PT・OT・STのアンケートから見る転職事情
PT・OT・STとして働くセラピストの転職事情を丸裸にするアンケート結果をご紹介!総勢8,984名による転職の悩みや条件など、さまざまな回答結果をチェックしてみよう♪
更新日:2020年03月17日
公開日:2020年03月05日

PT・OT・STとして意欲的に働く方が多いなか、その一方で仕事内容などに悩みを抱え、今後の働き方を見つめ直す方も多くいるのが現状です。
そこでPTOTSTワーカーでは、転職支援を希望する総勢8,984名のPT・OT・STさんに、転職にまつわるアンケートを独自に実施しました。
その結果から見えてきたセラピストの転職事情とは…!?
こちらの記事では、転職にまつわる様々なアンケート結果をもとに、今まさに転職活動中というセラピストさんをお呼びし、転職アドバイザーとともに『PT・OT・STの転職事情』について座談会形式でお届けしていきます。
また、スペシャルゲストとしてPTOTSTワーカーを通して転職を成功させた理学療法士さんもお呼びし、ほかでは聞けない“セラピストの転職の本音”についても伺いました。
これから転職をしようと思っている、またお仕事に何らかの不満や悩みがあるというセラピストさんは、ぜひ参考にしてみてくださいね!
「PT・OT・ST専門の転職支援アドバイザーです!」 ★登場人物:明(あきら)さん(PT・経験年数6年/男性)
「半年前に転職サポートを受けて転職!転職経験者の視点で今回は参加します!」
★登場人物:沙良(さら)さん(OT・経験年数2年/女性)
「OTとして活動の幅を広げれる場所を絶賛探し中!」 ★登場人物:琴音(ことね)さん(ST・経験年数7年/女性)
「現在離職中。条件重視の慎重派です!」
PT・OT・STの転職事情『勤務場所編』

まずはじめにご紹介するアンケート結果は、セラピストの方が以前勤務していた施設についてです。座談会に参加されたみなさんは、現在どのような施設で働いていますか?離職中の方は最近まで働いていた施設について教えてください!
僕は半年前に転職をして、訪問リハビリ(※以下:訪問リハ)で理学療法士として働いていますが、もともとは回復期で働いていました。


私は回復期病院で新卒から作業療法士として約2年働いています。そのほかの施設での勤務経験はありません。
私は介護老人保健施設(老健)で言語聴覚士として働いていましたが、現在は転職活動中で離職しています。


ありがとうございます。みなさんそれぞれ異なる施設での勤務経験がある・もしくはあったとのことですが、アンケートではどのような結果となったのでしょうか。さっそく見ていきましょう!

訪問リハが多いですね、あと回復期も!クリニックや老健などは採用人数も限られていますし、リハビリテーション病棟が多いところに集中している感じ…ということでしょうか。
だいたい予想通りの結果に近いかもしれないです。ですが、特別ひとつの施設だけに偏ってセラピストが多いということもないのですね。そこは意外でした!

■解説
セラピストの勤務先として最も回答数が多かった施設は、全体の19%となる訪問リハ(1,247名)でした。しかし、勤務施設に特別な偏りはさほどなく、それぞれの施設ごとにバランスよくセラピストが配置されているという回答結果となっています。いずれの施設においても、PT・OT・STが在籍していないとリハビリテーション部門は機能しないため、患者数や施設規模に応じての結果ともいえますね!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(※)アンケート回答:データ回答者:8,984名(PT・OT・STの3職種)
【どこの施設で勤務されていましたか?】
■訪問リハ 1,247名/19% ■回復期 1,194名/19% ■急性期 889名/14%
■デイケア/デイサービス 828名/13% ■クリニック 732名/11%
■老健 701名/11% ■維持期 593名/9% ■特養/有料 268名/4%
(※回答数に対する割合…小数点以下切り捨て)
PT・OT・STの転職事情『お悩み編』

次にお伺いするのは、転職に至った経緯となる悩みについてです。みなさんは転職活動中ということで次の職場を探されているわけですが、転職を決めた理由(悩み)を簡単に教えていただけますか?
僕が転職を決めた理由は、前職の訪問リハがとにかくハードワークで体力的な負担が大きかったのですが、それに加えて残業が多いことと休みが少ないことでした。現在はきちんと訪問件数などが管理され、ハードワークにならないように配慮してもらっていて、休みもしっかり確保できてるので不満はないんですけどね。


