理学療法士が『日本糖尿病療養指導士』になるには?

日本糖尿病療養指導士(CDEJ)という資格はご存じでしょうか?どんな資格なのかや取得方法について解説いたします。

2020.02.05

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日本糖尿病療養指導士 どんな資格?CDEJのPT数は?取得方法について

理学療法士としてキャリアアップを考えている方におすすめしたいのが「日本糖尿病療養指導士」という資格。
日本は、世界的に見ても糖尿病患者が多い傾向にあり、6人に1人が糖尿病もしくは予備軍であるといわれています。
そんな糖尿病大国の日本で、日本糖尿病療養指導士はとても貴重な存在です。
今回は、日本糖尿病療養指導士についてや資格取得までの流れをご紹介します。

日本糖尿病療養指導士ってどんな資格?

日本糖尿病療養指導士って?どんな資格なんだろう?

日本糖尿病療養指導士は「日本糖尿病療養指導士認定機構」が認定する糖尿病療養指導士の資格です。
日本糖尿病療養指導士認定機構は、2000年に「日本糖尿病学会」「日本糖尿病教育・看護学会」「日本病態栄養学会」が母体となり設立されました。
日本糖尿病療養指導士は、糖尿病治療に大切な自己管理を患者さんに指導し、高度かつ幅広い専門知識をもっている医療従事者です。
この資格は、受験資格に相当する糖尿病療養指導の経験があり、試験を通った看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士のみが取得することができます。
そのため、日本糖尿病療養指導士に認定されることは、糖尿病の臨床における生活指導のスペシャリストであることの証しとなります。

日本糖尿病療養指導士(CDEJ)と糖尿病療養指導士(CDE)の違いは?

日本糖尿病療養指導士について調べていると“糖尿病療養指導士(CDE)”というよく似た言葉を見かけますよね。
同じ資格なのか別の資格なのか分からないという方も多いのではないでしょうか?
そんな方のために、この資格の違いについてまとめたのでみていきましょう。

糖尿病療養指導士(CDE)には、大きく分けて2種類の資格があります。
その資格が「日本糖尿病療養指導士(CDEJ)」「地域糖尿病療養指導士(CDEL)」です。

◇日本糖尿病療養指導士(CDEJ)◇

日本糖尿病療養指導士(CDEJ)は「一般社団法人 日本糖尿病療養指導士認定機構」が認定している資格です。
CDEJ認定機構が定めた講習会の受講や書類審査、試験を通った方が認定を受けるため、認定者のレベルは一定化されています。

◇地域糖尿病療養指導士(CDEL)◇

地域糖尿病療養指導士(CDEL)は、各都道府県や各地区といった地域の認定組織によって独自に認定している資格です。
そのため、各都道府県や地域などによって認定者のレベルに差がでてしまいます。

CDEJは、資格認定などに一定の基準が設けられているため、資格を取得することで一定の評価を得られキャリアアップに繋がるでしょう。
CDELは、より地域に密着した糖尿病治療や予防をしていきたい方に向いている資格といえます。

日本糖尿病療養指導士の理学療法士はどのくらいいる?

CDEJ取得者数

日本糖尿病療養指導士の資格は、2001年3月から認定試験が始まりました。
「一般社団法人 日本糖尿病療養指導士認定機構」によると、全国の有資格者の数は2019年6月現在で1万9914名です。
では、理学療法士で日本糖尿病療養指導士を取得している方はどのくらいいるのでしょうか?
一般社団法人 日本糖尿病療養指導士認定機構のデータを参考に、都道府県別の資格者数を職種別に分けて表にまとめてみました。
日本糖尿病療養指導士 県別有資格者数

日本糖尿病療養指導士 県別有資格者数

職別で見た有資格者数は、看護師が9034名と最も多いことが分かりました。
理学療法士の有資格者数は1289名と看護師に比べて圧倒的に少ないという結果に。

都道府県別でみた日本糖尿病療養指導士数のTOP3はこちら!
1位:東京 1774人
2位:大阪 1290人
3位:愛知 1182人

人口や病院数が多い都心部に有資格者が集まっていることが分かりました。
では、理学療法士の日本糖尿病療養指導士数が多いのはどこでしょうか?
TOP3の都道府県は・・・
1位:大阪 100人
2位:埼玉   85人
3位:東京   77人

日本糖尿病療養指導士の数は全国的にみてもまだまだ足りない状況です。
糖尿病大国の日本では、今後さらに必要とされるため需要のある資格といえます。

日本糖尿病療養指導士を理学療法士が取得するメリットとは?

