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理学療法士の仕事内容とは?急性期・回復期・生活期のリハビリを徹底解説!

理学療法士の仕事内容を詳しく知りたいあなたへ。急性期・回復期・生活期における理学療法士のリハビリ内容とは?詳しく解説していきます。

更新日:2023年04月06日

公開日:2021年01月14日

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理学療法士の仕事内容とは?急性期・回復期・生活期のリハビリを徹底解説!のタイトルと子どものリハビリに従事する女性理学療法士

理学療法士を志す人は年々増えており、毎年約10,000人と多くの人が理学療法士の資格を取得し医療や福祉の現場で活躍しています。
高齢化や障がいへの理解が深まるなか、リハビリの需要が高まっている日本では理学療法士に対する認知度も高くなっており、医療・福祉業界のなかでも人気の高い職種のひとつとなっています。
しかし、理学療法士と関わりのない方にとっては、まだまだ理学療法士がどのような仕事をしているのかを詳しく説明できる人は少ないのが現状です。
理学療法士と聞くと、なんとなくリハビリをする仕事と思い浮かぶ人は多いと思いますが、実際に医療現場ではどのように患者さんと接し、リハビリを実施しているのでしょうか。
気になる理学療法士について、また理学療法士の仕事内容について詳しく解説していきます。

理学療法士とは

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理学療法士とは、病気や怪我をはじめ加齢や障がいなどによって失われた運動機能の回復やADL向上を目指すために、解剖学・運動学・生理学に基づく「理学療法」を用いて治療を行うリハビリのスペシャリストです。
「理学療法」とは、運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を用いて行われる治療法で、寝返る、起き上がる、座る、立つ、歩くといった日常生活に必要な動作の改善を目指します。
理学療法の対象となる人は運動機能が低下した人となりますが、病気や怪我だけでなく高齢や手術により体力が低下した人も含まれます。
また、スポーツ分野で活躍する人の怪我の予防やパフォーマンスの向上、運動不足や食べすぎといった生活習慣から起きるメタボリックシンドロームの予防など、健康な人にも理学療法は広がりつつあります。
なお、理学療法士が行う理学療法には徒手療法、運動療法、物理療法などが挙げられます。
「徒手療法」とは、関節の可動域の改善運動や筋力増強運動をはじめとした整形外科疾患を中心に展開される治療法で、「運動療法」は運動を行うことで障害や疾患の治療を行うために用いられます。
また、「物理療法」では温熱、寒冷、水治、光線、電気刺激といったさまざまな物理的エネルギーを使用して、痛みの緩和やむくみの改善などを目的とした治療を行います。
理学療法士は、患者さん一人ひとりの症状や問題に対し最適なプログラムを作成し、これらの治療法を活用しながら病気や怪我の回復を促し、社会や日常生活に戻るまでの支援を行います。

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理学療法士の仕事内容

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理学療法士の仕事といっても、リハビリの段階に応じてそれぞれが担う役割や仕事内容には違いがあります。
リハビリ(※リハビリテーション)とは、病気や怪我などの症状に合わせて急性期・回復期・維持期(生活期)と呼ばれる時期を通してそれぞれ治療をつないでいくこと。
そのため、病気や怪我の状態や回復度合いによって患者さん一人ひとりに対して行われるリハビリ内容は、それぞれのステージごとに変わってきます。
それらをふまえたうえで、理学療法士の仕事内容をみていきましょう。

急性期における理学療法士の仕事内容

急性期とは、病気になり始める時期のことをいいます。
急激に症状が現れる時期でもあるため、急性期病院では24時間体制で検査や処置を行い、必要に応じて重症者の手術を行うこともあります。
急性期におけるリハビリでは、がんや心臓や脳血管、呼吸器などのさまざまな疾患を抱える患者さんの状態に応じ、概ね発症から数日後~1ヶ月といった早期の段階から理学療法士や作業療法士、言語聴覚士によるリハビリが実施されます。
急性期において理学療法士が担う役割は、発症後安静にしていることで起きる筋肉の萎縮や関節の硬直、立ち眩みといった廃用症候群の防止や軽減を行うことで、主に起立訓練など患者さんにとって負担にならない内容で無理なく進めていきます。
急性期でのリハビリは最小限の機能回復を目的とし、ある程度の回復が見込めたところで次のステップとなる回復期へ移ります。
合併症などで早期にリハビリを行うことでかえって症状を悪化させてしまうケースもあるため、急性期では理学療法士の判断だけでなく医師や看護師などの多職種とカンファレンスを行うなどし、個々の患者さんに合ったリハビリを見極めることも大切なこととなっています。

