理学療法士の年収は低い?他職種との比較や年収アップの方法を解説
理学療法士の年収は低い?他職種との比較や年収アップの方法を解説
更新日:2024年05月23日
公開日:2024年05月21日
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理学療法士の仕事を続けていて、次第に「自分の年収は低いのではないか?」と気になることはありませんか?理学療法士の平均年収は約430万円とされており、他の医療職や全体の給与所得者よりも低い傾向にあります。しかし、工夫次第で理学療法士の給料を上げることは可能です。
この記事では、理学療法士の平均年収の推移や給料アップのための方法についてご紹介します。理学療法士の平均年収を把握することで、今の職場の給与水準はどうなのか、どうすれば給料アップできるのかがわかるでしょう。
目次
理学療法士の年収は低い?
実際に理学療法士の年収は低いのでしょうか。ここでは理学療法士の平均年収やその推移について解説します。理学療法士の平均年収とその推移
令和4年度の調査によると、理学療法士の平均年収は「約430万円」、平均年齢は約35歳という結果でした。また、年齢による平均年収を以下の表にまとめました。
年齢 | 平均年収 |
20〜24歳 | 約336万円 |
25〜29歳 | 約392万円 |
30〜34歳 | 約421万円 |
35〜39歳 | 約455万円 |
40〜44歳 | 約498万円 |
45〜49歳 | 約518万円 |
50〜54歳 | 約515万円 |
55〜59歳 | 約570万円 |
60〜64歳 | 約463万円 |
65〜69歳 | 約467万円 |
出典:令和4年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
全体の給与所得者の平均よりも低い傾向にある
国税庁の調査によると、令和4年度の給与所得者全体の平均年収は「458万円」でした。 このことから、理学療法士は全体の平均年収よりも低い傾向にあります。また、給与所得者全体の年齢別の平均年収について、以下の表にまとめました。
年齢 | 給与所得者全体の平均年収 | 理学療法士の平均年収 |
19歳以下 | 124万円 | - |
20〜24歳 | 273万円 | 約336万円 |
25〜29歳 | 389万円 | 約392万円 |
30〜34歳 | 425万円 | 約421万円 |
35〜39歳 | 462万円 | 約455万円 |
40〜44歳 | 491万円 | 約498万円 |
45〜49歳 | 521万円 | 約518万円 |
50〜54歳 | 537万円 | 約515万円 |
55〜59歳 | 546万円 | 約570万円 |
60〜64歳 | 441万円 | 約463万円 |
65〜69歳 | 342万円 | 約467万円 |
70歳以上 | 298万円 | - |
出典:国税庁|民間給与実態統計調査
他の医療職と比較して低い傾向にある
理学療法士を含めた医療職の平均年収について、以下の表にまとめました。職種 | 平均年収 |
医師 | 約1,429万円 |
薬剤師 | 約583万円 |
看護師 | 約508万円 |
准看護師 | 約418万円 |
放射線技師 | 約544万円 |
臨床検査技師 | 約509万円 |
理学療法士 | 約430万円 |
出典:令和4年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
理学療法士の年収が低い理由は?
理学療法士は全体の給与所得者や他の医療職よりも平均年収が低いですが、なぜこのような結果となったのでしょうか。ここでは、理学療法士の平均年収が低い理由について解説します。理学療法士ができるリハビリに制限があるから
病院や施設にとって、理学療法士で得られる収入源はリハビリによる診療報酬です。しかし、1人の理学療法士で行えるリハビリには実施時間や単位数に制限があります。この制限は理学療法士の経験年数は関係ないため、どんなに頑張って働いても収入が上がりにくいのです。なかには、新人と10年働いた理学療法士の給料がほとんど変わらない職場もあるでしょう。
理学療法士の人数が年々増えているから
理学療法士の人数が年々増えていることが、平均年収が低い原因の1つと考えられています。日本理学療法士協会の統計では、令和5年度の段階で理学療法士の資格を保有している人数は「213,735人」でした。 10年前の平成25年度での人数が「110,664人」だったため、10年間で理学療法士の人数が約2倍になっています。理学療法士の人数が増えると、限りある診療報酬から給料を割り振るのが難しくなり、さらに人件費もかかります。その結果、理学療法士の給料が低くなるのです。
出典:日本理学療法士協会|統計情報|協会の取り組み
理学療法士の年収をアップする方法
平均年収が低めの理学療法士ですが、給料を上げることは十分に可能です。ここでは理学療法士の年収を上げる方法についてみていきましょう。昇進する
