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鎖骨骨折のリハビリはどんな内容?メニューやよくある疑問についてもご紹介

鎖骨骨折のリハビリはどんな内容?メニューやよくある疑問についてもご紹介

更新日:2023年06月05日

公開日:2023年06月05日

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女性の肩や腕の様子を確かめるスタッフさん

ラグビーや柔道をする方など、鎖骨骨折は多くの方が体験している骨折です。転倒や衝撃が加わっても骨折するため、子どもから高齢者まで幅広い方が体験しています。一般的には手術療法や保存療法をしますが、「手術はしたけど、思ったように動かない」「家でもできることはないかな」という方もいらっしゃるかと思います。

 今回は鎖骨骨折をした方に向けて、鎖骨骨折のリハビリの概要や家でもできるリハビリについてご紹介します。ぜひ、ご自身の今後のリハビリの参考にしてみてください。

鎖骨骨折のリハビリはいつから始まる?概要について説明

肩回りのレントゲン写真

鎖骨骨折をした場合、大きく分けると2つの方法を使って治療していきます。個人の状態によって違いますが、骨折をしてから安静を保ちつつ、治療を進めていきます。今回は、鎖骨骨折をした場合のリハビリの概要についてご紹介します。

内容

鎖骨骨折した場合の治療方法は大きく分けると2種類あります。手術をして元の生活を取り戻す「手術療法」とそれ以外の治療法でおこなう「保存療法」です。

 鎖骨骨折をした場合の保存療法としては、主に可動域を広げていく理学療法、関節を支えるための筋肉を育てる運動療法、鎖骨バンドで固定して骨の治癒を目指していく方法など、さまざなな方法が使われます。

 骨のずれが少ない、まだ年齢が幼い子どもの場合は「保存療法」がおこなわれることが多いです。一方で、骨のずれが大きく、損傷が激しい場合はプレートをつける「手術療法」が実施されます。

骨折理由

鎖骨骨折が起きる理由としては、スポーツ外傷、転倒、交通事故が挙げられます。小児など年齢が低い場合には、スポーツ外傷や交通事故などが多くあります。比較的年齢が低い方に多いのも特徴的です。

 スポーツ外傷の場合は、ラグビーや柔道など接触が多いスポーツで起こります。折れた瞬間に音が鳴ることもあるため、比較的折れたことが気づきやすい骨折です。

種類

鎖骨骨折は骨折した部位によって3種類に分けられます。主に一番頻度が高いのが、鎖骨骨幹部骨折です。また、それ以外の種類も読みづらい名前が多いため、よく読み方が聞かれます。以下が、その3種類です。

鎖骨近位端骨折(さこつきんいたんこっせつ)…胸骨(胸の骨)の部分に近い骨折。
鎖骨骨幹部骨折(さこつこっかんぶこっせつ)…中央部分に起こる骨折。頻度が最も多い骨折
鎖骨遠位端骨折(さこつえんいたんこっせつ)…肩に近い鎖骨部分の骨折。
骨格を説明する図

「出典 東大阪病院:https://www.yurin.or.jp/emergency-department/upper_limb_fracture/upper_limb_fracture1/5291.html

高齢者でも簡単|家でもできる鎖骨骨折のリハビリメニュー

腕を伸ばすストレッチをする夫婦

鎖骨骨折の回復を早めていくためには、リハビリは欠かせません。しかし、鎖骨骨折も症状のレベルは違うため、安静を必要とする場合など、個々の状況によってはリハビリをしない方が良い期間もあります。

 ここでは、主に高齢者の方でもしやすい修復初期にできるリハビリと、ある程度肩関節が動けるようになった修復中期におこなうリハビリに分けてご紹介します。ただし、実施する際には、自分の鎖骨骨折の評価をすることが大切ですので、必ず担当医に相談してから実施するようにしましょう。

リハビリ方法

修復中期の場合のリハビリでは、肩関節の可動域訓練や回旋筋腱板のトレーニングが有効です。ここでは、肩関節の可動域訓練のリハビリ2種類と回旋筋腱板のリハビリ1種類をご紹介します。

「肩関節の外旋運動」

肩関節の外旋運動の図

引用:https://jishu-tre.online/%e8%82%a9%e9%96%a2%e7%af%80%e3%81%ae%e5%a4%96%e6%97%8b%e9%81%8b%e5%8b%95/