回復期における理学療法士の仕事内容

回復期とは、急性期で一定の回復をした後に身体の機能回復を図る時期のことをいいます。
急な容体の変化といった危機は脱したものの、回復期でも合併症などのリスク管理は必要となるため、患者さん一人ひとりの症状に合わせたケアが大切になります。
それらを留意したうえで、回復期におけるリハビリでは病気をする前の状態へと心身ともに回復することを目指し、最終的には患者さん一人ひとりに合わせた自宅復帰や社会復帰を見据えた支援を行います。
理学療法士の仕事内容は、急性期でも行われていた基本動作の訓練を引き続き行いつつ、運動療法を用いて身体機能の回復を図ることが中心となります。
また、症状によっては理学療法士の視点から住宅改修や福祉用具の提案やアドバイスを行うこともあり、身体機能に合わせた生活環境調整も回復期における重要な役割のひとつとなっています。
この時期は、自宅復帰に不安を抱える患者さんも多くいるため、少しでも不安を解消して前を向けるように支援することも理学療法士にとって大切なこととなります。

維持期(生活期)における理学療法士の仕事内容

維持期(生活期)とは、急性期~回復期を経て病気や怪我の症状や障害の状態が安定し、在宅生活を行っている時期のことをいいます。
入院から在宅へとステージが移っても、病気の後遺症による障がいなどがある場合、完全に以前と同じような生活に戻ることが難しいケースも多くあります。
そのため、維持期におけるリハビリでは入院期間に行ってきた訓練の効果を維持や機能障害の改善を目指すだけでなく、生活の質の向上という面でもアプローチを行うことが求められます。
維持期の患者さんはそれぞれ症状や生活環境が異なるため、引き続き療養が必要な患者さんもいれば通所リハビリを利用する患者さん、また訪問リハビリを利用する患者さんもいます。
そのため、理学療法士は外来、通所、訪問といったそれぞれの状況に合わせてリハビリを行う必要があります。
いずれも、回復期と同様に基本動作の訓練や運動療法、物理療法を用いて機能回復を目指すことが中心となり、身体機能の維持や改善を図るためのプログラムに基づきリハビリを実施します。
維持期でのリハビリは、退院後も継続してリハビリを行うことが生活の質を上げることに大きく影響するため、リハビリを受ける人のモチベーションや自発的にリハビリに取り組む姿勢に気を配ることも、理学療法士にとって大切な役割のひとつとなります。

理学療法士として働ける場所

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理学療法士の需要は年々高まっており、その活躍の場所は医療現場にとどまらず福祉分野や介護分野、保健分野、スポーツ分野とさまざまです。
そのなかでも、最も多くの理学療法士が働いている場所は医療機関です。
医療機関では、一般病院をはじめ地域医療病院、診療所、特定機能病院などさまざまな領域において働くことができ、それぞれの病院の特性に合わせてスキルや経験を身につけることができます。
また、福祉分野では高齢者向けの福祉施設をはじめ、障害者福祉施設や知的障害更生施設、児童福祉施設など、子どもから高齢者まで幅広い年齢の人を対象としたリハビリに従事することができます。
そのほか、介護分野では特別養護老人ホームや有料老人ホーム、訪問介護や通所介護など、保健分野では地域活動センターなどが理学療法士の働く場所として挙げられます。
近年では、スポーツ選手だけでなく一般の人の間でも健康志向が高まっていることで、身体機能の構造を把握している理学療法士の特性を活かし、アスレチックトレーナーやスポーツトレーナーとして働く人も増えています。

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まとめ

理学療法士は、動作・運動機能の回復を専門とするリハビリのスペシャリストです。
病気や怪我などで損なわれた身体機能を回復へと導くことはもちろん、病気の後遺症などによる障がいによって生きづらさを抱える人の生活の質を上げることも、理学療法士が担う大きな役割です。
そして、その役割を全うするべく理学療法士は日々多くの職種と連携しながら、急性期・回復期・維持期(生活期)といった段階に応じたリハビリを通して、患者さんの命を繋ぐ医療を提供しています。
高齢化によって取り組みが活発化する予防介護、健康維持といった観点においても活躍の幅を広げる理学療法士は、今後も私たちの暮らしに欠かせない存在であり、ますます需要が高まる職種であるといえます。


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