理学療法士はもうオワコン?その理由や働き続けるためのポイントを解説
理学療法士はもうオワコン?その理由や働き続けるためのポイントを解説
更新日:2024年01月11日
公開日:2024年01月10日
「理学療法士はオワコン」とよくいわれますが、それは本当なのか気になる方はいるのではないでしょうか。理学療法士は給料が安い傾向にあり、職場によっては仕事が忙しいため、ストレスが溜まりやすいと感じる方もいるでしょう。しかし、理学療法士がオワコンかどうかは一概にいえず、その方の環境次第で変化します。
この記事では理学療法士がオワコンといわれる理由や、今後働き続けるためのポイントなどについてご紹介します。理学療法士の現状を把握し、今後どのような働き方をすれば良いかをみていきましょう。
目次
理学療法士はオワコンなの?
実際に理学療法士はオワコンなのでしょうか?結論から述べると、理学療法士がオワコンかどうかはその方の環境次第によって変わります。一概に理学療法士を「オワコンだ」「オワコンではない」と言い切ることはできません。たしかに、「理学療法士はもうオワコン」という声がよくあがっていますし、それを裏付けるような事実も存在しています。
しかし、職場やワークスタイルによっては、理学療法士として楽しく働いている方もたくさんいるでしょう。周囲の意見に耳を傾けることは大切ですが、それ以上に自分がどう感じているのかを優先し、オワコンかどうかを判断してみてください。
理学療法士がオワコンといわれる5つの理由
理学療法士がオワコンかどうか一概に言い切れないものの、それを裏付ける理由があります。
その理由は以下の5つです。
1.制度の関係で給料が上がりにくい
2.理学療法士の数が年々増加している
3.スキルが給料に反映されにくい
4.仕事が忙しい
5.力仕事も多く、長く働き続けられないことも
ここではそれぞれの理由について詳しく解説します。
1.制度の関係で給料が上がりにくい
1つ目は制度の関係で給料が上がりにくい点です。理学療法士はリハビリによって報酬を得ていますが、その単位数には限りがあります。さらにリハビリによる料金は国によって定められているので、理学療法士で稼げる額には限界があるのです。
その料金も一定ではなく今後下がる可能性もあるため、給料が上がるどころか、むしろ下がってしまう恐れもあります。なかには「理学療法士として1年勤務したときの昇給額が1,000円だけだった」というケースもあるでしょう。
2.理学療法士の数が年々増加している
2つ目は、理学療法士の数が年々増加している点です。国家試験に合格して理学療法士の免許を取得した方は、年々右肩上がりに増加傾向にあります。2012年度の国家試験合格者が約10万人であるのに対して、2022年度の合格者はその2倍の約20万人とされています。
このことから、いかに理学療法士の国家試験の合格者数が増えているのかがわかるでしょう。理学療法士の数が増えれば需要に対する供給量も追いつくようになるので、希少性が下がり、給料も低下する原因となります。また、今後も理学療法士が増えると就職が難しい状況となる可能性もあります。
出典:統計情報|協会の取り組み
3.スキルが給料に反映されにくい
3つ目は、理学療法士としてのスキルが給料に反映されにくい点です。理学療法士は先ほど解説したように、給料が上がりにくい職種といえます。そのため、どんなに理学療法士としてのスキルを高めて成果を出したとしても、それが給料に反映されることはほとんどありません。
役職につかない限り、新人とベテラン理学療法士を比べても給料はほとんど変わらない場合もあるでしょう。研修や勉強をしてリハビリの研鑽を積んでも給料に反映されないとなると、モチベーションが低下する原因となります。
4.仕事が忙しい
4つ目は、仕事が忙しい点です。理学療法士はリハビリだけでなくカルテの記入や書類業務、部署内の係の仕事など、やることがさまざまです。日中はリハビリ業務で忙しいので、それ以外は昼休みか仕事終わりに着手することとなります。
その結果、仕事が終わらずに残業が増えて毎日夜遅くまで残っている、という方もいるのではないでしょうか。「仕事が忙しいのに給料が上がりにくい」という現状に疲れてしまい、理学療法士を辞めたくなる方も珍しくありません。
5.力仕事も多く、長く働き続けられないことも
5つ目は力仕事が多いために、長く続けられるかわからない点です。理学療法士は患者さんの歩行や移乗、立ち上がりなどを介助する機会も多いため、ある程度の力も求められます。若いうちは大丈夫かもしれませんが、年齢にともなって体力が落ちていくと、このまま続けられるか不安に思う方もいるでしょう。
また、力仕事が多いことで、腰痛や関節の痛みなどに悩まされるケースも多いといえます。そのような職場環境のなかで、定年まで働けるほど体力が続く保証はありません。
理学療法士はオワコンではない?働くメリットとは
理学療法士はオワコンといわれる理由を解説しましたが、その一方でメリットももちろん存在します。ここでは、理学療法士として働くメリットについて解説します。
国家資格だから安定した仕事ができる
理学療法士は国家資格なので、仕事を安定して確保できます。理学療法士の数が増えているといっても、高齢化社会である今、すぐに仕事がなくなることはないでしょう。国家資格がある限りは仕事に困らないので、一定の収入を見込めるメリットがあります。
たとえば、一時的に理学療法士をやめて他の仕事をしたとしましょう。その仕事がうまくいかずにやめたとしても、理学療法士として復帰することは十分に可能です。また、正社員ではなくとも非常勤での募集も多いため、柔軟な働き方もできます。
