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あん摩マッサージ指圧師とは?施術の違いや仕事内容について解説

あん摩マッサージ指圧師とは?施術の違いや仕事内容について解説

更新日:2023年03月01日

公開日:2023年03月01日

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マッサージを受ける女性

「あん摩マッサージ指圧師」について興味があるけど、どんな仕事なのかイマイチわからない方は多いのではないでしょうか。あん摩マッサージ指圧師とは、あん摩やマッサージ、指圧によって身体の不調を整える職業です。この記事ではあん摩、マッサージ、指圧師の違いや、具体的な仕事内容についてご紹介します。この記事を読めば、あん摩マッサージ指圧師についての理解が深まり、仕事をするための道筋が明確となるでしょう。

あん摩・マッサージ・指圧とは?

マッサージする手

あん摩、マッサージ、指圧とは、患部に対して行われる昔からの医療行為で、そこから発展させた施術法です。普段わたし達もお腹が痛かったり、肩が凝ったりするときに、手でさする、肩を揉むなどをすると思います。そのような自然に行われている行為こそが、あん摩やマッサージの原点といえるでしょう。この医療行為を突き詰めていくなかで「あん摩・マッサージ・指圧」などの手技に分かれていったのです。

あん摩とマッサージと指圧の違い

はてなマークと虫眼鏡

あん摩、マッサージ、指圧は同じような施術法と思われますが、それぞれの起源や方法が異なります。ここでは、3つの施術法の違いについて解説します。

あん摩は中国で生まれた施術法

あん摩は、中国で生まれた施術法です。あん摩では「押す・もむ・たたく・さする・なでる」などの手技をうまく使い分けて施術を行います。

心臓から遠ざかる方向へあん摩を行い、筋肉に刺激を入れることで、疲労や肩こり、頭痛といった身体の不調の治療・改善を目指します。日常で行われる、子どもが親に肩たたきをする行為もあん摩による施術といえるでしょう。

マッサージは西洋で生まれた施術法

マッサージは西洋を起源とした施術法です。マッサージはあん摩とは異なり、心臓に向かって身体に刺激を与えるのが特徴です。皮膚を直接さすり、血液やリンパ液の循環を促すことで新陳代謝の活性化につなげます。マッサージによって、循環器系や消化器系などの疾患の改善が期待されています。

その他にも、マッサージは次第に内科や整形外科などのさまざまな分野でも応用されるようになりました。日本にマッサージが伝わったのは明治時代あたりといわれており、以降は多くの医療機関で医療行為として導入されています。

指圧は日本で生まれた施術法

指圧は日本で生まれた施術法で、あん摩から発展したとされています。あん摩だけでなく、武術や関節のメカニズムなどの知識・技術も取り入れてできたものが指圧術です。筋肉やツボを押して圧力を加えることで身体を調整し、健康保持・増進を図ります。

またゆっくり押したり、速く押したりなど、指圧にもさまざまな手技があります。指圧術は日本だけでなく海外でも広く知られるようになり、現在では世界的に行われている施術法といえるでしょう。

このように、それぞれの施術の起源や方法は異なりますが、どれも目的は共通していることがわかります。

あん摩マッサージ指圧師とは?

マッサージするスタッフ

あん摩マッサージ指圧師とは「あん摩・マッサージ・指圧」などの手技を使って、相手の身体的な不調の改善を目指す職業です。手技を中心とした施術なので、器具を利用せずに治療を行います。また脱臼や骨折などを除いて、医師の指示・処方がなくても施術を行えるのが特徴です。あん摩マッサージ指圧師は国家資格でもあり、資格の取得には国家試験を合格する必要があります。

あん摩マッサージ指圧師になるには?