理学療法士が日本糖尿病療養指導士を取得するメリットについて見ていきましょう。

資格を取得している理学療法士の人数は、看護師の有資格者数から見ると圧倒的に少ないのは事実です。
しかし、日本糖尿病療養指導士のなかで運動療法が行えるのは理学療法士のみで、看護師や管理栄養士、薬剤師では行えません。
理学療法士のみができる運動療法は、糖尿病に関する生活習慣病に対し食事制限などよりも高い効果をだすことができます。
そのため、他の職種よりもよい結果に繋がりやすく糖尿病センターなどを設置している医療施設では重要かつ求められている人材です。
糖尿病の臨床において、運動療法ができる唯一の存在となり生活指導のスペシャリストとして実績を作れることは、理学療法士が資格を取得する大きなメリットといえます。
また、転職をする際に資格を取得していることは有利に働き採用率も高くなります。
今後、日本の高齢化社会にともなって日本糖尿病療養指導士の需要もさらに増えるはず。需要が高まれば、今よりも資格の認知度は上がり取得を目指す方も多くなるでしょう。
理学療法士として“出来ること”が増える日本糖尿病療養指導士、ぜひ取得を考えてみてください。

日本糖尿病療養指導士の取得方法は?どうやってとるの?

日本糖尿病療養指導士資格の取得方法を解説!取得までの流れ 受験資格について 受験者用講習会 認定試験について

日本糖尿病療養指導士の資格、どのように取得するのでしょうか?
資格の取得方法や合格までの流れをみていきましょう。

日本糖尿病療養指導士資格を取るまでの流れ

まず、どのような流れで資格を取得するのかご説明します。

日本糖尿病療養指導士の資格を取得するのには受講の申込みから認定証を受け取るまでに約1年ほどかかります。
まずは、必須となっている受験者用講習会の受講申込みからスタートし資格取得を目指しましょう。

日本糖尿病療養指導士の受験資格は?

認定試験を受験するには、次の4つの要件を満たすことが必要です。

【1】看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士のいずれかの資格を持っていること

【2】条件を満たしている医療施設(※)において、過去10年以内に2年以上継続して勤務し糖尿病患者の療養指導業務を通算1000時間以上行っていること

【3】【2】の期間に携わった糖尿病療養指導の自験例が10例以上あること

【4】日本糖尿病療養指導士認定機構が開催する講習(eラーニング)を受講し、受講修了証を取得していること

※医療施設の条件についてやその他、受験資格の詳細については日本糖尿病療養指導士認定機構のホームページをご覧ください。

<注意!>
受験資格要件には認定の基準日(例年12月5日)が設定されています。
この基準日までに上記4つの項目すべてを満たすことが必要です。
うっかり過ぎてしまうと、翌年度まで待つことになるので気を付けましょう。
また、受験資格は変更になる場合もあるので「日本糖尿病療養指導士認定機構」のホームページのチェックを忘れずに!

資格取得のために必要な「受験者用講習会」とは?

日本糖尿病療養指導士の資格を取得するための、受験者用講習会の受講が必要です。
申込み方法や受講方法などについてみていきましょう。

受験者用講習会は、2017年度まで全国をブロックごとに分け、各会場にて開催されていました。
しかし、2018年度から「eラーニング」での開催に変更され、会場での開催は廃止となりました。

<eラーニング講習会(受験者用講習会)>

eラーニングとは、インターネットを利用した学習方法です。
受験者用eラーニングは、事前に収録されている講義を好きな時間に受講できるビデオ・オン・デマンド方式となっています。
各講義は、10~15分単位で区切られているため、自分の都合のよい時間に学習を進めていくことが可能です。
また、一度受講した項目は何度も視聴でき遡って復習することができます。
開講期間内にすべての講義を視聴し、最後に提示されるアンケートに回答することで『受講終了』と認められます。