私の場合、色々理由はありますが...一番の悩みはお給料が低いことです。賞与も低いため年収も低く、生活に余裕が欲しいと思ったことが転職のきっかけです。
少し言いにくいのですが…私の場合は人間関係が原因で離職しました。人の話を聞かない、耳を傾けないという施設長と折り合いが悪く精神的にまいってしまったので、人間関係のよい職場に憧れがあります。


お給料が低いことで悩まれているセラピストさんって多いですよね。僕の周りでも「給料が安い」と言っている人は少なくないです。あと、人間関係も。理学療法士に限らず、セラピストの勤務先は閉鎖的な空間となりやすい傾向にあると思うので、一度人間関係に亀裂が入ると働きにくくなってしまいますよね。
おっしゃるように、働きやすさというのは職場環境や人間関係などご自身を取り巻く状況によって大きく変わってきますよね。みなさんと同様の悩みを抱えている方は非常に多いと思いますが、アンケート結果ではそのほかにも様々な悩みを抱えている方がいらっしゃるようです。


「給料が安い」が断トツでトップですね。ここまで意見が多いと、もはやセラピスト全体の問題でもあるように思ってしまいます…。そして私のように「人間関係が面倒」で悩んでいる人も多い…。
明さんの転職理由になった「仕事が忙しすぎる/残業が多い」もかなりの回答数ですね。早く帰りたいときに限って残業があるだけでも辛いのに、残業が常態化している状況であれば…いろいろと察してしまいます。


理学療法士に限らず、作業療法士も言語聴覚士も一度学んだきりというわけではなく、常に新しい知識を身につけないといけない職業ですよね。それが故に、仕事が終わっても勉強会があったり反省会があったりと、結果的に残業が増えてしんどいと思う人が多いのかなと感じました。あとは、単純に忙しくてデスクワークが追いつかない…ということもありそうですよね。
こうやってアンケート結果をみていると、本当にみなさん様々な悩みを抱えているんだなということが分かりますよね。回答数が多い意見だけがクローズアップされがちですが、どのような悩みであっても現在進行形で悩んでいる方にとっては辛いものがありますよね。転職をしたいけれど引継ぎができない状況という方もいるかもしれないので、そういった方もぜひ一度PTOTSTワーカーに相談だけでもしてみてほしいなと思います。

■解説
アンケート結果では、「給料が安い」という悩みが圧倒的に多く、回答者数8,984名のうち4,053名(20.5%)もの方が回答されていました。そして、次に回答者数が多かったものは、「仕事が忙しすぎる/残業が多い」(2,434名/12.3%)という意見でした。ハードワークなリハビリ業務に加え給料が安いとなれば、転職したいという思いへ変化するのも自然な流れなのかもしれません。そのほかにも、「リハビリのスキルが足りない」、「パワハラがある」、「一人職場で大変」といった声も少なからず挙がっていました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(※)アンケート回答:データ回答者:8,984名(PT・OT・STの3職種)
【これまでセラピストとして、どんな悩みがありましたか?】※複数回答
■給料が安い 4,053名/20.5% ■仕事が忙しすぎる/残業が多い 2,434名/12.3%
■人間関係が面倒 2,178名/11% ■休みがとりにくい/少ない 2,051名/10.4%
■職場の方針が合わない 1,918名/9.7% ■家から遠い 1,476名/7.4%
■リハビリのスキルが足りない 1,444名/7.3% ■待遇が悪い 1,362名/6.9%
■パワハラがある 1,104名/5.6% ■その他 512名/2.5%
■一人職場で大変 431名/2.1% ■後輩指導が上手くいかない 406名/2.0%
■女性に理解がない 343名/1.7%
(※回答数に対する割合…小数点以下切り捨て)
PT・OT・STの転職事情『転職に求める条件編』

在籍していた施設から転職の決め手となった悩みまでをご紹介してきましたが、次にご紹介するアンケート結果は転職に求める条件についてです。現在転職活動中のお二人に質問ですが、転職先に【これだけは絶対に譲れない条件】として挙げるなら、どのようなことを挙げますか?
さきほど挙げた悩みがお給料が少ないということだったので、やはり現在のお給料を上回ることが転職の絶対条件です。できれば年間賞与も4.0カ月分以上あるなど、年収で換算したときに大きくお給料がアップすると嬉しいですね!


私は色々なことに悩みやすい性格なので、いい意味でフラットな関係が築ける人間関係のよい職場が希望。なんとなくですが、セラピストの在籍人数が多いところのほうが仲の良い同僚もできそうな気はしています。
ありがとうございます。求める条件はそれぞれ違いましたが、やはり現在抱えている悩みを解決できることが第一条件となるようですね!ちなみに、転職経験者である明さんは、転職活動を進めていく中でどのような条件を重視されましたか?


