理学療法士は通信教育でなれる?社会人が資格を取得する方法を解説
理学療法士は通信教育でなれる?社会人が資格を取得する方法を解説
更新日:2024年06月11日
公開日:2024年06月11日
![階段を下りるスタッフ](http://d9ccqsdjkf7lu.cloudfront.net/image/column/ptotst_worker/17180698109778.jpg)
理学療法士を目指す際に、通信教育でなれるものなのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。理学療法士は国家資格なので、大学や専門学校などの養成校に通う必要があります。その一方で、国家試験対策や、理学療法士としての知識・スキル獲得のために通信を活用するパターンもあるでしょう。
ここでは、理学療法士は通信教育でなれるのかと、資格の取得の流れについてご紹介します。理学療法士になるための手段を学ぶことで、自分にあった選択で資格の取得ができるでしょう。
目次
通信教育で理学療法士になれる?
結論からいうと、通信教育では理学療法士にはなれません。理学療法士は国家資格であり、取得するには養成校に3年以上通う必要があります。そして、理学療法士に求められる知識やスキルを身につけたうえで、国家試験に合格しなければいけません。一方で、理学療法士を目指す過程や、資格を取得した後に自己研鑽するために通信を活用することもあります。それらの通信の活用方法については、後ほど詳しく解説します。まずは理学療法士になるには養成校に通う必要がある、という点をおさえておきましょう。
理学療法士になるための3つの流れ
理学療法士になるためには、以下の3つの流れを経る必要があります。1. 養成校に入学する
2. 養成校のカリキュラムを受ける
3. 国家試験を受験して合格する
ここでは、それぞれの流れについて詳しく解説します。
1.養成校に入学する
理学療法士になるための最初の流れは、養成校に入学することです。養成校には以下の種類があり、基本的に「3年制」と「4年制」のいずれかとなっています。● 大学
● 短期大学
● 専門学校
● 特別支援学校(視覚障害者などが対象)
3年制は最短で理学療法士を目指せるため、4年制よりも1年早くキャリアを積めるのが大きなメリットです。その一方で、カリキュラムがタイトになりやすく、授業のスピードが早いというデメリットがあります。
4年制は3年制よりも授業のスピードが緩やかな分、時間に余裕を持ちながら学習しやすい面があります。しかし、3年制よりも学費が高い傾向にある点には注意が必要です。
2.養成校のカリキュラムを受ける
2つ目は、養成校のカリキュラムを受けることです。養成校のカリキュラムは大きく分けて以下の4つの分野に分かれます。1. 一般教育科目
2. 専門基礎科目
3. 専門科目
4. 臨床実習
1年次では理学療法の成り立ちや解剖学、生理学など、基礎的な分野の学習が中心です。学年を経るごとに、リハビリを行うための専門的な分野を学ぶようになります。
また最終学年では、臨床現場で理学療法士の仕事を学ぶ「臨床実習」が行われます。養成校でも中学・高校と同じように、定期的にテストが行われるので、常に勉強する習慣が求められるでしょう。
3.国家試験を受験して合格する
最後に国家試験を受験し、合格すれば理学療法士の資格を取得可能です。国家試験は毎年2月の中旬に行われ、その期間までにしっかりと試験対策を進める必要があります。国家試験の内容はマークシートの筆記形式で、「総得点」と「実施問題」の点数によって合格が決定します。合格率は年によって変動し、おおむね80〜90%を前後している ため、決して難易度が高いわけではありません。養成校でも国家試験対策は行われるので、勉強を怠らないようにすれば合格は十分にできるでしょう。
出典:日本理学療法士協会|統計情報|協会の取り組み
社会人が理学療法士になるには夜間部がおすすめ
社会人が理学療法士を目指す場合は、夜間部を設けている養成校への入学がおすすめです。ここでは、社会人にとっての夜間部のメリットや注意点について解説します。仕事に支障をきたしにくい
夜間部は夕方以降の時間帯で授業が行われるので、仕事に支障をきたしにくいメリットがあります。通常の昼間部に通うとなると、平日の日中に授業があるため、仕事を辞めて勉強に専念しなければなりません。仕事を辞めてアルバイトに切り替えると、金銭面でも不安が残るでしょう。一方で、夜間部なら仕事をしながら養成校に通えるので、収入を確保しながら理学療法士を目指せます。社会人の方にとって、仕事と勉強の両立ができる夜間部は、経済面でも精神面でもメリットが大きいといえます。
学費が安い傾向にある
夜間部は昼間部と比べると、授業数が少ないこともあるので、学費が安い傾向にあります。学費は養成校によって異なるため、単純な比較はできませんが、場合によっては100万円以上の差になることもあるでしょう。社会人にとって、学費が安い夜間部は魅力的な選択肢といえます。家庭を持っている方であれば、なおさら経済的な負担を軽減できるのは大きなメリットとなります。
時間の余裕がなくなる点には注意が必要
社会人にとってメリットの多い夜間部ですが、時間の余裕がなくなりやすい点には注意が必要です。昼間に仕事をして、夜に授業を受けることになるので、自由な時間が大幅に削られます。時期によっては、休日もレポートや勉強に時間を割く必要があるでしょう。また、最終学年になると実習や国家試験対策を行う都合上、最終的には仕事を辞める必要があります。このように、仕事と通学の両立は容易ではないため、自分の時間を減らす努力をしなければいけません。夜間部で理学療法士を目指す方は、生活リズムが大きく変化することは覚悟しておきましょう。
理学療法士を目指す方が通信講座を活用する場面
理学療法士は通信教育ではなれませんが、通信講座を活用する場面はゼロではありません。ここでは、通信講座を活用する場面について解説します。国家試験対策
理学療法士の国家試験対策として、通信講座を活用する場合があります。通信講座では、さまざまな企業が国家試験対策のサービスを提供しており、受講することでオリジナルの教材で勉強できます。過去問題や模擬試験などが豊富に用意されているサービスもあるので、効率的に学習を進められるでしょう。好きな時間に学習できるので、養成校の試験対策と並行しながら取り組めます。国家試験に向けて、養成校で行われる対策だけでは不安な場合は、受講を検討してみてください。
オンライン学習
理学療法士として自己研鑽を積むために、オンライン学習をすることもあります。コロナ禍の影響によって、オンラインで講座を受けられる機会も増えました。そのような講座は、基本的に理学療法士として臨床で活躍している方向けの内容が多い傾向にあります。しかし、学生の段階でも受講することで、臨床に関する知見を得られるきっかけになるでしょう。実践的な知識について学びたい方は、ぜひオンライン講座を受けてみてください。
理学療法士になるには通信教育ではなく通学が必要
理学療法士になるには通信教育ではなく、養成校に通う必要があります。しかし、国家試験対策や、オンライン学習のために通信講座を活用する機会はあります。社会人で理学療法士を目指す場合は、本業しながら勉強を進められる夜間部がおすすめです。理学療法士になるための流れを把握したうえで、ぜひ資格の取得を検討してみましょう。関連ジャンル
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