さまざまな職場で活躍できる
理学療法士のスキルを活かせる場所は幅広く、さまざまな職場で活躍が期待できます。病院やデイケア、老健などの施設だけでなく、教員や研究などの分野でも仕事をしている理学療法士もいます。またスポーツ領域にて、アスリートのサポートをしたり、若い世代の方達に運動を教えたりする理学療法士もいるでしょう。
介護福祉や医療機器に携わる企業に転職し、理学療法士としての経験を活かして活躍する方も珍しくありません。このように、理学療法士は臨床だけでなくさまざまな場面で需要があることがわかるでしょう。
利用者さんや患者さんに感謝されやすい
理学療法士は患者さんに感謝されやすい職業でもあり、やりがいや貢献感を持ちやすいのも魅力の1つです。理学療法士はリハビリを提供する仕事なので、患者さんは経過によって身体機能がよくなる傾向にあります。そのため、「リハビリのおかげで良くなった」「歩けるようになったのは○○さんのおかげ」と感謝されることも多いでしょう。
また、理学療法士は他の医療職よりも身体機能の経過についてよく理解しています。患者さんが次第に良くなっている姿をみると、より達成感を得られます。このやりがいや貢献感があるからこそ、「理学療法士でよかった」と思う方もいるのではないでしょうか。
理学療法士がオワコンと呼ばれるなかで働くためのポイント
理学療法士がオワコンと呼ばれるなかで、今後どのような働き方をすれば良いのでしょうか。ここでは、理学療法士が今後を生き残るうえでおさえておきたいポイントを解説します。資格の取得で専門性を高める
理学療法士に有利な資格を取得して、専門性を高めることが大切です。専門性を高めることで理学療法士としての希少性が高まり、今後の仕事や転職活動で有利となります。
理学療法士と親和性の高い資格はさまざまで、とくに代表的なのは「認定・専門理学療法士」です。認定・専門理学療法士は特定分野のスペシャリストであることを証明するもので、理学療法士の上位資格のような位置付けにあります。
なかには資格の取得によって手当をもらえる職場もあるので、給料面でも優遇される可能性は十分にあります。特定の分野に興味がある方は、ぜひ資格の取得を目指してみましょう。
好条件の職場へ転職する
条件の良い職場への転職を検討するのも1つの手段です。給料面や職場環境に不満があると、理学療法士として働くことが辛くなり、心身ともに疲れてしまう恐れがあります。オワコンといわれる理学療法士ですが、それでも好条件で働きやすい職場はたくさんあります。
転職によってやりがいが生まれたり、給料面が安定したりするケースは十分にあるでしょう。今の職場に不満を持っている方は、ぜひ転職を検討してみてください。
副業をして別のスキルを獲得する
今後のために、副業をして理学療法士とは別のスキルを獲得するのもおすすめです。
副業には以下のようなさまざまな種類があります。
●ブログ
●Webライター
●せどり
●動画編集
●オンライン秘書
別のスキルを新たに身につけることは簡単ではありませんが、副業を続けることで仕事の幅が広がるきっかけとなるでしょう。その他にも、訪問リハビリやスポーツトレーナーなど、理学療法士としてのスキルを活かした副業もあります。「収入の柱を増やしたい」「新しいスキルを手に入れたい」と思っている方は、ぜひ副業も検討してみましょう。
開業する
独立して開業する方法もあります。開業して経営が波に乗れば、今まで以上の収入を得られるきっかけになります。反対に、経営がうまくいかないと赤字になるリスクもあるので、計画的な事業戦略を立てることが大切です。
また、理学療法士には開業権がなく、単独でリハビリを提供できない点に注意しましょう。理学療法士の経験を活かして開業する場合、整体院やデイサービスなどが候補としてあげられます。自分だけの力で収入を得たいと思っている方は、開業としての働き方も勉強してみましょう。
オワコンと呼ばれる理学療法士をやめるべきか?
「理学療法士がオワコン」といわれると、やめるべきか考える方もいるでしょう。しかし、そのような簡単な気持ちで理学療法士をやめると、後々後悔する可能性が高まります。
現状の仕事に悩んでいる場合は、以下のような選択をしてみましょう。
●自分の悩みを洗い出す
●仲の良い先輩や同僚に相談してみる
●転職してみる
●副業してみる
自分が何に悩んでいるのかを深堀りしたうえで、それが理学療法士をやめることで解決できるのかをよく考えてみましょう。信頼のおける方に相談すれば、新しい解決法が生まれることもあります。また、金銭面で悩んでいる場合は、転職や副業によって解決できるケースもあります。
このように、悩みの理由を明確にして、今できることをしたうえで理学療法士をやめるか考えてみましょう。
理学療法士がオワコンかどうかはその方の状況次第
理学療法士がオワコンと呼ばれる理由は給料面や人数の増加など、さまざまなものがあげられます。しかし、職場によっては待遇や環境が良い場所もあるので、理学療法士すべてがオワコンとは言い切れません。今後理学療法士として働き続ける場合は、専門性を高める、他のスキルを獲得するなどの対策をすることが大切です。理学療法士をやめたいと思っている方であれば、その悩みを具体化して、他の対応策がないかを考えたうえで決めましょう。関連ジャンル
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