僕の場合は、残業が多く休みが少ない点が悩みで転職活動を始めたので、転職先では残業が少なめで年間休日が多いところを重視しました。具体的には、週休2日制・年間休日120日以上を理想の条件としてアドバイザーさんに相談したのですが、意外と条件に合う職場って結構あるんです。なので、皆さんもぜひこれだけは外せないという絶対条件は持っておいたほうがいいですし、たくさんある求人の中から自分の希望に合ったものを見極めていくことが大事だと思いますよ!
なるほど!確かにしっかり条件を絞ってお仕事を探すことで、より理想の転職に近づきそうですよね。参考になります!


実際に転職を成功させた方ならではのご意見ですね!それではアンケート結果も見ていきましょう。

見事にさきほどの悩みのアンケート結果とリンクして、「給与/賞与」が圧倒的に多いですね!ですが、個人的にはどの条件もあったら嬉しいなと思うので、通勤がしやすくて残業も少なくて給与も今よりも高く…とあれこれ言い出したらきりがなさそうです。(笑)
沙良さんのおっしゃる通り、今回の複数回答アンケートではひとつの項目に絞って答える方は少なく、いくつかの項目に複数回答された方が大半でした。いくら給料が高くても自宅から通勤時間が1時間半もかかるよりは、給料が高くて自宅からも通勤がしやすいという条件のほうが魅力的ですからね!PTOTSTワーカーの転職サポートにおいては、これらの条件をベースに利用者さんの理想に近い転職先を提示するので、基本的に条件からブレることなく満足度の高い転職を叶えることができるんですよ!

■解説
アンケート結果では、圧倒的に回答数が多かったのが「給与/賞与」(7,067名/23.4%)でした。続いて、「年間休日」と「人間関係」の回答数が僅差で続く結果となっています。そのほかにも、「残業」や「通勤距離」に対して希望条件を設定される方も少なくないようです。一方で少数派となる回答では、立ち上げから携わりたいという方や、施設の規模や母体となる法人の規模を考慮される方もいました。しかし、今回のアンケートでは複数回答を含むなか、非常に多くの方が「給与/賞与」の項目に回答されています。その結果から、転職を希望される方の多くは収入面に不満を抱えているということが伺えます。これらは間違いなく、「セラピストさんの本音」といっても過言ではないでしょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(※)アンケート回答:データ回答者:8,984名(PT・OT・STの3職種)
【転職するならどのような条件を重視しますか?】※複数回答
■給与/賞与 7,067名/23.4% ■年間休日 4,902名/16.2% ■人間関係 4,825名/16%
■残業 3,708名/12.3% ■通勤距離 3,390名/11.2% ■仕事の大変さ 1,553名/5.1%
■勉強会・研修 1,183名/3.9% ■車通勤の可否 932名/3%
■セラピスト在籍人数 872名/2.8% ■法人/施設の規模 735名/2.4%
■寮・自宅補助 625名/2% ■立ち上げ 331名/1%
(※回答数に対する割合…小数点以下切り捨て)
PT・OT・STの転職事情『転職希望先編』

最後のアンケートでは、「転職希望先として挙げるなら?」という質問に対する結果をご紹介したいと思います。以前勤務していた施設についてのアンケートでは、最も回答者数が多かったのは訪問リハでしたが、転職に求める条件をふまえて次に転職する施設で最も人気があるのはどの施設だと思いますか?また、みなさんが次に転職したいと考えている施設についても教えてください!
人それぞれにやりたいことが違うと思うので、どの施設が人気と聞かれると難しいですね…!私はこれまで回復期で作業療法を学んできたので、次に就職するなら社会福祉の分野で学んできた技術や経験を活かしたいと思っています。具体的には、デイサービスや老健といった介護サービス関連の施設を希望していますが、同じように考える方も多いのではないでしょうか。


休みが多くて給料もそこそこという条件に多くの希望の声が挙がっていることを考慮すると、総合病院やケアミックス病院などの回復期は人気が高そうかなと思いました。私自身も無理なくバランスを取りながら働きたいので、回復期が今のところ第一希望ですし。
勤務する施設によってリハビリの度合や仕事量などは異なるため、ご自身が得意な領域や目指す方向性などによって希望される転職先は人それぞれですよね。それでは、最後のアンケート結果を見ていきましょう!