理学療法士として経験を積み、役職に昇進することで給料アップが期待できます。現在の職場で長期間働いているのであれば、昇進できる可能性はあるでしょう。ただし、役職への昇進は簡単にできるものではありません。昇進するには臨床に必要なスキルだけでなく、チームの運営力やスタッフのマネジメントスキルも求められます。さらに他のスタッフからの信頼関係も構築する必要もあります。昇進を目指している方は、リハビリ以外のスキルも積極的に勉強してみましょう。
年収の高い職場に転職する
現在の職場で給料アップの望みがない方は、年収の高い職場に転職するのがおすすめです。理学療法士の給料は、職場によって大きく異なります。そのため、求人を調べれば条件の良い職場が見つかることも多いでしょう。ただし、転職する際は給料だけを目的にしないように注意しましょう。給料が高くても、自分がしたかった仕事ではなかったらやりがいは生まれません。自分が何をしたいのかを整理しつつ、慎重に転職を進めていくことが大切です。
別の資格を取得する
理学療法士以外の資格を取得することで、手当を受け取れる職場もあります。理学療法士に関連した代表的な資格としては、「認定理学療法士」と「専門理学療法士」です。この資格は理学療法士の上位資格のような位置付けにあり、取得によって特定分野のプロであることが証明されます。その他にも、呼吸療法認定士や心臓リハビリテーション指導士など、さまざまな資格があります。今の職場では、どの資格が給料に関係するのかを確認しておきましょう。また、資格の取得は理学療法士としての優位性が高まり、転職時も有利に働きやすくなります。興味がある方はぜひ資格の取得を目指してみてください。
独立する
自分で経営して収入を得たい方は、独立という選択肢もあります。経営がうまくいけば、雇用されているときよりも大幅な収入を得ることも十分に可能です。ただし、医師の指示のもとでリハビリをする理学療法士には開業権がないので、別のサービスで独立する必要があります。理学療法士に類似した仕事としては、整骨院やデイサービスなどがあげられます。
独立を成功させるには、経営やマネジメントに関するスキルを磨き、事業に必要な資金を確保しておくことが大切です。独立には赤字のリスクもあるため、慎重に計画を進めていきましょう。
副業する
副業をして、本業とは別の収入を得る方法も1つの手段です。理学療法士のスキルを活かせる副業には、スポーツトレーナーや訪問リハビリのバイトなどがあげられます。その他にも、以下のような副業で新しいスキルを身につけながら収入を得る方法もあります。
● Webライター
● デザイナー
● プログラミング
● せどり
● 動画編集
● ブログ
新しいスキルを獲得するのは大変ですが、その分今後のキャリアが広がるきっかけにもなるでしょう。時間に余裕がある方や、スキマ時間を有効活用したいと思っている方は副業がおすすめです。
年収が低めの理学療法士には将来性がある?
理学療法士は年収が比較的低めな傾向にありますが、将来性はあるのでしょうか。結論から述べると、将来性はまだ十分にあるといえます。ここでは理学療法士に将来性がある理由を解説します。高齢化社会の日本では理学療法士の需要が高くなる
日本では高齢化が進んでおり、令和元年の段階で総人口に占める高齢化率は28.4%とされています。令和47年(2065年)には高齢率が38.4%、つまり国民の約2.6人に1人は65歳以上になるとされています。リハビリの対象はおもに高齢者なので、高齢化が進むにつれて理学療法士の需要は高まるでしょう。また今後、理学療法士の人数の増加がゆるやかになれば需要と供給のバランスが改善され、給料が上がる可能性もあります。
出典:内閣府|1 高齢化の現状と将来像
理学療法士の活躍の幅は広い
理学療法士の活躍の幅が広いのも、将来性がある理由の1つです。理学療法士として活躍できる職場は以下の通りです。
●病院
●福祉施設
● 介護施設
● クリニック
● 一般企業
● 行政
● 教育機関
● 研究機関 など
上記以外にも、フリーランスとして活躍している理学療法士も多くいます。時代が進むにつれ、さらに新しい領域で理学療法士が活躍できる可能性も十分にあるでしょう。このように、理学療法士は給料の低さや資格保有者の増加などの問題点もありますが、将来性に期待できる要素もあります。
年収が低いと悩む理学療法士は給料アップを目指そう
理学療法士の平均年収は約430万円ですが、職場によって給料は大きく異なります。自分の職場でもらっている給料がどのくらいなのかを確認し、平均と比較してみましょう。年収が低いと感じた方は今回の記事を参考にして、給料アップの方法に取り組んでみてください。給料アップの方法はさまざまなので、自分の状況にあわせた選択をすることが大切です。関連記事
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