビリテーション

訪問リハビリの加算の種類と単位は以下のとおりです。
加算種類単位
リハビリテーションマネジメント加算(A)イ180単位/月
リハビリテーションマネジメント加算(A)ロ213単位/月
リハビリテーションマネジメント加算(B)イ450単位/月
リハビリテーションマネジメント加算(B)ロ483単位/月

通所リハビリテーション

通所リハビリの加算の種類と単位は以下のとおりです。
加算種類単位
リハビリテーションマネジメント加算(A)イ同意日から6か月以内:560単位/月同意日から6か月超:240単位/月
リハビリテーションマネジメント加算(A)ロ同意日から6か月以内:593単位/月同意日から6か月超:273単位/月
リハビリテーションマネジメント加算(B)イ同意日から6か月以内:830単位/月同意日から6か月超:510単位/月
リハビリテーションマネジメント加算(B)ロ同意日から6か月以内:863単位/月同意日から6か月超:543単位/月

訪問リハのリハビリテーションマネジメント加算の算定要件

訪問リハのリハビリテーションマネジメント加算の算定要件

リハビリテーションマネジメント加算(A)イ

医師がリハビリの細かな指示を実施し、その内容を記録・管理している
理学療法士(PT)、作業療法士(OT)または言語聴覚士(ST)が、他の事業所に介護に関する情報提供を行っている
3か月に1回以上スタッフと情報共有を行うリハビリ会議を開き、その内容を議事録にまとめている
リハビリの定期的な評価を行い、内容を適宜変更している
PT、OTまたはSTが利用者や家族にリハビリ計画の説明を行い、同意を得たうえで医師に報告している

これらの条件を満たすと、加算として認められます。

リハビリテーションマネジメント加算(A)ロ

リハビリテーションマネジメント加算(A)ロの算定要件は加算(A)イの条件に加えて、一人ひとりの利用者のリハビリ計画書の内容を厚生労働省に提出。そして返ってきたフィードバック情報を、リハビリに活用していることが求められます。

リハビリテーションマネジメント加算(B)イ

リハビリテーションマネジメント加算(B)イの算定要件は、加算(A)イの内容と大きな変わりはありませんが、利用者や家族へのリハビリ計画の説明が異なります。加算(A)イでは「PT、OTまたはSTが利用者や家族にリハビリ計画の説明を行い、同意を得たうえで医師に報告している」でした。

しかし加算(B)イでは「事業所の医師が利用者や家族にリハビリ計画の説明を行い、同意を得る」となっています。加算(B)イを算定する際は、リハビリスタッフではなく医師が利用者や家族に説明する必要があります。

リハビリテーションマネジメント加算(B)ロ

リハビリテーションマネジメント加算(B)ロでは(B)イと同様の条件に加え、利用者のリハビリ計画書の内容を厚生労働省に提出します。そしてフィードバック情報を受け取り、今後のリハビリに活かすことが求められます。これは加算(A)ロと同じような流れです。訪問リハビリの算定要件は、以下のようなポイントをおさえておくとわかりやすいです。

●      加算(A)と(B)のちがいは「リハビリ計画の説明者がリハビリスタッフか医師か」
●      加算イとロのちがいは「厚生労働省へのリハビリ計画書の提出の有無」

このような特徴をおさえつつ、改定後の加算に対応しましょう。

通所リハのリハビリテーションマネジメント加算の算定要件

通所リハのリハビリテーションマネジメント加算の算定要件

リハビリテーションマネジメント加算(A)イ

医師がリハビリの細かな指示を行い、その内容を記録・管理している
PT、OTまたはSTが、他の事業所に介護に関する情報提供を行っている
リハビリの定期的な評価を行い、内容を適宜変更している
PT、OTまたはSTが利用者や家族にリハビリ計画の説明を行い、同意を得たうえで医師に報告している
リハビリ計画の同意から6か月以内は月に1回、6か月以降は3か月に1回以上スタッフとリハビリ会議を開き、その内容を議事録にまとめている

大まかな内容は訪問リハビリの算定要件と変わりありませんが、リハビリ会議の回数が期間によって変動するのが特徴です。

リハビリテーションマネジメント加算(A)ロ

加算(A)ロも訪問リハビリと同じように、加算(A)イに加えて利用者ごとのリハビリ計画書の内容を厚生労働省に提出します。そしてフィードバックにより共有された情報を活用するのが条件です。

リハビリテーションマネジメント加算(B)イ

加算(B)イも加算(A)イと内容はほとんど変わらず、変更点はリハビリ計画の説明者がPTやOT、STではなく医師という点です。

リハビリテーションマネジメント加算(B)ロ

加算(B)ロも加算(B)イに加えて、利用者ごとのリハビリ計画書の内容を厚生労働省に提出し、受けたフィードバックを活用することが求められます。

まとめると、通所リハビリと訪問リハビリの算定要件は大きく異なるわけではありません。
通所リハビリのみ、時期によってリハビリ会議を行う期間が変動する点には注意しましょう。

出典:令和3年度介護報酬改定における 改定事項について

LIFEとは?