メモをとりながら話を聞くスタッフ

あん摩マッサージ指圧師は国家資格なので、誰もがすぐになれるわけではありません。ここではあん摩マッサージ指圧師になるための流れについて解説します。

学校・養成施設で3年間以上勉強する

あん摩マッサージ指圧師になるには、まず専門学校や大学などで3年以上勉強しなければいけません。[1] 学校・養成施設では生理学・解剖学など、あん摩マッサージ指圧師として必要な科目を中心に学びます。座学だけでなく実技や実習も行い、実際に施術を行えるような技術の獲得を目指します。

あん摩マッサージ指圧師の資格を取得するための「通信講座」はありません。しかし夜間部のある専門学校もあるので、日中仕事をしている方はおすすめです。なかには鍼(はり)や灸(きゅう)を用いて治療を行う「鍼師・灸師」の資格を同時に取得できる学校もあります。

国家試験に合格して資格を取得する

学校・養成施設で知識や技術を学んだ後は、国家試験に合格して資格を取得します。国家試験は毎年2月に行われ、内容はマークシート方式の筆記試験です。国家試験の内容は解剖・生理学やあん摩マッサージ指圧理論など、学校で勉強した科目全般から出題されます。

令和4年に行われた国家試験では、合格基準は「合計160点満点のうち、96点以上」でした。受験者数や合格率などは以下の通りです。

●     受験者数:1,278名
●     合格者数:1,082名
●     合格率:84.7%[1] 

出典:第30回あん摩マッサージ指圧師 - 国家試験合格発表 - 厚生労働省

あん摩マッサージ指圧師として就職する

国家試験の合格発表は、同年3月ごろに行われます。合格したらあん摩マッサージ指圧師の資格の取得が可能となります。就職先を探して、あん摩マッサージ指圧師としての一歩を踏み出しましょう。

あん摩マッサージ指圧師の仕事について

骨の模型とスタッフ

実際にあん摩マッサージ指圧師は、どのような仕事なのでしょうか。ここでは仕事の内容や給料などについて深堀りしていきます。

あん摩マッサージ指圧師の仕事内容

あん摩マッサージ指圧師は、肩こりや腰痛などの不調を抱えている患者さんに施術を行い、症状の改善を図ります。また施術を行う前に、どこが不調の原因なのかを明確にするために問診や検査なども行います。「いつから痛みが出たのか」「どのような動きで痛いのか」「症状が悪化していないか」などを評価し、根本的な原因を抽出することが重要です。

その他にも、就職先によっては仕事の内容が大きく変化することもあるでしょう。たとえば、スポーツトレーナやアスリートのサポート役として就職した場合、ケガ防止としての身体調整を中心に行うケースもあります。

あん摩マッサージ指圧師のおもな職場

あん摩マッサージ指圧師として仕事ができる職場は幅広く、さまざまな場所で活躍ができます。おもな職場は以下の通りです。

●     治療院
●     病院
●     介護施設
●     スポーツ分野

あん摩マッサージ指圧師は治療院や病院に就職する割合が多い傾向にあります。病院ではリハビリチームのスタッフとして、理学療法士や作業療法士と一緒に患者さんの施術を行います。臨床で経験やスキルを積み重ねた後、独立して自分の治療院を開設する方もいるでしょう。

老人ホームやデイサービスなどの介護施設では「機能訓練指導員」の配置を求められるケースがあります。あん摩マッサージ指圧師はその指導員の条件を満たしているので、介護・福祉の場でも求められています。

あん摩マッサージ指圧師の給料

令和3年の厚生労働省の調査によると、あん摩マッサージ指圧師の平均年収は「約423万円」といわれています。この額を毎月の給料に換算すると、約35万円です。全体の給与所得者の平均年収が「433万円」といわれているので、一定の給与水準が確保されていることがわかります。

勤務先や経験年数、技術力などによって給料は大きく異なるので、あくまでも目安として捉えておくとよいでしょう。また、開業をして経営がうまくいっている場合、年収は大きく跳ね上がる可能性もあります。

出典:あんまマッサージ指圧師 - 職業情報提供サイト - 厚生労働省
 令和2年分 民間給与実態統計調査 - 国税庁

あん摩マッサージ指圧師に向いている方

マッサージをする様子

あん摩マッサージ指圧師に向いている方は、以下の特徴があります。

1.コミュニケーションが得意
2.緊張させない環境を作れる
3.体力や力がある
 
それぞれを詳しく解説します。

1.コミュニケーションが得意な方

1つ目が、コミュニケーションが得意な方です。あん摩マッサージ指圧師は接客業でもあるため、技術だけでなくコミュニケーションスキルも求められます。相手の悩みをうまく傾聴できないと、身体のどこに不調の原因があるのかが見つかりにくくなります。

