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理学療法士にも英語力は必要?働き方やキャリア例・覚えておきたい英単語まとめ

理学療法士にも英語力は必要?働き方やキャリア例、リハビリ現場で覚えておきたい英単語や英会話例をご紹介しています。

更新日:2023年04月06日

公開日:2021年10月27日

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理学療法士と英語

技能実習や留学などさまざまな理由で日本に在留する外国人は、令和2年6月末時点で約288万人以上。 (※1) 
また、観光目的で日本を訪れる外国人は令和元年の1年間で約3,188万人(※2)にものぼります。 こうした状況から、医療機関における外国人患者の受け入れは以前よりも著しく増加しています。
 しかしながら、外国人患者の受け入れに対応できる病院や医療従事者はまだまだ少ない現状にあり、外国人向け医療コーディネーターの配置も普及が追いついていません。 
そのため、いまや医師や看護師のみならずさまざまな医療従事者にも英語力が求められる時代といわれています。 
いつ、どこで外国人患者の対応に迫られるか分からないいま、理学療法士もやはり英語は身につけておくべきなのでしょうか? 
また、英語ができることで理学療法士の働き方やキャリアはどのように広がるのでしょう? 
詳しく解説していきます。 
 
 
(※1)出典:令和元年末現在における在留外国人数について/出入国在留管理庁 
(※2)出典:年別 訪日外客数, 出国日本人数の推移/日本政府観光局 


理学療法士にとって英語は必要?

理学療法士にとって英語は必要? のタイトルとリハビリ風景写真.jpg

理学療法士として日々たくさんの患者さんと接するなかで、突然外国人患者を担当することになったら…?と考えたときに、普段通りのリハビリを実施できるという人はかなりの少数派といえるでしょう。 
しかし、実際にそのようなシーンに出くわすことがなければ、理学療法士が担当する患者のほとんどは日本人ですし、英語が話せることの必要性についてあまり深く考えない方も多いかもしれません。 
ですが、訪日外国人は年々増加しており、令和元年には約3,188万人以上の外国人が日本を訪れています。 
在留外国人を合わせるとその数はさらに多くなるわけですから、当然ながら病院に外国人が来院するという機会も増えています。 
このような外国人患者の受入れについては、 JCI(非営利組織Joint Commission Internationalの略称)やJMIP(外国人患者受入れ医療機関認証制度)などを取得した医療機関が都道府県によって受入れ拠点として選定されていますが、訪日外国人や在留外国人にはまだまだこれらの情報が行き届いていません。 
そのため、観光途中や仕事中に具合が悪くなった外国人が近くの病院に来院するということもそう珍しくなく、理学療法士もいつどこで「言葉の壁」に悩まされるかは分かりません。 
そういった状況をふまえると、これからの時代は理学療法士を含むセラピストもコミュニケーション程度の英語力は身につけておくことが大切です。 
もちろん、理学療法士として働いている方は養成学校で基礎科目として英語を学んできたはずですが、大半は中学英語の延長となるような内容や医学英語として知っておくべき単語の習得が中心です。 
実際の医療現場においては、相手が話していることを聞き取る力や、状況を説明するための会話力も求められるようになっていくでしょう。
 
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英語が話せる理学療法士の働き方・キャリアアップ例

英語が話せる理学療法士の働き方・キャリアアップ例タイトルと英文背景.jpg

世界共通語である英語が話せるということは、仕事の幅を広げる大きな武器となります。 
ビジネスシーンでは、世界中の国々と商談や取引を行ったり海外に赴任して活躍したりといったグローバルな働き方が可能となりますが、英語が話せる理学療法士の場合はどのような働き方が可能となるのでしょうか。 
英語が話せることで広がる理学療法士のキャリアアップ例をみてみましょう。  

海外に向けた論文や研究発表など高いレベルで活躍ができる

医学は日々進歩していますが、理学療法の技術や研究が進んでいるのはアメリカやオーストラリア、イギリスといった海外の国々です。 
そして、それらの国々で発表される論文の国際基準は英語です。 
日本でも臨床経験や研究をもとに論文や独自の成果を発表する機会はありますが、英語が話せる、リーディングや読解力があるという人は、国際学会で発表するなど海外に向けた発信が可能となります。 
2023年には世界理学療法連盟学会・総会が日本で開催されることが決まり、国内のみならず海外からも注目されることが予想されます。 
英語力があればこのような貴重な機会に参加するチャンスもあるため、世界の国々と肩を並べて最新の技術や知識を習得しあい、理学療法士としてのスキルを磨くことができます。

外国で理学療法士として活躍できる

英語圏で暮らせるレベルの英語力があれば、理学療法の先進国となるアメリカやオーストラリア、イギリスなど、外国で理学療法士として働くという選択も可能になります。 
海外で理学療法士として働くには、それぞれの国や州における理学療法士の資格を別途取得する必要がありますが、必要なステップをクリアすることで国際的に活躍することができます。 
働く国によっては理学療法士の開業権がある国もあるため、日本で活躍するよりもよりステータスの高い働き方を叶えることができます。 
特に、アメリカでは理学療法士は人気の職業として社会的地位も高いことで知られています。 
開業をして知名度が上がれば、日本で働くよりも高い収入が得らえることも魅力のひとつです。 

スポーツ分野のPT、トレーナーとして活躍できる

理学療法士の活躍市場としてはまだまだ小さいですが、理学療法士としての経験と英語力を活かし、スポーツ選手の専属トレーナーやスポーツ分野のPTとして活躍する人もいます。 
スポーツ選手の専属トレーナーになると日本国内のみならず海外の試合についていくという機会も少なくなく、理学療法士には専門知識や技術だけでなく「英語が理解できる」、「英語を話すことができる」といった英語力が求められます。 
個人の知名度が上がれば、トレーナーの仕事以外にもセミナー講師などいろいろな角度から活躍の場を広げることも可能で、自身の裁量に応じて仕事を獲得する楽しみも得られるでしょう。 

