変形性膝関節症のリハビリでは何をする?自宅で行う方法や参考文献についてもご紹介
変形性膝関節症のリハビリでは何をする?自宅で行う方法や参考文献についてもご紹介
更新日:2023年03月30日
公開日:2023年03月30日

歩行時に痛みが出る、変形性膝関節症。歩行や日常生活でも痛みが出ることが多い病気です。実際の患者さんを見ると、なんとか痛みを和らげたいなと思いますよね。
今回は、変形性膝関節症で悩んでいる方に向けてリハビリの方法や参考になる文献についてご紹介します。ご家族で悩んでいる方や担当している患者さんのリハビリで悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
変形性膝関節症のリハビリのプログラムとは?
変形性膝関節症では、日常的にリハビリをしていくことで痛みが軽減します。そのため、病院やリハビリテーションセンターでは、患者さんの状態に合わせてプログラムを組んでいきます。
ここでは、どのようなリハビリのプログラムを組まれることが多いのか、その概要について解説していきます。
リハビリで行う理学療法とは?
変形性膝関節症のリハビリで行う理学療法は主に3種類です。運動療法・徒手療法・物理療法の3種類がリハビリでおこないます。以下はそれぞれの方法の概要と目的です。
運動療法…膝関節を含めてさまざまな関節や身体全体に対して適切な運動を習得する。
徒手療法…理学療法士の手によって直接おこなわれ,関節の動きの改善や筋肉の柔軟性などの機能の改善を図る。
物理療法…機器を用いて、痛みを和らげたり、筋肉の活動を高める。温熱・電気刺激・超音波などがある。
物理療法と徒手療法は病院や理学療法士がいないとできない療法です。そのため、自宅でリハビリをする場合は、導入しやすい運動療法をしていくのが良いでしょう。
期間
変形性膝関節症のリハビリは、症状のグレードによって変化します。程度によりますが、変形性膝関節症は手術をしたのちに、リハビリをしていきます。おおよそ3カ月はリハビリで通院するケースが多いようです。変形性膝関節症は主に3つの期間によって分けられます。
初期…立ち上がり、歩きはじめなど 動作の開始時のみに痛む。保存療法や装具療法などで治療する。
中期…正座や階段の昇り降りが困難。関節鏡手術や高位脛骨骨切り術をする。
末期…安静時でも痛い。関節の変化が目立つ、膝が伸びにくい、歩くのが困難。人口置換関節手術をする。
効果
変形性膝関節症のリハビリは、運動療法・徒手療法・物理療法どの方法も効果があります。ただし、先ほど紹介した変形性膝関節症のグレードや状態によって、どの療法が良いかは変化します。
大切なことは、医療機関で診断してもらい自分の病気の症状を把握することです。自宅でリハビリを行う際も、主治医と相談しながらしていくことで効果が期待できます。リハビリをする際には、まずは医療機関に受診してからやっていくようにしましょう。
変形性膝関節症のリハビリで気を付ける注意点とは?
変形性膝関節症では、治療者が患者さんの症状を把握することが大切です。適切に評価することで、効果的なリハビリを実施でき症状の早期回復が期待できます。そのためには、禁忌や評価の注意点を意識することが大切です。ここでは禁忌や評価方法について紹介します。禁忌とは?
変形性膝関節症では、膝を深く曲げる動作は禁忌とされています。変形性膝関節症は運動療法をすることで症状の改善が見込まれますが、間違った運動をしてしまうと炎症を悪化させる恐れがあります。特に以下の運動については注意してください。
・サッカー・バスケ・テニスなど膝の負荷が強い運動
・間違った姿勢の運動療法(スクワットなど)
・膝に痛みが出る動作(正座など)
評価方法について
変形性膝関節症では、さまざまな点を考慮して状態を評価しないといけません。以下の理学療法評価を参考に士ながら、リハビリの計画を立てて行くと良いでしょう。
・器質的変化の把握 →X線・レントゲンなど検査での状態把握
・理学所見(主観的評価)→問診による疼痛の評価など
・理学所見(客観的評価)→周径の測定や圧痛などさまざまなテストによる評価
兵庫県理学療法士協会からは、変形性膝関節症の評価チャートが出ています。そちらを参考して、患者さんの症状を把握していくこともおすすめです。
▼参考資料:変形性膝関節症評価チャート
{ https://hyogo-pt.or.jp/pdf/KNEE_OA.pdf }
自宅でできる変形膝関節症のトレーニングとは?
