【2021年最新】理学療法士の合格率と推移について
最新の理学療法士国家試験の合格率をはじめ、過去から現在に至るまでの受験者数や合格者数、合格率の推移から国家試験の傾向についてご紹介!
更新日:2023年04月06日
公開日:2021年09月03日

高齢化が進むなか、リハビリ分野において特に需要の高い理学療法士を目指す方は年々増加傾向にあります。
とはいえ、毎年多くの方が受験しているものの受験者全員が国家試験に合格しているわけではなく、これから国家試験を受ける方にとって気になることといえば合格率についてです。
そこで、当コラムでは最新の理学療法士国家試験の合格率をはじめ、過去から現在に至るまでの受験者数や合格者数、合格率の推移から国家試験の傾向についてご紹介していきます。
現役生をはじめ既卒生として今後理学療法士国家試験に挑む方は、最新の国家試験の傾向をふまえ、合格を目指す参考にしてみてください。
目次
2021年(令和3年)の理学療法士国家試験の合格状況
出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|---|
理学療法士 | 12,503人 | 11,946人 | 9,434人 | 79.0% |
(うち新卒者) | 11,005人 | 10,522人 | 9,093人 | 86.4% |
今回の国家試験における合格ラインは以下の通り。
●総得点 165点以上/275点
●実地問題 41点以上/117点
昨年度(※)の結果と比較すると、第55回 理学療法士国家試験の合格率は0.7ポイントダウンしており、過去5年間のうち最も低い数値となりました。
なお、確認のために理学療法士国家試験の内容についても触れておきましょう。
理学療法士国家試験は毎年2月末に実施され、試験はマークシート式で5つの選択肢の中から1つまたは2つの正解を選択します。
試験内容は大きく分けて一般問題と実地問題の2種類から出題されます。
■一般問題
→解剖学、生理学、運動学、病理学概論、臨床心理学、リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む。)、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び理学療法
■実地問題
→運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学大要(人間発達学を含む。)及び理学療法
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受験者数・合格者数・合格率の推移について
ここからは、過去の理学療法士国家試験結果についてみていきましょう。2017年(平成29年)から2021年(令和3年)にかけて実施された過去5年の試験結果は、以下のようになっています。
年度 | 受験者数(新卒者) | 合格者数(新卒者) | 合格率(新卒者) |
---|---|---|---|
第52回(2017年) | 13,719人 (10,721人 | 12,388人 (10,319人) | 90.3% (96.3%) |
第53回(2018年) | 12,148人 (11,033人) | 9,885人 (9,679人) | 81.4% (87.7%) |
第54回(2019年) | 12,605人 (10,608人 | 10,809人 (9,845人) | 85.8% (92.8%) |
第55回(2020年) | 12,283人 (10,749人) | 10,608人 (10,019人) | 86.4% (93.2%) |
第56回(2021年) | 11,946人 (10,522人) | 9,434人 (9,093人) | 79.0% (86.4%) |
しかし、2021年の第56回では試験の難易度が高かったこともあり全体の合格者数が9,434人と少なく合格率も79.0%と過去5年間のなかで最も低い結果となっています。
過去5年間における受験者全体の平均合格率は約84%と比較的高めですが、実施年によって合格率は多少ばらつきがあることがわかります。
現役生と既卒生の合格率の違い
理学療法士国家試験を受ける人の大半は現役生で、既卒生が受験をする割合は受験者全体の約1割程度となっていますが、その合否には大きな差があります。過去5年間における現役生と既卒生の合格率の推移は以下となります。
過去5年間における現役生の平均合格率は約91%と高い数字で推移していますが、既卒生の合格率は開催年によって大きくばらつきがみられます。
過去5年間のうち既卒生の合格率が最も高かったのは2017年第52回で69.0%、反対に最も低い合格率となった2018年第53回は18.4%と開催年によってかなり変動があることがわかります。
なお、過去5年間に開催された理学療法士国家試験の既卒生の平均合格率は約39%という結果になっています。
試験の難易度や受験者数によって多少の合格率の差はあるかもしれませんが、平均合格率をみても現役生と比べて既卒生のほうが合格への道のりは険しいことが伺えます。
理学療法士国家試験に合格するには?