話し合いをするスタッフ

リハビリテーションマネジメント加算(A・B)ロには、リハビリ計画書の内容を厚生労働省へ提出する必要があります。そのときに用いられるのが「LIFE」です。ここではLIFEの概要や導入手順について説明します。

化学的介護情報システムのこと

LIFE(Long term care Information system For Evidence)は、利用者情報を入力して厚生労働省へ送信するシステムで「科学的介助情報システム」ともいいます。情報を送信した後、集約された厚生労働省のデータベースをもとに分析を実施。その後リハビリやケアの改善につながるフィードバックを事業所に送ります。このように、LIFEはサービス改善のためのPDCAサイクルを高速化するのに役立ちます。

LIFEの導入は加算の対象となる

LIFEは、リハビリテーションマネジメント加算(A・B)ロを算定するためには必要なシステムです。その他にもさまざまな加算の対象になっているので、気になる人は「厚生労働省」のページから確認してみましょう。

LIFEを導入する際は、厚生労働省のページから「新規登録」を行います。画面の指示にしたがって必要な項目を入力した後、利用時に必要なハガキが送付されます。そのハガキに記載されているURLやID、パスワードを設定したら、登録完了です。

出典:「科学的介護情報システム(LIFE)」の活用等について
科学的介護情報システム(LIFE)について - 厚生労働省

新しいリハビリテーションマネジメント加算の変更点

リハビリをする患者さんとスタッフ

リハビリテーションマネジメント加算は2021年度より新しく制度が改定されましたが、どのような変更点があったのでしょうか。ここでは、おもな変更点について説明します。

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ・Ⅳ)の廃止

2021年までのリハビリテーションマネジメント加算は「Ⅰ〜Ⅳ」の4種類に分類されていましたが、そのうち「Ⅰ・Ⅳ」が廃止されました。厚生労働省によると、報酬体系の簡略化と加算における負担軽減が目的とされています。「Ⅰ」はもともと以下のような算定要件でした。

●      医師によるリハビリの指示
●      リハビリスタッフによる介護情報の伝達
●      リハビリ計画の定期的な見直し

これらは基本的な部分が多いため、そのまま他の加算の要件として組み込まれることとなりました。また「Ⅳ」も廃止しましたが、加算(B)ロに同じ算定要件が引き継がれています。

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ・Ⅲ)の変更

改定前のリハビリテーションマネジメント加算の「Ⅱ・Ⅲ」は以下のように変更されました。

●      加算(Ⅱ)→加算(A)イ
●      加算(Ⅲ)→加算(B)イ

それぞれ加算要件は変わらず、名称だけの変更です。加算(A・B)イに加えて、LIFEでのリハビリ計画の提出およびフィードバックの活用により、加算(A・B)ロの算定が可能です。この改定は訪問リハビリ・通所リハビリ関係なく、どちらも同様の見直しがされています。

出典:令和3年度介護報酬改定における 改定事項について

リハビリテーションマネジメント加算に関連するQ&A

女性患者さんとスタッフ

ここでは、厚生労働省によるリハビリテーションマネジメント加算に関連するQ&Aをいくつかご紹介します。

(問1)リハビリテーションマネジメント加算(A)及び(B)の算定要件について、「リハビリテーション計画について、利用者又はその家族に対して説明し、利用者の同意を得ること」とあるが、当該説明等は利用者又は家族に対して、電話等による説明でもよいのか。

(答え)
●      利用者又はその家族に対しては、原則面接により直接説明することが望ましいが、遠方に住む等のやむを得ない理由で直接説明できない場合は、電話等による説明でもよい。
●      ただし、利用者に対する同意については、書面等で直接行うこと。


(問8)リハビリテーションマネジメント加算(B)の算定要件にある「医師が利用者またはその家族に対して説明し、利用者の同意を得ること」について、当該医師はリハビリテーション計画を作成した医師か、計画的な医学的管理を行っている医師のどちらなのか。

(答え)
リハビリテーション計画を作成した医師である。

(問25)訪問リハビリテーションでリハビリテーションマネジメント加算(A)又は(B)を算定する場合、リハビリテーション会議の実施場所はどこになるのか。

(答え)
訪問リハビリテーションの場合は、指示を出した医師と居宅を訪問し、居宅で実施する。又は利用者が医療機関を受診した際の診察の場面で実施することが考えられる。


出典:介護保険最新情報Vol.948 令和 3 年3月 23 日 - 厚生労働省

リハビリテーションマネジメント加算の算定までの流れ

女性患者さんとスタッフ

最後に、リハビリテーションマネジメント加算が算定されるまでの流れについて理解しておきましょう。

加算要件を確認する

まずは算定開始したい加算の要件を確認し、基準が満たされているかを確認しましょう。加算の届出の際に、事業所の要件を満たしているのかを詳しく確認することはありません。内容に不正がある場合、届出が取り消されたり、返金対象となったりするケースもあるため、要件の抜けに注意しましょう。2021年度の制度改定のように、今後も加算の種類や要件が変更されることもあるので、定期的な確認が大切です。

届出先と書類を確認する

加算の届出先と必要な書類について確認しましょう。届出先と必要な書類は都道府県(または市区町村)によって異なるので、役所に問い合わせをしてみる、あるいはホームページで確認してみましょう。

算定を開始して報酬の請求をする

届出先に必要な書類を提出して受理されたら、リハビリテーションマネジメント加算の算定を開始します。そして都道府県(市区町村)に介護報酬の請求を行います。加算の不備があると届出の取り消しや返金が求められることがあるので、請求時も注意しましょう。

リハビリテーションマネジメント加算を理解しておこう

リハビリをする患者さんとスタッフ

リハビリテーションマネジメント加算は2021年の改定により、加算の種類や単位数、要件の変更がありました。介護報酬は定期的に改定が行われるため、今後も新しい制度にあわせた体制を整えることが重要です。利用者に質の高いサービスを提供するためにも、制度改定に順応した事業所を運営していきましょう。
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