変形性膝関節症では、自宅でもできるリハビリ方法があります。実際にリハビリするには、自分の変形性膝関節症を理解している医療機関に相談して、効果があるかどうかを確認することが必要です。そのうえで、次に紹介する方法をぜひ試してみてください。
今回自宅でもやりやすい参考になる動画や高齢者でもできるトレーニングについて解説します。
リハビリで参考になる動画は?
リハビリで参考になる動画は、「ひざ関節症クリニック」の動画がおすすめです。ひざの治療に特化している医療機関で、内転筋や大腿四頭筋などひざの周辺のリハビリについて、自宅でもできる方法を紹介しています。リハビリ以外の動画も参考になるので、ぜひ参考にしてみてください。
▼参考動画:「ひざ関節症クリニック[変形性膝関節症・医療法人社団活寿会]」
{ https://www.youtube.com/@kneejoint/videos }
高齢者でもできるトレーニングは?
高齢者の方でもできるトレーニングは、日本理学療法士協会が出しているハンドブックを参考にすると良いでしょう。こちらのハンドブックはネット環境があれば、誰でも閲覧できます。リハビリも1種類ではなく、さまざまな種類のリハビリ方法が乗っているので、ぜひ一連の流れを試してみてください。
▼参考資料:「理学ハンドブック」へ
{ https://tinyurl.com/2hq6fmwc }
変形性膝関節症のリハビリで参考になる文献とは?
変形性膝関節症の方を治療していく場合、症状の把握や治療の計画を立てるのが悩ましいかと思います。特にリハビリを進めているのになかなか痛みが取れない方などは今一度原因を突き止めていかないといけません。
ここでは理学療法士の方に向けて、より専門的な知識を深めるための参考文献やガイドラインについてご紹介します。これらを参考にして日々の治療にぜひ役立ててみてください。
参考になる論文や文献はある?
リハビリの際に参考になる変形性膝関節症の文献や論文は数多くあります。実際にリハビリで使っていく場合にはイラスト付きや図解付きの文献がおすすめです。保存療法や運動療法など種類によって参考文献は変わります。口コミが良かった代表的なものを載せておきますので、参考にしてみてください。
参考図書:アマゾンへ{ 変形性膝関節症の保存療法 }
参考図書:アマゾンへ{ 園部俊晴の臨床『膝関節』 }
参考図書:アマゾンへ{ 変形性膝関節症の運動療法ガイド―保存的治療から術後リハまで }
ガイドライン
体系的に変形性膝関節症を理解したい場合には、ガイドラインを読むことをおすすめします。現在、ネットでは日本理学療法学会連合から「理学療法ガイドライン第1版」(2011)が閲覧できます。その中に変形性膝関節症の項目があるためそちらを確認すると良いでしょう。
以下は理学療法ガイドライン第1版全体と変形性膝関節症のPDFです。ぜひ理学療法士の方は日々の臨床の参考にしてみてください。
全体版
https://www.jspt.or.jp/guideline/1st/
変形性膝関節症
https://www.jspt.or.jp/upload/jspt/obj/files/guideline/11_gonarthrosis.pdf
医療と連携して無理なくリハビリを
変形性膝関節症は人によって症状が変化します。その分1人1人の状態を評価して適切なリハビリをしていくことが欠かせません。そのためには、普段治療している理学療法士や家族の方々が重要になってきます。
特に患者さんはリハビリの期間が長引くと不安が強くなります。その不安をとりのぞけることができるのは、近くで接している方々です。ぜひ相談に乗りながら患者さんと一緒に伴奏していってください。
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