やはり訪問リハが人気ですね。僕自身、訪問リハから訪問リハへと転職をしていますが、リハビリのニーズは年々高まっていると感じます。新設されたばかりの訪問リハも多いですし、そういったところでは経験のあるセラピストの需要も高いので、今は病院だけでなく様々な選択肢がありますよね。訪問リハは年収が高いところも多いので、収入を上げたい人にも人気があるのかもしれないですね!
■解説
転職希望先についてアンケートを行ったところ、最も回答者数が多かった施設は訪問リハ(192名/21%)でした。続いて、僅差ではありますが回復期(148名/16%)、急性期(130名/14%)、デイケア/デイサービス(124名/13%)という結果となっています。給与が比較的高めといわれる訪問リハをはじめ、落ち着いた環境で働ける回復期に人気がある傾向ではありますが、アンケート結果ではひとつの施設に特別な偏りはなく、バランスよく回答が分かれる結果となりました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(※)アンケート回答:データ回答者:924名(PT・OT・STの3職種)
【転職するならどの施設で働きたいですか?】
■訪問リハ 192名/21% ■回復期 148名/16% ■急性期 130名/14%
■デイケア/デイサービス 124名/13% ■クリニック 108名/12%
■老健 95名/10% ■維持期 70名/8% ■特養/有料 57名/6%
(※回答数に対する割合…小数点以下切り捨て)

これまでセラピストの転職事情として、勤務場所や悩みについて、また転職希望条件や転職希望先についてなど、様々なアンケート結果を見てきました。実際に転職活動中のセラピストのみなさんをお招きし、直接お話を伺うことで転職の本音がたくさん聞けたと思います!転職に至った経緯や理由などを共有する場はあまりないかと思いますが、今回のアンケート結果を通して、転職をしてよりよい環境・条件で働きたいと考えるセラピストさんが非常に多いことが分かりましたね。みなさんの貴重なご意見やアドバイスは我々アドバイザーにしっかりと届きましたので、引き続き弊社の転職支援を通して100%満足のいく転職を一緒に実現させていきたいと思います!就職内定までどうぞ宜しくお願いします。
みなさん転職活動頑張ってくださいね!


とても有意義な時間になりました!転職活動頑張ります!
私も転職活動頑張ります!ありがとうございました!

まとめ
PT・OT・STとして活躍されるセラピストに実施したアンケート結果をもとにご紹介した「PT・OT・STの転職事情」はいかがでしたか?アンケート結果からは、様々な悩みを抱えながらも待遇アップや環境改善、またご自身のステップアップなどを求めて転職に踏み切る方が多いということが分かりました。
社会人として働くすべての方が、100%満足しながら働くということはなかなか難しいことではありますが、現状抱えているお悩みや不安、葛藤などを相談することで気持ちが和らぐことはあるかと思います。
今回のアンケート結果を見て、そのような思いを抱えている方が少しでも共感し、前を向いて歩むきっかけになれば幸いです。
最後となりましたが、PTOTSTワーカーでは、初めて転職をする方から転職経験のある方までお一人お一人の状況や希望条件に合わせ、適切な転職支援を行っております。
お仕事に関するあらゆる疑問をじっくり解決しながら転職先をご紹介しているため、多くのご利用者様より非常に満足度の高いお声をたくさん頂いています。
現在お仕事に悩んでいる方、転職に迷っている方は、ぜひPTOTSTワーカーまでお問合せください。
親切丁寧な転職アドバイザーによるヒアリングからまずはスタートしませんか?
たくさんのお問合せをお待ちしております!
◎お仕事を紹介してもらう
◎無料で非公開求人を紹介してもらう
(※)アンケート出典元:PTOTSTワーカー 登録者のアンケート調査結果(期間:2018年10月1日~2019年9月30日 対象者:8,984名 ※任意アンケート)
最新コラム記事
-
実例付き|看護記録がサクサク進むSOAPの考え方とは?
実例付き|看護記録がサクサク進むSOAPの考え方とは?
-
ICFとは?概要から実際に使えるコード一覧表まで細かく解説
ICFとは?概要から実際に使えるコード一覧表まで細かく解説
-
言語聴覚士とは?仕事内容や資格取得までの手順を解説
言語聴覚士とは?仕事内容や資格取得までの手順を解説
-
20代の理学療法士の給料額は?年齢の推移や収入アップの方法を解説
20代の理学療法士の給料額は?年齢の推移や収入アップの方法を解説
-
セラピストとはどんな職業?整体師やカウンセラーとの違いについても解説
セラピストとはどんな職業?整体師やカウンセラーとの違いについても解説
-
糖尿病の方の運動療法の注意点とは?指導する際のガイドラインについても解説
糖尿病の方の運動療法の注意点とは?指導する際のガイドラインについても解説