<講習会の申し込み方法>

講習会は、日本糖尿病療養指導士認定機構のホームページから申し込みましょう。
まずは、認定試験の受験資格を確認しWEB受付サイトにて「講習仮登録」を行います。
受講料の振込用紙が到着後、期限までに支払いを済ませ入金確認が終わると正式登録となり受講申し込み完了です。
受講開始前日までに、メールにてeラーニングのIDとパスワードが届きます。

◎講習会申込みの詳細についてはこちらをご覧ください。

<受講料・日程について>

【受講料】
3万円(税込み)
※2020年度から、3万3000円(税込み)に改定されます。

【申込受付期間】
例年7月1日 ~ 10月31日頃

【開講期間】
例年10月1日~11月25日頃

詳細については、日本糖尿病療養指導士認定機構の講習概要にてご確認下さい。
翌年度の詳細については、毎年5月頃ホームページにて掲載されます。

資格認定試験について

受験者用講習会の受講を終えると、いよいよ資格認定試験です。
受験申し込みの方法や認定試験までの流れなどについてみていきましょう。

<認定試験申し込み方法>

資格認定試験を受けるには、受験申請書類を提出し資格審査に合格しなければなりません。
10月の上旬頃から受講修了した方に「認定試験実施要項」と「受験申請書類」一式が送付されます。
申請書類は提出期限があるため到着後すぐに提出準備にかかりましょう。

1)受験申請書類の準備
提出書類にある「糖尿病療養指導自験例の記録」は、自分が担当した糖尿病の療養指導について10例のレポート提出が必要です。
このレポートは、ただ提出すればよいというものではありません。
資格試験と同様、合否にかかわる書類なのでしっかりと準備をして提出しましょう。

2)受験料の支払い
【受験料支払い期間】
例年11月1日~12月7日頃

【受験料】
2万円 (受験資格審査料5000円を含む、税込)
※2020年度から、2万2000円(受験資格審査料5500円を含む、税込)に改定されます。

3)申請書類提出

・日本糖尿病療養指導士認定申請書および履歴書
・糖尿病療養指導業務に従事した証明書
・糖尿病療養指導自験例の記録
・受験地登録書 など

【申請書類提出期間】
例年11月15日~12月7日頃(約3週間前後)
※詳細は送付される「認定試験実施要項」でお確かめください。

4)受験申し込み後
受験料の支払いや申請書類の提出が終わると、受験資格審査が行われます。
この審査で「受験資格あり」と判定されると「受験票」が送付されます。
「受験資格なし」と判定された場合は「受験資格審査結果通知」が送付されます。

<資格認定試験について>

資格認定試験の日程や時間割などについてまとめました。
【日時】
年1回のみ(例年3月の第1または第2日曜日)

【時間】
午前(10時~12時)
午後(13時30分~15時30分)の計4時間

【場所】
全国7会場(札幌・仙台・横浜・名古屋・京都・岡山・福岡)より1つ選択

【試験内容】
・マークシート方式にて実施(150問)
・「糖尿病療養指導自験例の記録」10症例 (受験申請時に提出)

◎実施年度によって日時や会場が異なる場合があります。
認定試験申込方法など詳細についてはこちらでご確認ください。

<結果通知について>

試験結果は、5月初旬~中旬に受験者全員に郵送で送付されます。
また、合格者には合格通知の送付から1ヵ月前後で「認定証」「認定バッジ」「CDEJカード」などが届きます。

合格後に知っておきたいこと

日本糖尿病療養指導士の資格は、取得して終わりではありません。
5年毎に資格の更新をする必要があります。
認定更新は、5年間の間に規定の条件を満たすことで更新することができます。
更新条件は、規定の研修単位の取得や糖尿病患者への療養指導士などです。
認定更新年度(5年目)になると、更新手続きについての案内が4月頃にあるので忘れないように注意してください。
また、更新についての流れや詳細については日本糖尿病療養指導士認定機構の「CDEJの方」をご確認下さい。

さいごに

計画的に進めよう!

日本糖尿病療養指導士の資格取得を考えるのであれば、前もって受験資格などを確認しておき計画的に進めることが重要です。
受験資格をクリアしていても、取得までに約1年かかることを覚えておきましょう。
簡単に取れる資格ではありませんが、糖尿病患者に携わっているのであれば取得する価値のある資格といえます。
受験を考えている方は、日本糖尿病療養指導士認定機構のホームページをチェックし受験に向けて準備していきましょう!
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