試験が難しい年は4人に1人が不合格となっていることもありますが、平均的な合格結果をみれば比較的高い水準で推移しているため、理学療法士になるために必要な知識や技術を養成学校できちんと習得しておけば十分資格取得を目指すことは可能です。この結果をふまえたうえで、合格するためにできることとして、以下のような方法を取り入れてみるのもよいかもしれません。
1.試験対策の計画を立て、優先度の高いものから取りかかる
2.勉強に適した時間帯に集中して勉強をする
3.スキマ時間にできる勉強を取り入れる
4.過去問から試験傾向を分析し頻出問題を押さえる
5.模擬試験を有効活用し、間違えた問題や苦手分野をノートにまとめて対策をとる
これら以外にも国家試験対策としてできることはたくさんありますが、大切なのは自身に合った勉強法を見つけることです。
これまで養成学校で学んだことを反復しながら、国家試験当日まで集中力を切らさず繰り返し試験対策を行えば合格への道もそう難しくないはずです。
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確認しておきたい試験合格後の手続きとは
理学療法士国家試験に合格するまでがゴールだと思ってしまいがちですが、合格の通知を受け取るだけでは理学療法士として働くことはできません。国家試験合格後、正式に理学療法士として働くためには、免許申請を行い厚生労働省が管理する有資格者名簿に登録される必要があります。
万が一、免許申請を行う前に理学療法士の仕事に従事した場合には行政処分の対象となってしまうため、国家試験に合格したら速やかに手続きを行わなければいけません。
具体的な理学療法士の免許申請については以下を参照ください。
【理学療法士の免許申請方法】
1.電子政府の総合窓口e-Govより理学療法士免許申請書をダウンロードし、必要事項を記載する
2.住民票の写しまたは戸籍謄本(※1)と、健康診断書(※2)を添付
3.1.2とともに登録免許税(収入印紙)9,000円を用意し、住所地の保健所(一部県については県庁)へ提出
(※1)発行日から6ヶ月以内のもの
(※2)発行日から1ヶ月以内のもの
なお、理学療法士免許申請書については、例年12月から1月にかけて養成学校に配布されているもの、もしくは保健所に備えてあるものを使用しても大丈夫です。
申請書の記載内容については、上記でご紹介している電子政府の総合窓口e-Govより参考資料を確認のうえ、不備のないように記載しましょう。
国試前からの就職先探しも大切
国家試験に合格した後は、いよいよ新しい職場で理学療法士としてのスタートが待っているわけですが、これからの人生を左右する就職先探しは前もって計画を立て慎重に進めていくことが大切です。国家試験を受ける方のほとんどは、試験前から受験勉強と並行しながら就職活動を行うわけですが、ありがたいことに理学療法士の需要が高いことから就職先はとにかく豊富にあり、新人理学療法士にとって『どのような職場が自身に合っているか』を見極めるのは少々困難になってきています。
一般的に、養成学校に通う受験生の就職活動は、夏休みから秋にかけて終了することが多く、またその就職活動の多くは養成学校への求人票や教員・卒業生の紹介などから決めるケースが約半分ほどといわれています。
では、残りの半分は?というと、実は人材紹介会社を介して就職先を決めるケースが多くなっています。
というのも、需要が高まる理学療法士の勤務先は増加傾向にあり、さまざまな領域で募集があるため、「複数の職場を比較してみたい」「さまざまな専門分野や病院の特徴から自身に合う職場を相談したい」という声が多くなっているのです。
PTOTSTワーカーによる就職支援では、国家試験前から無料のキャリア相談をはじめ、担当アドバイザーによる丁寧な履歴書対策や面接対策のサポート、さまざまな施設の見学や複数の面談といった手厚いサポートを完全無料で行っています。
ご本人の希望に合わせて給与や労働条件といった待遇面の交渉もアドバイザーが代行できるため、より好条件で就職することもできることも強みです。
勤務先によって仕事内容の違いや待遇面、給与の違いは大きいため、将来的なキャリアを見据えた就職・転職相談も随時行っていますので、就職について気になることがあればお気軽にご相談ください。
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さいごに
理学療法士になるために避けて通れない最大の難関である国家試験について、最新の合格結果と過去の合格傾向についてご紹介してきました。過去の合格結果の推移より、理学療法士国家試験の合格率は比較的高い水準をキープしていることが分かりました。
養成学校で学んだことをしっかりおさらいし試験対策を十分に行っていれば、合格への道はそう難しいものではないはずでしょう。
これから理学療法士国家試験を受験される方は、ぜひ合格を目指して最後まで諦めずに走り抜けてくださいね。
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