また施術の際に相手がどのように感じているのかを察知できず、痛い思いをさせてしまう恐れもあるでしょう。コミュニケーションスキルは施術中だけでなく、お互いの信頼関係を作るためにも必要な要素です。普段から会話が好きな方は、あん摩マッサージ指圧師に向いているかもしれません。

2.緊張させない環境を作れる方

2つ目は、相手を緊張させない雰囲気・環境を作れる方です。緊張すると筋肉が固まりやすく、あん摩マッサージ指圧の効果を妨げる恐れがあります。施術の効果を高めるためにも、緊張をほぐして身体をリラックスさせられるような対応が求められます。

これはコミュニケーションにも関連しており、やさしい話し方や相手に寄り添った対応が重要です。開業をしている方の場合、施設環境を整えて心身が癒されるような空間を作ることも必要です。

3.体力や力がある方

3つ目は、体力や力がある方です。あん摩マッサージ指圧師は機器を使用せずに手や腕で施術を行うため、肉体労働の側面があります。1日に何人もの相手に施術を行うには、それなりの体力・力が求められます。

しかし、仕事を続けていくうちに自然と体力や力がつく方も多いでしょう。体力に自信がないからといって、あん摩マッサージ指圧師を諦める必要はありません。

あん摩マッサージ指圧師と似ている職業

人体の模型とスタッフ

身体に施術を行う職業はあん摩マッサージ指圧師だけではありません。ここでは、あん摩マッサージ指圧師と似ている職業についてご紹介します。

鍼灸師

鍼灸師とは「鍼(はり)」と「灸(きゅう)」を用いて治療を行う職業です。身体のツボや筋肉に刺激を入れることで、本来の治癒能力を高めたり、病気を改善したりすることを目的としています。鍼灸師は厳密には「はり師」と「きゅう師」という2種類の職業であり、どちらも国家資格です。なかには、あん摩マッサージ指圧師と鍼灸師のカリキュラムを同時に受講でき、3つの国家資格を取得できる学校もあります。

整体師

整体師とは、手や腕による施術で身体の関節・骨格の歪みの改善を目指す職業です。内容はあん摩マッサージ指圧師と似ていますが、大きな違いとして整体師は国家資格ではない点です。整体師は資格がなくても仕事を行えますが、その分できることに制限が設けられています。たとえば、施術に保険が適用されない、あん摩、マッサージ、指圧を用いた施術を行えないなどがあげられます。

また国家資格が不要といっても、仕事には専門的な知識が求められるので、未経験で働くのはむずかしいでしょう。あらかじめ専門のスクールに通ったり、整体師として有利に働く資格を取得したりすることが大切です。

柔道整復師

柔道整復師は、事故やケガによって生じた身体の不調に対して施術を行う職業です。以下の施術によって治療を行います。

●     電気療法
●     温熱療法
●     包帯による固定
●     テーピング
●     徒手療法

あん摩マッサージ指圧師との違いとして、柔道整復師はケガに対して施術を行う点です。柔道整復師も国家資格なので、学校・養成施設に入学して国家試験に合格する必要があります。

理学療法士・作業療法士

理学療法士・作業療法士は、ケガや病気によって身体機能に支障が出た患者さんにリハビリを行う職業です。おもに以下のリハビリを行い、患者さんの身体機能の改善を図り、日常生活を送れるようにサポートします。

●     運動療法
●     物理療法
●     動作指導

あん摩マッサージ指圧師と同じように国家資格であり、ときにはリラクゼーションを目的としたアプローチを行うこともあるでしょう。しかし運動を中心に行い、低下した身体機能の改善を目指すのがおもな役割なので、仕事内容は大きく異なるといえます。理学療法士や作業療法士は病院や介護施設などの機関で仕事をすることが多く、他の医療職と連携しながらリハビリを行っています。

あん摩マッサージ指圧師の仕事についておさえておこう(まとめ)

笑顔のスタッフとお客さん

あん摩マッサージ指圧師はそれぞれの手技を用いて施術を行う職業であり、仕事をするには国家資格の取得が必要です。整体師や柔道整復師など、仕事が似ている職業もありますが、深掘りするとそれぞれ役割が異なっていることがわかります。他の職業との違いを十分に把握したうえで、あん摩マッサージ指圧師の仕事に興味を持った方は、ぜひ資格の取得を目指してみましょう。
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