「肩甲骨の内外転」

肩甲骨の内外転運動の図

引用:https://jishu-tre.online/%e8%82%a9%e7%94%b2%e9%aa%a8%e3%81%ae%e5%86%85%e5%a4%96%e8%bb%a2%e9%81%8b%e5%8b%95/

両肩関節の協調運動

両肩関節の協調運動の図

引用:https://jishu-tre.online/%e4%b8%a1%e8%82%a9%e9%96%a2%e7%af%80%e3%81%ae%e5%8d%94%e8%aa%bf%e9%81%8b%e5%8b%95/

高齢者でもできる方法

修復初期の場合は、肩関節を動かしすぎない振り子運動や関節に力を入れない等尺性収縮運動がおすすめです。ここでは、振り子運動1種類と、手の等尺性収縮運動1種類をご紹介します。

振り子運動

1.足を肩幅程度に開きます 
2.肩の力を抜き、痛い方の腕を前に垂らしながら、ゆっくりおじぎします 
3.体を前後に揺らし、腕を振り子のように動かします(30秒) 
4.これを10回繰り返します
「引用:https://www.kaken.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/06/artz_ARD400.pdf

腕の運動

左右の手のひらを胸の高さで合わせ、ぐーっと6秒程度押していきます。
これを毎日10~20回ほど行います。

評価

鎖骨骨折した場合のリハビリの評価は、「動作観察」「関節可動域」「筋力」の3観点からおこなわれます。以下は3観点で見る際の一例です。

動作観察…日常の動作での痛みがないか
関節可動域…肩甲上腕関節や胸椎の関節が可動できるか
筋力…棘上筋や最上筋などの筋肉に左右差がないか

 実際には、さらに多くの筋肉や関節の動きから、統合的に判断します。そのため、評価をしていく際には、必ず理学療法士など専門家に評価をしてもらうようにしましょう。

鎖骨骨折のリハビリでよくある質問とは?

笑顔を見せる医師

鎖骨骨折をした場合、リハビリをしていく中で不安が出ることがあります。決して珍しいことではなく、自分のけががどのようになるか見通しが持てないと不安が強くなります。そこで、鎖骨骨折のリハビリをした際に多くでる質問について解説しました。気になる質問の部分からご覧になってください。

鎖骨骨折の禁忌

鎖骨骨折をした際には、就寝時と損傷側の動作は気を付けなければいけません。

就寝時には、損傷側に寝返らないように注意しましょう。損傷した部分に負荷がかかると、痛みが増したり、可動域が狭くなったりします。

 また、術後数種間は腕を挙げないことも大切です。鎖骨は、腕を動かす、肩を挙げるために必要な部位です。無理に動かしてしまうと、治癒が遅くなり痛みが生じてしまう可能性があります。そのため、日常生活などでも、腕を肩以上の高さに挙げるのは控えていきましょう。

どれくらいで治る?

鎖骨骨折が完治するには、およそ3カ月かかると言われています。骨折した部位の痛みは1カ月ほどで無くなり、徐々に元通りの生活になることが多いようです。ただし、骨折部位のずれが大きく損傷が激しい場合は、手術療法のため期間が長引くことがあります。

リハビリは痛みがある?

鎖骨骨折のリハビリは、痛みが出るような無理な動作はしません。通常、鎖骨骨折の後遺症が残っている場合や治癒が進んでいない場合は、肩や腕を動かすと痛みが生じます。しかし、リハビリでは痛みが出ないように治療しているため、痛みが出る動作はしません。

 万が一リハビリで痛みが出ている場合は、まだ治癒が進んでいない状態です。そのため、痛み出ない動作や範囲で治療を進めていくことが大切です。

医師と相談して計画的なリハビリをしていこう

女性を支えるスタッフさん

鎖骨骨折のリハビリは、定期的におこなっていくことで治癒の促進が期待されます。ただし、実際に進めていく場合には、どれくらい可動ができるようになったか評価しながらリハビリを進めていくことが大切です。

 評価には専門的な技術が必要なため、個人の判断でやっていくことは危険です。そのため、担当医や理学療法士の方に相談しながらリハビリを進めていきましょう。日常生活が気持ちよく過ごせるようになりますよ。
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