外国人が多く来院する病院で働くことができる

在日アメリカ軍の基地が近くにあるなど、地域の特性上外国人が多く来院する病院では英語を話せる理学療法士が歓迎される傾向にあり、身につけた英語力を活かしてリハビリ業務に従事することができます。 
また、このように外国人患者が多く来院する可能性がある病院では、リハビリ業務のみならず医療翻訳として活躍するケースも稀にあります。 

認定理学療法士・専門理学療法士として高い専門性をもって働ける

理学療法士のキャリア資格のひとつとして認定理学療法士や専門理学療法士が挙げられますが、これらの資格取得に伴う勉強には英文の参考書やエビデンスを読むことが必要となります。 
また、学会発表時の資料作成などには引用として海外の文献などを参考にする機会も多くあるため、英文に対しリーディングや読解する力が備わっていることも求められます。 
認定理学療法士も専門理学療法士も英語力があれば資格取得ができるというわけではありませんが、スキルアップ過程において英語力は必須であり、資格取得後には高い専門性をもって理学療法士としてのキャリアを積むことができます。 
 
 
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理学療法士が覚えておきたい英語とは?

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日本人患者のみならず外国人患者を診る機会も増えてきている医療現場において、理学療法士が覚えておきたい英単語はたくさんありますが、一般的な日常会話レベルの英単語は必要最低限覚えておいたほうがよいでしょう。 
英話が苦手な方でも、単語をつないだ簡単な会話と笑顔で接することを意識することで、「言葉の壁」による不安は幾分か減るはずです。 
とはいえ、実際にリハビリを行う際にはどうしても日常会話だけでは外国籍の方に訓練や指導内容が伝わりにくいシーンも出てきます。 
特に詳しく症状や治療内容の説明を行うのなら、なおさら相手に理解をしてもらうことの難易度は高くなります。 
そこで覚えておきたいのが、リハビリを行う際に相手に伝わりやすい英単語です。 
相手に伝わりやすい英単語のポイントは、難しい医療用語や専門用語をできるだけ使用せず、端的に答えやすい簡単な質問や会話を意識することです。 
また、何かを始める際には必ず何に対してリハビリを行うのかを伝えることも大切です。 
説明なくいきなりリハビリを進められてしまうことで「今から何が始まるのか」と不安を覚える患者さんは少なくないため、「~To undergo rehabilitation (~(患部)に対してリハビリを行います)」と一言伝えるようにし、合わせて「Do you have any question?(質問はありますか?)」と伝えるとなおよいでしょう。 
以下では、シーン別に合わせた参考例文や覚えておきたい英単語を一部ご紹介しています。 
リハビリの現場で英会話に悩む方はぜひ参考にしてみてください。 
 
 
■疾患の原因や痛みなど症状について知りたいとき 
・「How did it happen?(どのようにしてそうなったのですか?) 
・「Does it hurt here?(ここは痛みますか?)」 
・「Does your leg hurt?(足は痛みますか?)」 
・「 Can you move your legs?(足は動かせますか?)」 
 
<4段階に分かれる痛みを表す英単語> 
・「Mild pain (軽い痛み)」 
・「Chronic pain (慢性痛)」 
・「Extreme pain (苦痛)」 
・「 Severe pain (激痛)」 
 
■物理療法を行うとき 
・「 Warm and improve pain. (温めて痛みを改善します。)」 
・「 Warm it to improve blood circulation. (温めて血行をよくします。)」 
・「 Apply electricity to relieve pain.(電気を流して痛みを和らげます。)」 
・「 I will call out when it is over. (終わる頃に声をかけますね。)」 
 
<治療法を表す英単語> 
・「 Hyperthermia(温熱療法)」 
・「 Electrotherapy(電気療法)」 
・「 Microwave(マイクロ波)」 
・「 Infrared(赤外線)」 
 
■運動療法を行うとき 
・「 Use this machine to bend and stretch your knees.(このマシンを使って膝の曲げ伸ばしを行います。)」 
・「 Please keep your breathing in order. (呼吸を整えながら行ってください。)」 
・「 Please walk slowly with the handrail.(手すりをもってゆっくり歩いてください。)」 
・「 Go up and down the stairs.(階段の上り下りをします。)」 
・「 Move your arms up and down. (腕の上下運動をします。)」 
・「 Please let me know if you have any pain. ( 痛みがあれば教えてください。)」 
 

まとめ

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 理学療法士として働いている方の多くは、外国人患者とそれほど接する機会が少なく、英語に触れる機会というのは医師や看護師とメディカル英語を話す程度でしょう。 
しかし、訪日外国人や在留外国人の多さと外国人患者の受入れ医療機関の認知の低さを鑑みると、リハビリの現場でも英語の需要は高くなっており、理学療法士にもある程度の英語力は求めらるようになってきています。 
急な外国人患者の来院に焦らずに対応するためにも、意思疎通ができる程度の英語力は身につけておいたほうが今後のためになるでしょう。 
今は、電子辞書やスマートフォンなどの翻訳機能など、英語が話せなくてもコミュニケーションをとるためのツールはいろいろあります。 
英語が苦手という方は、このようなツールを利用して対応するのもよいかもしれませんね。 
「英語が話せる・聞きとれる・理解できる」といった方であれば、活躍の場を海外へ広げたりキャリアアップのひとつとして役立てたりすることもできるため、英語力を活かした働き方を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。 


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