【例文紹介】リハビリ場面でのSOAPの書き方は?活用するポイントを解説
【例文紹介】リハビリ場面でのSOAPの書き方は?活用するポイントを解説
更新日:2024年06月17日
公開日:2024年06月17日
リハビリの現場で「SOAP」を活用して、適切な記録を残すことは非常に重要です。しかし、SOAPの書き方がよくわからず、具体的にどのように書けばいいのか迷う方もいるのではないでしょうか。
この記事では、リハビリ場面で使用するSOAPの意味や活用のメリット、記載例についてご紹介します。SOAPをしっかりと理解し、適切な記録を残すスキルを身につけることで、より質の高いリハビリの提供につながるでしょう。
目次
SOAPのそれぞれの意味とは?
SOAPとは、どのような意味があるのでしょうか。ここでは、それぞれの言葉の意味について詳しく解説します。S(Subjective):主観的情報
SOAPにおけるS(Subjective)とは、対象者の訴えや感じている症状などの主観的な情報のことです。カルテでは以下のような情報を具体的に記載します。● 患者さん自身がどのように感じているか
● 痛みの部位や程度
● 日常生活での困りごと
たとえば、患者さんが「昨日のリハビリ後に膝の痛みが強くなった」と訴えた場合、その情報をそのまま記録します。この主観的情報は、患者さんの視点を反映して治療の進行状況を把握する重要な要素です。
O(Objectivc):客観的情報
O(Objective)とは、客観的な情報のことです。主観的なものではなく、評価や検査などの客観的な結果のみを記載します。たとえば、Oでは以下のような情報を記載します。● 関節の可動域の結果
● 筋力テストの結果
● バランスや歩行能力の結果
● バイタルサイン(血圧・脈拍・呼吸数など)
これらの情報によって、治療の効果や進捗状況を客観的に把握可能です。
A(Assessment):評価・解釈・考察
A(Assessment)とは、SとOの情報をもとにした評価や考察のことです。これまでの患者さんの状態や検査結果を評価したうえで、さまざまな物事を判断します。たとえば、患者さんの膝の痛みがあるという主観的情報と、膝の可動域が改善しているという客観的情報があるとしましょう。その場合、「膝の可動域が改善しているが、痛みが残っているため引き続き痛みの管理が必要」といった具体的な評価が考えられます。Aは患者の目標達成度や、今後のリハビリ計画に対する考察も含まれます。
これにより治療の方向性を明確にして、次のステップを計画するための基盤を作ることが可能です。
P(Plan):治療計画
P(Plan)とは、次回の治療やリハビリ計画のことです。ここでは、SとOから導き出したAの評価にもとづいて、具体的な治療アプローチや目標について記載します。たとえば、Aで「膝の痛みの管理が必要」と評価した場合、Pでは「膝の痛みを軽減するためにアイシングを行う」と記載することもあるでしょう。治療計画以外にも、患者さんに対する指導やアドバイスも記載することがあります。
このようにSOAPの意味と流れを理解することで、患者さんに対して合理的なリハビリの提供が実現できるのです。
リハビリ場面でSOAPを活用するメリット
リハビリ場面でSOAPを活用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは具体的なメリットについて解説します。内容を整理しやすい
SOAPの形式で記録することで、散らばった情報を整理しやすいメリットがあります。主観的な情報と客観的な情報は混じりやすいので、整理して記載しないと間違った結果を導き出してしまう原因にもなるでしょう。しかし、SOAPを活用して体系的に記載すれば、そのような情報の混在による問題を解消できます。その結果、治療の進行状況や患者の反応を明確に把握でき、効果的なリハビリ計画を立てやすくなります。
他スタッフとの情報共有がスムーズになる
SOAPでの記録は、他のスタッフとの情報共有をスムーズにするメリットもあります。各項目が明確に分かれているため、必要な情報をすぐに見つけ出せるからです。SOAPでポイントに分けながら記録するので、新しいスタッフでもすぐに患者さんの状況を把握できます。またAやPを詳細に記載することで、治療方針や現在行っているリハビリ内容も理解でき、チーム全体で統一したケアを提供できます。このように、SOAPは情報の共有と連携を強化し、質の高いリハビリを支える要素の1つといえるでしょう。
SOAPをうまく書くための5つのポイント
SOAPをうまく書くためのポイントは、以下の5つです。1. 対象者の情報収集をしっかりしておく
2. 各項目のつながりを明確にする
3. わかりやすい文章でまとめる
4. リハビリの目的を明確にしておく
5. 書き方に悩む場合は先輩を参考にする
ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.対象者の情報収集をしっかりしておく
1つ目は、対象者の情報収集をしっかりしておくことです。SOAP形式を効果的に活用するためには、対象者の情報収集が求められます。まず、Sでは患者さん本人や家族からの訴えを詳しく聞き取ることが重要です。次にOでは、身体機能の評価や検査結果を正確に記録する必要があります。これらの情報が正確でなければ、後のAやPで間違った評価や計画をしてしまう恐れがあるからです。対象者の情報を丁寧に収集しておけば、より効果的なリハビリ計画の立案が可能です。
2.各項目のつながりを明確にする
2つ目は、各項目のつながりを明確にすることです。SOAP形式の記録は、「S→O→A→P」へと情報が一貫して流れることが重要です。たとえば、患者さんが「歩くと膝が痛む」と訴えた場合、実際に歩行を行ってどのような動きで痛みが生じるかを観察します。その結果をもとに、痛みの原因が筋力低下なのか、関節の問題なのかを評価して、適切なリハビリ計画を立てます。
このように、各項目のつながりを明確にすることで記録が一貫性を持ち、他のスタッフとの情報共有もスムーズになるのです。
3.わかりやすい文章でまとめる
3つ目は、わかりやすい文章でまとめることです。リハビリ記録は医療スタッフだけでなく、必要に応じて家族が確認する場合もあります。わかりにくい文章だと、情報をうまく読み取りにくくなるだけでなく、誤った解釈をする原因にもなります。複雑な医療用語は避けて、簡潔で明瞭な表現を心がけましょう。わかりやすい文章にすることで、他のスタッフも情報をすぐに理解でき、適切な対応が可能となります。
4.リハビリの目的を明確にしておく
4つ目は、リハビリの目的を明確にしておくことです。これは治療の方向性を定めて、具体的な目標を設定するためです。リハビリの目的が不明確だと、効果的な治療計画の立案が難しくなり、思うような結果が出にくくなる可能性があります。たとえば、膝関節の手術後の患者さんに対してはリハビリを行うとしましょう。そのときに目的が日常生活の復帰なのか、スポーツの復帰なのかによって、治療方法やエクササイズの内容は大きく異なります。患者に最適な治療プランを提供して効果的なリハビリを進めるためにも、目的を明確にしておきましょう。
5.書き方に悩む場合は先輩を参考にする
5つ目は、書き方に悩む場合は先輩のカルテを参考にすることです。経験豊富な先輩のカルテからは適切な情報の記載方法や評価の仕方など、多くの学びを得られるでしょう。同じ症例であっても、異なる視点からの評価や治療計画の立て方を知れるため、自分自身の引き出しを増やすきっかけになります。適切な書き方を学んで効果的な記録を作成するためにも、悩んだら先輩のカルテを参考にしてみましょう。
【例文紹介】SOAPの書き方
ここでは、例文をもとにSOAPの書き方についてみていきましょう。対象:A様 70歳 女性
診断名:変形性膝関節症術後(人工膝関節全置換術)
・ S(Subjective):主観的情報
まだ手術してから2週間だから、痛みが残ってるのよね。膝の動きは良くなってきた。
・O(Objectivc):客観的情報
膝屈曲角度:110°(痛み訴え○)
先週よりも屈曲角度は改善傾向にある。
膝蓋骨周囲のモビライゼーション実施後に再度測定すると、膝屈曲角度120°に改善。
杖歩行時にやや膝の動揺みられるが、見守り下で身体のふらつきみられない。
リハビリ後は膝の熱感みられる。
・A(Assessment):評価・解釈・考察
膝の動きも改善傾向にあり歩行も安定しているが、疼痛や熱感は残存しているため、引き続きフォローは必要。
・P(Plan):治療計画
関節可動域訓練、歩行訓練は継続して実施
訓練後はアイシングにて熱感の軽減を図る
SOAPの書き方をおさえて質の高いリハビリにつなげよう
SOAPとは「S(主観的情報)、O(客観的情報)、A(評価・解釈・考察)、P(治療計画)」の頭文字をとった記録方法のことです。この方法を用いることで、対象者の情報を整理しやすくなり、他のスタッフとの情報共有もスムーズとなります。SOAPを書く際は、対象者の情報をしっかりと収集し、各項目のつながりを明確にすることが大切です。ぜひ今回紹介した例文を参考に、実際の現場でSOAPを活用してみてください。関連記事
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